CrudeDrug:Cnidii Rhizoma
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− | |propertyJ= | + | |propertyJ=本品は不規則な塊状を呈し、ときには縦割され、長さ5~10cm、径3~5cmである。外面は灰褐色~暗褐色で、重なり合った結節があり、その表面にこぶ状の隆起がある。縦断面は辺縁が不整に分枝し、内面は灰白色~灰褐色、半透明でときにはうつろがある。本品の質は密で堅い。 |
+ | 本品は特異なにおいがあり、味はわずかに苦い。本品の横切片を鏡検するとき、皮部及び髄には油道が散在する。木部には厚膜で木化した木部繊維が大小不同の群をなして存在する。でんぷん粒は、通例、糊化しているが、まれに径5~25μmの粒として認めることがある。シュウ酸カルシウムの結晶は認めない。 | ||
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Revision as of 14:27, 16 August 2011
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General Index | Names | Prescriptions | Books | Journals | Terminology | Chinese Medicines |
Contents |
川芎 (Cnidii Rhizoma)
川芎はセリ科のセンキュウ Cnidium officinale Makino の根茎を基原とする。「芎窮」が原名で、湖北省の咸寧・陽新県に産するものを「茶芎」、江西省撫州に産するものは「撫芎」などと呼ばれたが、四川省が主産地となり「川芎」が通名となった。婦人薬、冷え症用薬、消炎排膿薬、皮膚疾患用薬として多くの漢方方剤に配合されている。 基原植物として日本では、センキュウCnidium officinale Makinoの1種が規定されており、中国から渡来したものとされているが、現在の中国では同種の基原植物は見当たらない。中国では基原の異なる Ligusticum chuanxiong Hort. の根茎が用いられており、日本と中国では基原植物が異なる。また、日本では通例、湯通しの後に乾燥するが、中国では湯通しせずにそのまま乾燥する。 江戸時代に栽培方法が日本に導入され、近年の日本の市場は、北海道産が大半を占める。日本の川芎(日局川芎)は結実するが、未成熟で種子繁殖はできない。 (より詳しく見る→栃本天海堂創立60周年記念誌)
Picture
Photographs of Cnidium Rhizome (センキュウ) (by Alps Pharm. アルプス薬品) | ||||||
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歴史
江戸時代から蝦夷地で栽培され、約300年の栽培過程で日本独自の種として確立した。日本薬局方の指定は国内種のみである。そのため現在は日本種を中国で栽培して輸入する現象が起きている。
川芎
センキュウ Cnidium Rhizome | |
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Species * ... non-plant |
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Part(s) Used | 根茎 |
Property | 本品は不規則な塊状を呈し、ときには縦割され、長さ5~10cm、径3~5cmである。外面は灰褐色~暗褐色で、重なり合った結節があり、その表面にこぶ状の隆起がある。縦断面は辺縁が不整に分枝し、内面は灰白色~灰褐色、半透明でときにはうつろがある。本品の質は密で堅い。
本品は特異なにおいがあり、味はわずかに苦い。本品の横切片を鏡検するとき、皮部及び髄には油道が散在する。木部には厚膜で木化した木部繊維が大小不同の群をなして存在する。でんぷん粒は、通例、糊化しているが、まれに径5~25μmの粒として認めることがある。シュウ酸カルシウムの結晶は認めない。 |
Test | - |
Drying loss | |
Ash content | 6.0 %以下 |
Acid-insoluble ash | 1.0 %以下 |
Pharmacopeia | 日局 16-p1531 |
Effect | 補血、強壮、鎮静、鎮痛、駆お血 |
Constituent | クニジリド、センキュノリド、リグスチリド cnidilide, senkyunolide, ligustilide |
Links |
References
- 【基原動植物から灰分等まで】第十六改正日本薬局方
- 【効能】矢作忠弘, 渥美聡孝, (以下8名)..., 牧野利明「歴代成書に見られる生薬の効能に関する記載のデータベース化」生薬学雑誌, 71(1), 2017
- 【成分】生薬単 (伊藤美千穂 北山隆 監修; 原島広至 著) NTS