CrudeDrug:Pinelliae Tuber
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半夏 (Pinellia Tuber)
半夏はサトイモ科のカラスビシャクPinellia ternata Breitenbachのコルク層を除いた塊茎を基原とする。生産期は5月中旬で、半分夏であることから「半夏」と言われるようになった。節季の七十二候に「半夏生(ハンゲショウズ)」の雑節があるが、これは半夏(烏柄杓:カラスビシャク)という薬草が生えるころを意味していることも興味深い。半夏は畑や田んぼの畔に多く自生しており、本草書に「守田」「水玉」の名があるのも理解できる。残念なことだが水田で農薬が使用されるようになり、野生品が減少している。 流通する半夏の多くは野生品の採集で生産されている。そのためか同じサトイモ科の「天南星」が混入することが多く、生薬の外部形態からは識別が難しいのが現状である。また古来、半夏は白くて大きなものが良品とされ、中国の生産では漂白を目的に硫黄燻蒸が一般的に行われており、SO2残留の安全性や、硫黄酸化物による大気汚染の問題があるため、当社では硫黄燻蒸を施さない「無硫半夏」を特別に生産し、「有硫半夏」と区別している。 (より詳しく見る→栃本天海堂創立60周年記念誌)
Picture
Photographs of Pinelia Tuber (ハンゲ) (by Alps Pharm. アルプス薬品) | ||||||
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半夏
ハンゲ Pinellia Tuber | |
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Species * ... non-plant |
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Part(s) Used | 塊茎 |
Property | 本品はやや偏圧された球形~不整形を呈し、径0.7~2.5cm、高さ0.7~1.5cmである。外面は白色~灰白黄色で、上部には茎の跡がくぼみとなり、その周辺には根の跡がくぼんだ細点となっている。質は充実する。切面は白色、粉性である。
本品はほとんどにおいがなく、味は初めなく、やや粘液性で、後に強いえぐ味を残す。本品の横切片を鏡検するとき、主としてでんぷん粒を充満した柔組織からなり、わずかにシュウ酸カルシウムの束晶を含む粘液細胞が認められる。でんぷん粒は主として2~3個の複粒で、通例、径10~15μm、単粒は、通例、径~7μmである。シュウ酸カルシウムの束晶は長さ25~150μmである。 |
Test | - |
Drying loss | 14.0 %以下(6時間) |
Ash content | 3.5 %以下 |
Acid-insoluble ash | |
Pharmacopeia | 日局 16-p1571 |
Effect | 鎮吐、鎮静、鎮咳、去痰、眼圧低下、唾液分泌亢進 |
Constituent | ホモゲンチジン酸、3,4-ジヒドロキシベンズアルデヒドジグルコシド、アラビノガラクツロナン、エフェドリン homogentisic acid, 3,4-dihydroxybenzaldehyde-diglycoside, arabinogalacturonan, ephedrine |
Links |
References
- 【基原動植物から灰分等まで】第十六改正日本薬局方
- 【効能】矢作忠弘, 渥美聡孝, (以下8名)..., 牧野利明「歴代成書に見られる生薬の効能に関する記載のデータベース化」生薬学雑誌, 71(1), 2017
- 【成分】生薬単 (伊藤美千穂 北山隆 監修; 原島広至 著) NTS