CrudeDrug:Dioscoreae Rhizoma
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山薬 (Dioscoreae Rhizoma)
山薬はヤマノイモ科のヤマノイモDioscorea japonica Thunbergまたはナガイモ Dioscorea batatas Decaisneの周皮を除いた根茎を基原とする。原名は薯蕷であったが、唐の代宗の名が「預」で、いみ名(諱)を避け、薯葯といったが、その後、宋の英宗のいみ名「曙」との関係で遂に山薬と改められた。ヤマノイモ科ヤマノイモ属(Dioscorea属)の種類は非常に多い(約600種)が、この中で食用になる芋類を総称してヤムイモと呼ばれ、生薬「山薬」の原料となる。医食同源の最たる生薬といえる。 (より詳しく見る→栃本天海堂創立60周年記念誌)
山薬
サンヤク Dioscorea Rhizome | |
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Species * ... non-plant |
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Part(s) Used | 周皮を除いた根茎(担根体) |
Property | 本品は円柱形~不整円柱形を呈し、長さ5~15cm、径1~4cm、ときには縦割又は横切したものである。外面は類白色~帯黄白色で、折面は類白色を呈し、平らで粉性である。質は堅いが、折りやすい。
本品はほとんどにおい及び味がない。 |
Test | (1)ヨウ素試液:本品の切面に希ヨウ素試液を滴加するとき、暗青色を呈する。 (2)Liebermann-Burchard反応:本品の粉末0.2gに無水酢酸2mLを加え、水浴上で2分間加温した後、ろ過する。ろ液1mLに硫酸0.5mLを穏やかに加えるとき、境界面は赤褐色~紫褐色を呈する。 |
Drying loss | 14.0 %以下(6時間) |
Ash content | 6.0 %以下 |
Acid-insoluble ash | 0.5 %以下 |
Pharmacopeia | 日局 16-p1511 |
Effect | 強壮、止瀉、止渇、鎮咳 |
Constituent | ジオスゲニン、β-シトステロール diosgenin, beta-sitosterol |
Links |
References
- 【基原動植物から灰分等まで】第十六改正日本薬局方
- 【効能】矢作忠弘, 渥美聡孝, (以下8名)..., 牧野利明「歴代成書に見られる生薬の効能に関する記載のデータベース化」生薬学雑誌, 71(1), 2017
- 【成分】生薬単 (伊藤美千穂 北山隆 監修; 原島広至 著) NTS
Prescriptions 処方一覧
知柏地黄丸 (チバクジオウガン) 牛車腎気丸 (ゴシャジンキガン) 八味丸 (ハチミガン) 八味地黄丸 (ハチミジオウガン) 参苓白朮散 (ジンリョウビャクジュツサン) 啓脾湯 (ケイヒトウ) 鶏肝丸 (ケイカンガン) 杞菊地黄丸 (コギクジオウガン) 味麦地黄丸 (ミバクジオウガン) 六味丸 (ロクミガン)
歴代成書に見られる生薬の効能に関する記載
利用する場合は以下を引用してください。
- 矢作 忠弘,石内勘一郎,渥美 聡孝,三宅 克典,森永 紀,伏見 裕利,大山 雅義,森川 敏生,田中 謙,有田 正規,牧野 利明「歴代成書に見られる生薬の効能に関する記載のデータベース化」生薬学雑誌, 71(1), 1-36, 2017
番号 | 書名 | 出版年 | 記載 |
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3 | 局方医薬品承認申請の手引き | 1980 | 収載なし |
4 | 生薬のエキス製剤の製造販売承認申請に係るガイダンスついて(2015年12月25日薬生審査発) | 2015 | 収載なし |
5 | JP7 第1部 大改訂版 第2部 解説書(1966) | 1961 | 収載なし |
6 | JP8 解説書 | 1971 | 収載なし |
7 | JP9 解説書 | 1976 | 【適用】 滋養強壮、止瀉、鎮咳、止渇などの目的で漢方方剤に配合される。 D-369 |
8 | JP10 解説書 | 1981 | 【適用】 漢方処方用薬である。 漢方方剤: (略) D-383 |
9 | JP11 解説書 | 1986 | 【適用】 漢方処方用薬である。保健強壮薬とみなされる処方及びその他の処方に少数例配合されている。 漢方処方: (略) D-399 |
10 | JP12 解説書 | 1991 | 【適用】漢方処方用薬である。保健強壮薬とみなされる処方およびその他の処方に少数例配合されている。漢方: 啓脾湯、牛車腎気丸、参苓白朮散、八味地黄丸、六味丸 D-400 |
11 | JP13 解説書 | 1996 | 【適用】漢方処方用薬である。保健強壮薬とみなされる処方およびその他の処方に少数例配合されている。漢方: 啓脾湯、牛車腎気丸、参苓白朮散、八味地黄丸、六味丸 D-439 |
12 | JP14 解説書 | 2001 | 【適用】漢方処方用薬である。保健強壮薬とみなされる処方およびその他の処方に少数例配合されている。漢方: 啓脾湯、牛車腎気丸、参苓白朮散、八味地黄丸、六味丸 D-473 |
13 | JP15 解説書 | 2006 | 【適用】漢方処方用薬である。保健強壮薬とみなされる処方およびその他の処方に少数例配合されている。漢方: 啓脾湯、牛車腎気丸、参苓白朮散、八味地黄丸、六味丸 D-308 |
14 | JP16 解説書 | 2011 | 【適用】漢方処方用薬である。保健強壮薬とみなされる処方およびその他の処方に少数例配合されている。漢方: 啓脾湯、牛車腎気丸、参苓白朮散、八味地黄丸、六味丸 D-362 |
15 | 登録販売者試験実施ガイドライン作成検討会_試験問題の作成に関する手引き(厚生労働省医薬食品局総務課2007年7月) | 2007 | 強壮作用を期待して配合される(P. 177)。 |
19 | 『改訂生藥學』アルベルト・ウィカンド 大井玄洞 | 1887 | 記載なし |
20 | 『生藥學』第5版 下山順一郎 | 1901 | 記載なし |
21 | 『簡明生藥學』島崎健造 | 1909 | 記載なし |
22 | 『最新薬学全書 第6編 生薬学』 伊藤治輔 編、日本薬学講習会 | 1913 | 記載なし |
23 | 『生藥學』第13版 下山純一郎 朝比奈泰彦 | 1916 | 記載なし |
24 | 『和漢薬物学』日野五七郎 一色直太郎 同済号書房 たにぐち書店復刻版 | 1931 | 正P36: 緩和滋養薬として身体の衰弱者及び腸カタルを起せるものに一回1.5グラム乃至3グラム或いは10グラムを与ふ。 |
25 | 『薬理的生薬学』村上師壽 三省堂 | 1933 | P295: 強壮薬とす。病後の衰弱、肺患者、遺精、夜尿、盗汗等に用いる。 |
26 | 『生藥學』第20版 下山順一郎 朝比奈泰彦 藤田直市 | 1934 | 記載なし |
27 | 『生藥學』第27版 下山純一郎 朝比奈泰彦 藤田直市 | 1943 | 記載なし |
28 | 『生藥學教科書』木村康一 | 1949 | 記載なし |
29 | 『最新生薬学』刈米達夫 | 1949 | 記載なし |
30 | 『生薬学』三橋博、醫學書院 | 1958 | 記載なし |
31 | 『生薬学』第4版、藤田路一 | 1963 | 記載なし |
32 | 『新編生薬学』東丈夫 名越規朗 廣川書店 | 1965 | 記載なし |
33 | 『生薬学総論』柴田承二 東丈夫 木島正夫 下村孟 廣川書店 | 1966 | 記載なし |
34 | 『生薬学』稲垣勲 嶋野武 嶋田玄彌 長沢元夫 南江堂 | 1967 | 記載なし |
35 | 『和漢生薬』刈米達夫 廣川書店 植物分類学での順 | 1971 | P286: 滋養強壮薬とする。1日量10gまた、通常食用としてあるいは菓子に用いる。 |
36 | 『最新生薬学 第三改槁版』刈米達夫 廣川書店 | 1973 | P394: 滋養、強壮薬 |
37 | 『スタインエッガー・ヘンゼル生薬学〔上〕‐化学・薬理学へのアプローチ‐第3版』糸川秀治 太田明廣 西川嘉廣 廣川書店 | 1975 | 記載なし |
38 | 『スタインエッガー・ヘンゼル生薬学〔下〕‐化学・薬理学へのアプローチ‐第3版』糸川秀治 太田明廣 西川嘉廣 廣川書店 | 1976 | 記載なし |
39 | 『生薬学』 木島正夫 澤田徳之助 秦清之 朝倉書店 | 1978 | P266: 漢方の滋養強壮、止瀉薬とするほか、民間では夜尿、遺精、盗汗などに用いられる。 |
40 | 『新常用和漢薬集』訂正第2版 東京生薬協会 編集 南江堂 | 1978 | P55: 滋養強壮剤 |
41 | 『最新生薬学総覧』伊沢一男 学文社 | 1978 | P31: 滋養、強壮薬、止瀉、止渇などの漢方処方に用いられる。 |
42 | 彩色写生図 日本の薬用植物〔生薬〕 生薬-成分-漢方-〔処方例〕高取治輔 廣川書店 | 1980 | P153: 滋養、強壮 |
43 | 『生薬学第2版』北川勲 三川潮 庄司順三 滝戸道夫 友田正司 西岡五夫 廣川書店 | 1982 | P290 : 漢方絵滋養強壮、止止瀉、鎮咳、止渇を目標に用いる。 |
44 | 『コメンタリー局方生薬』初版 桑野重昭 山内和子 米田該典 廣川書店 | 1984 | P194: 漢方で補養薬(食欲不振、疲労倦怠感、下痢、慢性の咳、のどのかわきなどに)として処方。 |
45 | 『新訂生薬学 第2版』長沢元夫 野呂征男 萩原幸夫 木村孟淳 南江堂 | 1987 | P97: 滋養強壮、鎮咳、止瀉、止渇。 |
46 | 『コメンタリー局方生薬』 第2版 桑野重昭 山内和子 米田該典 廣川書店 | 1987 | P232: 漢方で補養薬(食欲不振、疲労倦怠感、下痢、慢性の咳、のどのかわきなどに)として処方。 |
47 | 『INTEGRATED ESSENTIALS 生薬学 改訂第3版』三橋博 指田豊 山﨑和男 南江堂 | 1989 | P252: 滋養強壮、止瀉などの目的で八味地黄丸などの漢方処方に用いる。 |
48 | 『生薬学概論』 難波恒雄 津田喜典編 南江堂 | 1990 | P333: 滋養、強壮、止瀉、止渇薬。民間的には夜尿、盗汗、腸炎などに用いる。 |
49 | 『生薬学改訂第4版』 三橋博 井上隆夫編集 南江堂 | 1992 | P252: 滋養強壮、止瀉などの目的で八味地黄丸、啓脾湯などの漢方処方に用いる。 |
50 | 『天然薬物・生薬学』 初版 奥田拓男編 廣川書店 | 1993 | P181: 漢方で補養薬とし、保健強壮薬などに配合。 |
51 | 『薬用資源学』初版 山崎幹夫 斉藤和季編 丸善 | 1997 | P197: 漢方処方用薬(保健強壮薬とみなされる処方に配合) |
52 | 『漢方薬理学』高木敬次郎 木村正康 南山堂 | 1997 | P146: 糖尿病、滋養、強壮、止瀉、民間では寝汗、夜尿症の治療に用いられる。 |
53 | 『生薬学概論(改訂第3版)』 難波恒雄 津田喜典 南江堂 | 1998 | P333: 滋養、強壮、止瀉、止渇薬。民間的には夜尿、盗汗、腸炎などに用いる。 |
54 | 『生薬学第6版』 北川勲 三川潮 庄司順三 滝戸道夫 友田正司 西岡五夫 廣川書店 | 2001 | P284 : 漢方絵滋養強壮、止止瀉、鎮咳、止渇を目標に用いる。 |
55 | 『INTEGRATED ESSENTIALS 生薬学 改訂第6版』 指田豊 山﨑和男 南江堂 | 2002 | P293: 滋養強壮、止瀉などの目的で八味地黄丸などの漢方処方に用いる。 |
56 | 『入門漢方医学』初版 日本東洋医学会学術教育委員会 編 日本東洋医学会発行 | 2002 | P152: 強壮 |
57 | 『漢方・生薬学』久保道德 吉川雅之 廣川書店 | 2003 | P419: 漢方では、強壮や胃腸機能を高める目的で配合される。 |
58 | 『薬学生・薬剤師のための知っておきたい生薬100ー含漢方処方ー』第1版、日本薬学会編、東京化学同人 | 2004 | P47: 滋養強壮、鎮咳、止瀉、止渇。配合処方: 啓脾湯、鶏肝丸、牛車腎気丸、参苓白朮散、八味地黄丸、六味丸。 |
59 | 『薬学生のための漢方薬入門』第2版、指田豊 三巻祥浩、廣川書店 | 2004 | P65: 滋養、強壮薬で、腎、脾を補して虚熱を治す。身体疲労、遺精、食欲不振、小便不利、頻尿、などに応用する。処方例: 牛車腎気丸、八味地黄丸、六味地黄丸 |
60 | 『スタンダード薬学シリーズ3 化学系薬学Ⅲ 自然が生み出す薬物』第1版 社団法人日本薬学会 編 東京化学同人 | 2005 | 記載なし |
61 | 『薬用植物学 改訂第6版』 野呂征男 水野瑞夫 木村孟淳 田中俊弘 南江堂 | 2006 | P236: (略9漢方で強壮薬とする。 |
62 | 『パートナー生薬学』 指田豊 山﨑和男 竹谷孝一 南江堂 | 2007 | P303: もっぱら漢方に使い、胃腸機能を高め、肺を補う、腎を固める、精を益すなどの薬能がある。下痢、身体虚弱による咳嗽、糖尿病、遺精、帯下、頻尿などを主治する。保健強壮薬とみなされる漢方処方などに配剤される。 |
63 | 『生薬単』 伊藤美千穂 北山隆 NTS | 2007 | P100: 滋養強壮。漢方では、滋養強壮、止瀉、鎮咳、止渇のために用いられる。 |
64 | 『ベーシック薬学教科書シリーズ⑦生薬学・天然物化学』吉川雅之編 化学同人 | 2008 | P54: 漢方で滋養、強壮、止瀉を目的に用いる。漢方処方: 八味地黄丸 |
65 | 『伝統医薬学・生薬学』 御影雅幸 木村正幸 南江堂 | 2009 | P230: 血糖降下、血圧降下、男性ホルモン増強作用。(中)補気薬。方剤: 啓脾湯、鶏肝丸、牛車腎気丸、参苓白朮散、八味地黄丸、六味丸。 |
66 | 『日本伝統医学テキスト漢方編』平成22-23年度厚生労働科学研究費補助金『統合医療を推進するための日本伝統医学の標準化』研究班 | 2012 | 記載なし |
67 | 『新訂生薬学 改訂第7版』 木村孟淳 田中俊弘 水上元 南江堂 | 2012 | P104: 滋養強壮、止瀉、止渇 |
68 | 『歴代日本薬局方収載生薬大事典』 木下武司著 | 2015 | P183: 生品は広く食用とするほか、もっぱら漢方に用いる。 |
73 | 青本「化学」、薬学ゼミナール | 2016 | 記載なし |
74 | コアカリ重点ポイント集「化学系薬学」改訂第4版 薬学ゼミナール | 2014 | 記載なし |