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Contents

野菜の歴史

原始的な農耕は約2万年前、1万年前になると稲の栽培が始まったと言われます (農林水産省の「遺伝子組換え農作物」パンフレットより)。その後9000年前に小麦、大麦、キビ等の栽培、5000年前にはトウモロコシ、インゲン豆、綿などの栽培が始まります。以降、人間は品種改良によって多くの作物を作り出してきました。


参考文献

本ページは以下の内容を参考にまとめてあります。

根、地下茎を食べるもの

いわゆる芋類や根菜です。通常イモと呼ばれる植物は様々な科に属することがわかります。根と茎の違いは、芽を持つかどうかでわかります。ジャガイモやハスは根茎なので芽があります。タマネギやニンニクは葉の下の葉鞘という部分にあたるため、鱗茎を食べる野菜に分類しました。

学名
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科名
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目名 和名
(野菜図鑑へ)
原産 栽培 日本渡来 解説
Brassica rapa Brassicaceae
アブラナ科
Brassicales カブ(蕪) 中央アジア/ヨーロッパ西南部 紀元前(ヨーロッパ) 693年(持統天皇の時代) 東日本はヨーロッパ型(朝鮮)。西日本にはアジア型(中国)。「日本書紀」で栽培奨励。ヨーロッパでは飼料用に多く栽培。下にあるコマツナも参照すること。
Raphanus sativus Brassicaceae
アブラナ科
Brassicales ダイコン(大根) 地中海沿岸,中央アジア DC3000年(古代エジプト) 4世紀(古墳時代) 「日本書紀」に「於朋泥(おほね)」として記載。江戸時代には「ダイコン」とよばれるようになった。春の七草の一つの「すずしろ」。冷害に強い。
Eutrema japonicum (Miq.) Koidz. Brassicaceae
アブラナ科
Brassicales ワサビ(山葵) 日本 12世紀(鎌倉時代) 918年の『本草和名』にも登場。日本独自の野菜。12世紀以降、遠江国:静岡県で栽培。
Daucus carota Apiaceae
セリ科
Apiales ニンジン(人参) アフガニスタン 2000年前(アジア) 17世紀(戦国~江戸時代初期) アジア型(今では金時ニンジンのみ)とヨーロッパ型(江戸後期・フランス)がある。化合物「カロテン」の名は、英語の「キャロット」に由来。
Arctium lappa Asteraceae
キク科
Asterales ゴボウ(牛蒡) ユーラシア大陸北部 - 8世紀(平安時代) 中国から薬草として渡来。ゴボウを食用としているのは、日本のみ。中国では薬用。解毒、解熱、鎮咳。
Ipomoea batatas Convolvulaceae
ヒルガオ科
Solanales サツマイモ(薩摩芋) 中央アメリカ 1492年(ヨーロッパ) 1615年(江戸時代) 中央アメリカでは紀元前4000年から栽培。日本には1597年宮古島、1607年に琉球伝来、その後薩摩へ(1615)。(中国伝来は1594年。)青木昆陽。
Colocasia esculenta Araceae
サトイモ科
Alismatales サトイモ(里芋) インド東部/インドシナ半島 紀元前(中国) ~縄文時代後期 サトイモは稲作以前の主食と推定。山芋(自然薯・ジネンジョ)に対する名前。南方で利用されているタロイモも近縁種。
Zingiber officinale (Willd.) Roscoe Zingiberaceae
ショウガ科
Zingiberales ショウガ(生姜) 熱帯アジア 紀元前(中国) 3世紀(古墳時代) 香辛料の一つとして世界中で利用。前漢『史記』。別名「はじかみ」。栽培・収穫方法により、根しょうが、葉しょうが、軟化しょうがに分けられる。
Solanum tuberosum L. Solanaceae
ナス科
Solanales ジャガイモ(馬鈴薯) 南アメリカ 1492年(ヨーロッパ) 1601(慶長年間) アンデス山脈チチカカ湖周辺地域で5世紀頃から先住民の主食として栽培。「男爵いも」の「男爵」とは実在の人物川田龍吉を指す。日本にはオランダから1601年長崎に伝来。
Nelumbo nucifera Gaertn. Nelumbonaceae
ハス科
Proteales レンコン(蓮根) 中国/エジプト 紀元前3000年(インド) 2000年以上前(縄文時代) 日本での栽培は仏教伝来の頃。はじめは鑑賞用だった。食用品種は鎌倉時代以降、僧道元らにより中国から導入。本格的な栽培は明治時代以降。
Phyllostachys heterocycla (Carriere) Matsum. Poaceae
イネ科
Poales タケノコ(筍) ヨーロッパ/西南アジア 3世紀前半?(中国) 18世紀(江戸中期) モウソウチクは中国江南地方原産。薩摩藩主の島津吉貴が植えたとの説あり。

鱗茎を食べるもの

多くの葉が短い茎の周囲に層を成して多肉化したものを鱗茎といいます。チューリップや彼岸花の球根も鱗茎です。

学名
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科名
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目名 和名
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原産 栽培 日本渡来 解説
Allium cepa L. Alliaceae
ネギ科
Asparagales タマネギ(玉葱) 中央アジア/地中海沿岸 紀元前(エジプト/ヨーロッパ) 19世紀末(明治時代以降) 旧約聖書や千夜一夜物語に食べたり精力剤にする話がある。ヨーロッパ一帯に広まったのは、16世紀から。ダイコン、キャベツとともに国内の収穫量ベスト3。
Allium sativum L. Alliaceae
ネギ科
Asparagales ニンニク(蒜苔・茎ニンニク) 中央アジア 紀元前3200年頃(古代エジプト) 7世紀末?(奈良時代) 日本では少なくとも1000年以上前から薬用として栽培。『日本書紀』『源氏物語』にも登場。しかし一般に普及したのは、大戦後。
Allium chinense G.Don Alliaceae
ネギ科
Asparagales ラッキョウ(辣韮) 中国 紀元前(古代中国) 9~10世紀頃(平安時代)? 当初は薬用。野菜として普及したのは、江戸時代。中国古代の「山海経」にも記述。中国では漬物の他、生食され、台湾では煮ものにも用いられる。
Lilium lancifolium Liliaceae
ユリ科
Liliales ユリネ(百合根) 中国/朝鮮半島/日本 17世紀以降(江戸時代) 食用としての主流は、コオニユリ。北海道産がほとんどで、関西地方で消費が多い。日本では18種が自生しており、野生のものも利用される。
Erythronium japonicum Decne. Liliaceae
ユリ科
Liliales カタクリ 日本/朝鮮半島 自生 万葉の時代からカタカゴの花として詩歌に謳われ、親しまれてきた。花と葉と鱗茎を食用に用い、片栗粉はもともと鱗茎のでんぷんを指した。


芽や葉を食べるもの

学名
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科名
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目名 和名
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原産 栽培 日本渡来 解説
Cryptotaenia canadensis DC. subsp. japonica (Hassk.) Hand.-Mazz. Apiaceae
セリ科
Apiales ミツバ(三つ葉) 東アジア/北アメリカ 江戸時代 17世紀末(江戸元禄年間) 日本に自生しており、江戸時代になってから栽培化。日本と中国のみで栽培。栽培方法により、切りみつば、根みつば、糸みつばに分けられる。
Oenanthe javanica (Blume) DC. Apiaceae
セリ科
Apiales セリ(芹) ユーラシア/熱帯アフリカ 1000年以上前(平安時代)? 『万葉集』、平安時代の『延喜式』にも記載。湿地に自生。栽培方法により、水ぜりと畑ぜりに分けられる。
Apium graveolens L. var. dulce (Mill.) Pers. Apiaceae
セリ科
Apiales セルリー(オランダミツバ)  ? 紀元前(古代ギリシャ・ローマ) 江戸時代 当初は薬用植物。ギリシャ・ローマの時代の貨幣に、セルリーの葉の絵柄がある。加藤清正が大陸から持ち帰ったといわれ、「キヨマサニンジン」とよばれた。
Petroselinum crispum (Mill.) Nyman Apiaceae
セリ科
Apiales パセリ(オランダ菜) 地中海沿岸 DC2000~2500(古代ギリシャ・ローマ) 18世紀末(長崎・オランダ人) 古代ギリシャでは、飼料。ローマ人は食用に栽培。9世紀にはフランスに伝わった。
Angelica decursiva (Miq.) Franch. et Sav. Apiaceae
セリ科
Apiales ノダケ(土当帰・ツチダラ) 日本 14世紀(室町時代) 室町時代は薬用。江戸時代は贅沢品として幕府から規制された。
Angelica keiskei (Miq.) Koidz. Apiaceae
セリ科
Apiales アシタバ(明日葉) 中部地方から南の太平洋岸 (江戸時代) 暖かい地方で採れるもの程柔らかく香りも良く美味しい。生長の速さが特徴。
Aralia cordata Thunb. Araliaceae
ウコギ科
Apiales ウド(野生種)(独活) 東洋や日本各地の山野 自生 採取時期は4~5月で、新芽が出て丈が10~40cmの頃に採取。
Aralia elata (Miq.) Seem. Araliaceae
ウコギ科
Apiales タラノメ 日本 自生 寒い地方のものが美味とされる。ハウスものも多く出回っている。市場での最盛期は3月。
Petasites japonicus (Siebold et Zucc.) Maxim. Asteraceae
キク科
Asterales フキノトウ(蕗の薹) 日本/朝鮮半島/中国 自生 雪国で採れるものの方が、苦味が少なく、味も香りも良い。
Chrysanthemum coronarium L. Asteraceae
キク科
Asterales シュンギク(菊菜・キクナ) 地中海沿岸 ?(中国) 14世紀(室町時代) 食用に栽培するのは日本や中国の東アジアだけ。江戸時代末期から各地で栽培。ヨーロッパでは菊の香りが食用として好まれないため、主に鑑賞用。
Lactuca sativa L. Asteraceae
キク科
Asterales レタス(苣・チシャ) 西アジア/地中海沿岸 DC4500年頃(古代エジプト) 8世紀(奈良時代) 紀元前6世紀、ペルシャ王の食卓に上ったとされる。結球する玉レタス(玉チシャ)は、16世紀頃から。日本では昭和48年、野菜の予冷技術により全国出荷が可能になった。
Petasites japonicus (Siebold et Zucc.) Maxim. Asteraceae
キク科
Asterales フキ(蕗) 日本 9世紀?(平安時代) 日本全国に野生種が自生。古くから薬用。野菜としては栽培は、日本のみ。冬に黄色い花を咲かせることから「冬黄(ふゆき)」⇒「フキ」となったといわれる。
Dendranthema grandiflorum (Ramat.) Kitam. Asteraceae
キク科
Asterales 食用菊(甘菊・アマギク) 中国 紀元前(中国) 8世紀後半(奈良時代) 当初は薬草として貴族社会が中心。菊酒等。一般に食用は江戸前期以降。
Eutrema wasabi Maxim. Brassicaceae
アブラナ科
Brassicales キャベツ(甘藍・カンラン) ヨーロッパ DC2000~2500(古代ギリシャ・ローマ) 18世紀初頭(江戸時代) もともとキャベツは結球しないケールから作出した野菜。詳細はこちら。日本では当初、オランダ菜(葉牡丹)として観賞用だったが幕末から食用栽培。明治になって本格的栽培が始まり、昭和25年頃から消費が急増。
Brassica pekinensis (Lour.) Rupr. Brassicaceae
アブラナ科
Brassicales ハクサイ(白菜) 中国 7世紀頃(中国) 19世紀末~20世紀(日清・日露戦争) 日清・日露戦争に従軍した農村出身の兵士から広まる。明治8年東京博覧会で紹介。全国的な栽培は昭和から。
Brassica rapa L. var. perviridis L.H.Bailey Brassicaceae
アブラナ科
Brassicales コマツナ(小松菜)  ? ~300年前  ? 五代将軍綱吉が小松川村に鷹狩りに来た際、献上された。江戸庶民の貴重な冬野菜であり、栽培も消費も東京が第一位。最近は中国野菜とかけあわせたものが誕生。チンゲンサイ、ミズナ、ミブナ、ナバナ、カブ等は全てBrassica rapaという同種。
Allium fistulosum L. Alliaceae
ネギ科
Asparagales ネギ(葱・ネギ゙) シベリア/中国西部 紀元前(中国) 5世紀(飛鳥時代) 擬宝珠(ぎぼし)は「ネギボウズ」をかたどったもの。『日本書紀』にも登場。16世紀欧州へ。関東では白い部分を食べる根深ねぎ、関西では柔らかい緑の葉を食べる葉ねぎが主に栽培されていた。
Allium tuberosum Rottler ex Spreng. Alliaceae
ネギ科
Asparagales ニラ(韮菜・ニラナ) 東南アジア/中国南西部 3000年前(中国) 9世紀(平安時代) 『古事記』『日本書紀』にも登場。「加美良(カミラ)ミラ」は美味しいと云う意味の古語。ヨーロッパでは現在もほとんど栽培されていない。
Asparagus officinalis L. Asparagaceae
クサスギカズラ科
Asparagales アスパラガス(オランダうど) 南ヨーロッパ/ロシア南部 紀元前(古代ギリシャ・ローマ) 18世紀後半(江戸中期) 日本には江戸時代にオランダ人によって伝えられる。当初は観賞用。食用としての普及は、明治初期以降。
Spinacia oleracea L. Amaranthaceae
ヒユ科
Caryophyllales ホウレンソウ(唐菜・カラナ) 西アジア 紀元前(ペルシャ⇒イラン) 16世紀中頃(戦国時代) 回教徒の聖地巡礼によって東西に広がった。ペルシャから伝わったので、菠蔆草。元禄時代の西鶴の小説に登場。
Corchorus olitorius L. Malvaceae
アオイ科
Malvales モロヘイヤ(台湾ツナソ) 中近東/アフリカ北部 DC3000年(エジプト) 1980年代(昭和) 古くから貴重な緑野菜。元はムルキイヤといい、アラビア語で「王家の野菜」の意味。実は有毒(強心作用)だが、葉に毒素は無い。詳細は農業・食品産業技術総合研究機構の試験結果
Zingiber mioga (Thunb.) Roscoe Zingiberaceae
ショウガ科
Zingiberales ミョウガ(茗荷) アジア東部 1000年以上前(平安時代)? 『魏志倭人伝』にミョウガの漢名があり、平安時代の『延喜式』にも記載。蕾を食用に用いる。
Persicaria hydropiper (L.) Spach Polygonaceae
タデ科
Caryophyllales ヤナギタデ(蓼) 北半球 (奈良時代?) 蓼食う虫のタデとして有名。辛味を香辛料として用い『万葉集』にも詠まれている。変種の笹たで(葉たで)は鮎の塩焼きに欠かせないのでアユタデともいう。刺身のつまに用いる紅タデはヤナギタデの変種の幼芽。
Hosta montana F.Maek. Agavaceae
リュウゼツラン科
Liliales ギボウシ(ウルイ) 東アジア 自生 日本海側の山地に自生。栽培されているスジギボウシは全国に分布。葉が開く前の巻いた若芽が食用。
Perilla frutescens (L.) Britton var. Acuta Kudo Lamiaceae
シソ科
Lamiales シソ(紫蘇) 地中海沿岸/中央アジア ~縄文時代後期 縄文時代の貝塚や遺跡からシソの種子が出土。花・芽・葉何れも食用。防腐作用があるため刺身に添えられる。
Zanthoxylum piperitum (L.) DC. Rutaceae
ミカン科
Sapindales サンショウ(山椒) 東アジア/北アメリカ 『魏志倭人伝』や『古事記』にも「ハジカミ」として載っている。栽培は明治時代から。若芽(木の芽)、未熟果、乾燥させた実が用いられる。
Nicotiana tabacum L. Solanaceae
ナス科
Solanales タバコ(煙草) 南米 1492年(ヨーロッパ) 慶長年間(1596-1615)(江戸時代初期) アンデス山中の野生種が原種とされ、コロンブスが持ち帰った。煙草1本に含まれるニコチン量は優に子供の致死量を超え、劇薬。

裸子植物に属するもの

常食している裸子植物は、いわゆる山菜と呼ばれる類が多いことがわかります。

学名
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科名
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目名 和名
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原産 栽培 日本渡来 解説
Matteuccia struthiopteris (L.) Tod. Woodsiaceae
イワデンダ科
Polypodiales クサソテツ(コゴミ) 欧州/アジア東部/北アメリカ 自生 シダ類。巻いた若芽全体が食用。山形などでは、早出しのために栽培。
Osmunda japonica Thunb. f. divisa (Makino) Tagawa Osmundaceae
ゼンマイ科
Osmundales ゼンマイ(薇) 日本/朝鮮半島/台湾/ヒマラヤ 自生 シダ類。アク抜きや乾燥に手間がかかるため、市販品の80%以上は中国からの輸入品。
Pteridium aquilinum (L.) Kuhn var. japonicum Nakai Dennstaedtiaceae
コバノイシカグマ科
Polypodiales ワラビ(蕨) 温帯から熱帯 自生 シダ類。日本では万葉の時代から山菜として親しまれる。各地の日当たりの良い草地や土手に生育。露地栽培やハウス物もある。
Ginkgo biloba L. Ginkgoaceae
イチョウ科
Ginkgoales ギンナン(銀杏) 中国 鎌倉時代 自生

花や実を食べるもの

学名
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科名
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目名 和名
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原産 栽培 日本渡来 解説
Brassica oleracea L. var. botrytis L. Brassicaceae
アブラナ科
Brassicales カリフラワー(花キャベツ) 地中海沿岸 15~16世紀(ヨーロッパ) 19世紀末(明治初年) ブロッコリーが突然変異によって白化。元はイタリア方面に野生していたクレティカ種。
Brassica oleracea L. var. italica Plenck Brassicaceae
アブラナ科
Brassicales ブロッコリー(緑花野菜) 地中海沿岸 15~16世紀(ヨーロッパ) 20世紀初頭(明治時代) 本格的に栽培が始まったのは第二次世界大戦後。1980年代に一般化。現在はアメリカ産の輸入ブロッコリーが多く出回る。
Capsicum annuum L. var. acuminatum Solanaceae
ナス科
Solanales トウガラシ(唐辛子) メキシコ 1493年(ヨーロッパ) 1542年(戦国時代) 秀吉の朝鮮出兵で韓国に伝わったという説もある。世界三大香辛料(トウガラシ・コショウ・カラシ)の一つ。
Capsicum annuum L. var. grossum Solanaceae
ナス科
Solanales ピーマン(甘とうがらし) 熱帯アメリカ 1493年(ヨーロッパ) 19世紀末(明治時代初期) 緑色ピーマンは未熟なもの、赤、橙、黄色は熟したもの。大戦後に定着。コロンブスが発見し持ち帰った。日本には16世紀に入り、江戸時代に普及。生物種としては唐辛子と同じ。
Solanum melongena L. Solanaceae
ナス科
Solanales ナス(茄子) インド東部地方 5世紀以前(東南アジア) 8世紀以前(奈良時代) 「正倉院方書」に献上されたという記載がある。日本でのもっとも古くからの野菜の一つ。欧州には13世紀に伝わったが普及せず。
Lycopersicon esculentum Mill. Solanaceae
ナス科
Solanales トマト(小金瓜・蓄茄) 中南米 1523年(ヨーロッパ) 17世紀(江戸時代) アンデス高地原産、1000年頃から栽培。メキシコを経てヨーロッパへ渡来。当初は観賞用。食用栽培は18世紀。フランスでは「愛のリンゴ」、イタリアでは「天国のリンゴ」とも呼ばれ、親しまれている。
Cucurbita pepo var. melopepo Cucurbitaceae
ウリ科
Cucurbitales ズッキーニ アメリカ南部/メキシコ北部 15世紀末(ヨーロッパ) 1980年代(昭和時代) ヨーロッパにおいては春先に最も早く出回る野菜として、珍重。ペポカボチャの仲間。
Cucurbita moschata (Duchesne ex Lam.) Duchesne ex Poir. Cucurbitaceae
ウリ科
Cucurbitales カボチャ(南瓜) 中央アメリカ/南アメリカ 15世紀末(ヨーロッパ) 1549年(安土桃山時代) 中央アメリカ原産の東洋種と、南アメリカ原産の西洋種がある。日本にはカンボジアから渡来したことから、「カボチャ」の名に。西洋種は江戸末期に導入、現在9割を占める。
Momordica charantia L. Cucurbitaceae
ウリ科
Cucurbitales ゴーヤー 南アジア 14~5世紀(明王朝→沖縄) 15世紀初頭(沖縄) 苦瓜またはsツルレイシとも呼ばれる。林羅山が記した多識篇(1612年)に栽培の記載がある。中国や東南アジアでは薬用種が存在。
Citrullus lanatus (Thunb.) Matsum. et Nakai Cucurbitaceae
ウリ科
Cucurbitales スイカ(西瓜) 南アフリカ/カラハリ砂漠 4000年前(古代エジプト) 天正7年(1597)(江戸時代) 4000年前にはエジプトで栽培され、当初は「種」を食用とした。ボツワナ共和国原産。カボチャと共に伝来。
Cucumis melo L. Cucurbitaceae
ウリ科
Cucurbitales メロン 北部及び東アフリカ/中近東 2000年前 17世紀(江戸時代) 古代エジプトで既に栽培されていたもいわれる。日本では明治以降ヨーロッパ種が定着。大正末期、イギリスから導入された温室メロン「アールス・フェボリット」をもとに育成。アンデスメロンは「サカタの種」が昭和53年頃庄内で試作。
Cucumis sativus L. Cucurbitaceae
ウリ科
Cucurbitales キュウリ(胡瓜・黄瓜) インド/ヒマヤラ山麓 紀元前1000年頃(西アジア・インド) 6世紀(飛鳥時代) 古い書物には「下品の瓜」など、下級なものとして記されていた。切り口が徳川家の三つ葉葵の紋に似ていることから、武士は「畏れ多い」として武士は食べなかったともいわれる。
Abelmoschus esculentus (L.) Moench Malvaceae
アオイ科
Malvales オクラ 東北アフリカ DC3000年(エジプト) 19世紀(幕末) 日本では五角形だが八角形や丸形もある。完熟実はコーヒー豆に代用される。アオイ科らしい黄色大輪の美しい花を咲かせる。
Zea mays L. Poaceae
イネ科
Poales スイートコーン(玉蜀・トウモロコシ) メキシコ/南アメリカ北部 1492年(ヨーロッパ) 1579年(安土桃山時代) 栽培はマヤ、アステカなど古代文明(DC3000年)。15世紀、コロンブスのアメリカ大陸到達以降、世界に広まった。トウモロコシは三大穀物の一つ。

豆類、種を食べるもの

学名
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科名
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目名 和名
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原産 栽培 日本渡来 解説
Phaseolus vulgaris L. Fabaceae
マメ科
Fabales インゲン(隠元・インゲンマメ) メキシコ南部/中央アメリカ 15世紀末(ヨーロッパ) 17世紀(江戸時代) 隠元禅師が日本に伝えた。当初は豆を食用、若鞘を食べる現在の品種は幕末に渡来。一年に3度も収穫可能なことから「サンドマメ」とも呼ばれる。
Pisum sativum L. Fabaceae
マメ科
Fabales エンドウマメ(豌豆) 中央アジア/中近東地域 DC3000年?(ギリシャ時代) 10世紀(平安時代) ツタンカーメン王王陵の発掘時に、副葬品の中から発見された。日本には当初「穀物」として伝わる。野菜として食用は江戸時代。普及は明治時代。
Glycine max (L.) Merr. subsp. Max Fabaceae
Fabales エダマメ(枝豆),
マメ科
中国 17世紀頃(江戸時代) 穀物用大豆は東アジア原産。日本には8世紀頃伝来。中国でDC2000年から栽培。江戸時代には枝豆が出回り、陰暦9月13日の月は「豆名月」と呼ばれた。
Vigna unguiculata (L.) Walp. Fabaceae
マメ科
Fabales ササゲ(大角豆) 熱帯アフリカ 18世紀(江戸時代) インゲンより暑い季節に実ができる。若い実が弓なりに反り返る様子が「捧げ持つ」。
Vicia faba L. Fabaceae
マメ科
Fabales ソラマメ(空豆) 中央アジア/地中海沿岸 DC3000年(古代エジプト) 18世紀?(江戸中期?) 約70%が中国において生産。豆板醤は、中国四川地方産で造られる。蚕豆とも。豆の鞘が空へ向かって育つことから「ソラマメ」の名に。
Arachis hypogaea L. Fabaceae
マメ科
Fabales ラッカセイ(落花生) 南米(ボリビア) 紀元前850年(ペルー) 1703年(江戸時代) 16世紀に欧州、アフリカへ。18世紀アジア。日本へは中国から伝来。南京豆、唐人豆。

果物と呼ばれるもの

学名
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科名
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目名 和名
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原産 栽培 日本渡来 解説
Fragaria x ananassa Duchesne Rosaceae
バラ科
Rosales イチゴ(苺) 南米産チリ種と北米産/バージニア種との配合 18世紀(オランダ) 19世紀?(江戸時代) 野生のキイチゴとは別種。栽培種のルーツはオランダで南アメリカ原産のチリ種に北アメリカ原産のバージニア種を交配したもの。日本にはオランダから長崎に伝来、オランダイチゴと呼ばれた。
Citrus unshiu (Swingle) S.Marcov. Rutaceae
ミカン科
Sapindales ミカン(蜜柑) インド東部(アッサム地方) 400~500年前(奈良時代) 江戸時代「紀州ミカン」。温州ミカンは、中国原産種の特別変異種で、いわば日本原産。
Malus pumila Mill. Rosaceae
バラ科
Rosales リンゴ(林檎) コーカサス地方/西アジア 8000年以上(トルコ) 9世紀(平安時代) 冷帯の代表的果樹。明治以降に外国種が入り、青森で栽培成功。
Diospyros kaki Ebenaceae
カキノキ科
Ericales カキ(柿) 東アジア 16世紀(ポルトガル) 3000年前(縄文時代) 大型の柿は奈良時代に中国から伝わる。日本から欧州へ伝わった。
Vitis vinifera Vitaceae
ブドウ科
Vitales ブドウ(葡萄) カスピ海・コーカサス北部/アメリカ東部 8000~9000年前(シュメール人) 1186年(文治2年)(鎌倉時代) 700年頃、中国伝来の種子を用いて山梨(勝沼)でブドウ栽培。江戸時代、京都、大阪にも拡大。
Musa x paradisiaca L. Musaceae
バショウ科
Zingiberales バナナ 東南アジア/アフリカ/ニューギニア 5000年前? 20世紀初頭(明治時代末) アフリカでは地下茎からデンプンを採る。日本に台湾から伝わった。「茎」は葉の基部(疑茎)。
Ananas comosus (L.) Merr. Bromeliaceae
パイナップル科
Poales パイナップル 熱帯アメリカ(ブラジル) 15世紀末(ヨーロッパ) 1845年?頃(江戸時代末期) もともとサボテンの仲間で耐乾性の強い植物。沖縄、石垣島で栽培開始。
Citrus limon (L.) Osbeck Rutaceae
ミカン科
Sapindales レモン(檸檬) インド東部/ヒマラヤ 15世紀(イタリア・ゼノア) 19世紀(明治8、9年) アメリカ、イタリア、スペイン、オーストラリアなどが主産地。栽培適地では年に3回も開花。
Malpighia glabra L. Malpighiaceae
キントラノオ科
Malpighiales アセロラ 熱帯アメリカ/西インド諸島  ?  ? 開花から果実が成熟するまで、約1ケ月。同じ木から、果実を1年に何回も収穫可。
Theobroma cacao L. Malvaceae
アオギリ科
Malvales カカオ 中米/南米(アステカ) 西暦600年頃(マヤ) 18世紀後半(江戸時代) 1494年スペイン王にコロンブスが献上。しかし、1528年コルテスが伝えて栽培開始。
Persea americana Lauraceae
クスノキ科
Laurales アボカド(ワニナシ) 中央アメリカ~メキシコ 紀元前(7800年前)  ? 脂肪が多く(20%)、「森のバター」ともいわれる。15世紀にスペイン人が持ち帰った。
Mangifera indica L. Anacardiaceae
ウルシ科
Sapindales マンゴー インド(アッサム地方) 紀元前2000年 19世紀末(明治時代前半) 16世紀頃オランダ人により、東南アジア、台湾に伝わる。沖縄での本格栽培は昭和60年頃。
Passiflora edulis Sims Passifloraceae
トケイソウ科
Malpighiales パッションフルーツ(果物時計草) ペルー/ブラジル南部  ? 1723年(江戸時代) 酎寒性があり、栽培が安易。花が時計の文字盤に使われたことからトケイソウとなった。
Psidium guajava L. Myrtaceae
フトモモ科
Myrtales グァバ(バンジロウ) 熱帯アメリカ  ?  ? バラの香水のように甘い香りの果物。ビタミンCが豊富。葉には、糖尿に効果が期待。
Saccharum officinarum L. Poaceae
イネ科
Poales サトウキビ 東南アジア 紀元前5000年(インド) 1610年 南アジアから地中海を経てヨーロッパに渡り、後に南アメリカでプランテーションが確立。
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