CrudeDrug:Phellodendri Cortex
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|constituentJ=ベルベリン、パルマチン、ヤテオリジン、フェロデンドリン、オウバクノン、リモニン、β-シトステロール、カンペステロール | |constituentJ=ベルベリン、パルマチン、ヤテオリジン、フェロデンドリン、オウバクノン、リモニン、β-シトステロール、カンペステロール | ||
|constituentE=berberine, palmatine, jateorrhizine, phellodendrine, obakunone, limonin, beta-sitosterol, campesterol | |constituentE=berberine, palmatine, jateorrhizine, phellodendrine, obakunone, limonin, beta-sitosterol, campesterol | ||
− | |testJ=(1)塩酸・過酸化水素試液:本品の粉末1gにジエチルエーテル10mLを加え、時々振り混ぜながら10分間放置し、ろ過する。ろ紙上の粉末を集め、エタノール10mLを加え、時々振り混ぜながら1分間放置した後、ろ過する。ろ液2~3滴に塩酸1mLを加え過酸化水素試液1~2滴を加えて振り混ぜるとき、液は赤紫色を呈する。 | + | |testJ=(1)塩酸・過酸化水素試液:本品の粉末1gにジエチルエーテル10mLを加え、時々振り混ぜながら10分間放置し、ろ過する。ろ紙上の粉末を集め、エタノール10mLを加え、時々振り混ぜながら1分間放置した後、ろ過する。ろ液2~3滴に塩酸1mLを加え過酸化水素試液1~2滴を加えて振り混ぜるとき、液は赤紫色を呈する。<br>(2)TLC法:(1)のろ液を試料溶液とする。別にベルベリン塩化物標準品1mgをメタノール1mLに溶かし、標準溶液とする。 |
− | <br>(2)TLC法:(1)のろ液を試料溶液とする。別にベルベリン塩化物標準品1mgをメタノール1mLに溶かし、標準溶液とする。 | + | これらの液につき、薄層クロマトグラフィーにより試験を行う。試料溶液及び標準溶液5μLずつを薄層クロマトグラフィー用シリカゲルを用いて調製した薄層板にスポットする。次に1-ブタノール/水/酢酸混液(7:2:1)を展開溶媒として約10cm展開した後、薄層板を風乾する。これに紫外線(主波長365nm)を照射するとき、試料溶液から得た数個のスポットのうち1個のスポットは、標準溶液から得た黄色~黄緑色の蛍光を発するスポットと色調及びRf値が等しい。<br>(3)本品の粉末に水を加えてかき混ぜるとき、液は粘液のためゲル状を呈する。 |
− | これらの液につき、薄層クロマトグラフィーにより試験を行う。試料溶液及び標準溶液5μLずつを薄層クロマトグラフィー用シリカゲルを用いて調製した薄層板にスポットする。次に1-ブタノール/水/酢酸混液(7:2:1)を展開溶媒として約10cm展開した後、薄層板を風乾する。これに紫外線(主波長365nm)を照射するとき、試料溶液から得た数個のスポットのうち1個のスポットは、標準溶液から得た黄色~黄緑色の蛍光を発するスポットと色調及びRf値が等しい。 | + | |
− | <br>(3)本品の粉末に水を加えてかき混ぜるとき、液は粘液のためゲル状を呈する。 | + | |
|pharmacopeiaJ=1459 | |pharmacopeiaJ=1459 | ||
|effectJ=健胃、消炎、抗菌、抗消化性潰瘍、止瀉、肝障害改善、鎮静、解熱、血圧降下、免疫抑制、血管弛緩、鎮痙、利胆 | |effectJ=健胃、消炎、抗菌、抗消化性潰瘍、止瀉、肝障害改善、鎮静、解熱、血圧降下、免疫抑制、血管弛緩、鎮痙、利胆 |
Revision as of 16:36, 15 August 2011
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General Index | Names | Prescriptions | Books | Journals | Terminology | Chinese Medicines |
Contents |
黄柏 (Phellodendri Cortex)
黄柏はミカン科のキハダPhellodendron amurense RuprechtまたはシナキハダPhellodendron chinense Schneiderの周皮を除いた樹皮を基原とする。日本では苦味健胃薬として利用され、黄柏から製される「陀羅尼助」「百草丸」は吉野の大峰山、木曽の御嶽山、山陰の伯耆大山で山岳宗教と結びついて修験行者が携行し、人々に広められた薬で古くから作られている。 キハダは寒冷地では主成分のベルベリン含量が低くなる傾向があり、北海道、韓国、北朝鮮、中国東北部の黄柏は日局の成分、灰分規格が不適合になることが多い。 (より詳しく見る→栃本天海堂創立60周年記念誌)
Picture
Photographs of Phellodendron Bark (オウバク) (by Alps Pharm. アルプス薬品) | ||||||
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黄柏
オウバク Phellodendron Bark | |
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Species * ... non-plant |
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Part(s) Used | 樹皮 |
Property | 本品は板状又は巻き込んだ半管状の皮片で、厚さ2~4mmである。外面は灰黄褐色~灰褐色で、多数の皮目の跡があり、内面は黄色~暗黄褐色で、細かい縦線を認めるが平滑である。折面は繊維性で鮮黄色を呈する。横切面をルーペ視するとき、皮部外層は黄色で薄く、石細胞が黄褐色の点状に分布する。皮部内層は厚く、一次放射組織は外方に向かうに従い幅が広がるので、二次皮部の一次放射組織間はほぼ三角形を呈し、その頂点に後生放射組織が集中する。師部繊維群は褐色で、階段状に並び、放射組織と交叉し、格子状を呈する。
本品は弱いにおいがあり、味は極めて苦く、粘液性で、だ液を黄色に染める。 |
Test | (1)塩酸・過酸化水素試液:本品の粉末1gにジエチルエーテル10mLを加え、時々振り混ぜながら10分間放置し、ろ過する。ろ紙上の粉末を集め、エタノール10mLを加え、時々振り混ぜながら1分間放置した後、ろ過する。ろ液2~3滴に塩酸1mLを加え過酸化水素試液1~2滴を加えて振り混ぜるとき、液は赤紫色を呈する。 (2)TLC法:(1)のろ液を試料溶液とする。別にベルベリン塩化物標準品1mgをメタノール1mLに溶かし、標準溶液とする。 これらの液につき、薄層クロマトグラフィーにより試験を行う。試料溶液及び標準溶液5μLずつを薄層クロマトグラフィー用シリカゲルを用いて調製した薄層板にスポットする。次に1-ブタノール/水/酢酸混液(7:2:1)を展開溶媒として約10cm展開した後、薄層板を風乾する。これに紫外線(主波長365nm)を照射するとき、試料溶液から得た数個のスポットのうち1個のスポットは、標準溶液から得た黄色~黄緑色の蛍光を発するスポットと色調及びRf値が等しい。 |
Drying loss | 11.0 %以下(105℃,6時間) |
Ash content | 7.5 %以下 |
Acid-insoluble ash | 0.5 %以下 |
Pharmacopeia | 日局 16-p1459 |
Effect | 健胃、消炎、抗菌、抗消化性潰瘍、止瀉、肝障害改善、鎮静、解熱、血圧降下、免疫抑制、血管弛緩、鎮痙、利胆 |
Constituent | ベルベリン、パルマチン、ヤテオリジン、フェロデンドリン、オウバクノン、リモニン、β-シトステロール、カンペステロール berberine, palmatine, jateorrhizine, phellodendrine, obakunone, limonin, beta-sitosterol, campesterol |
Links |
References
- 【基原動植物から灰分等まで】第十六改正日本薬局方
- 【効能】矢作忠弘, 渥美聡孝, (以下8名)..., 牧野利明「歴代成書に見られる生薬の効能に関する記載のデータベース化」生薬学雑誌, 71(1), 2017
- 【成分】生薬単 (伊藤美千穂 北山隆 監修; 原島広至 著) NTS