CrudeDrug:Paeoniae Radix
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|effectJ=収斂、鎮痙、鎮痛、鎮静、末梢血管拡張、抗炎症、抗アレルギー、免疫賦活、胃腸運動亢進、抗潰瘍、血液凝固抑制、筋弛緩 | |effectJ=収斂、鎮痙、鎮痛、鎮静、末梢血管拡張、抗炎症、抗アレルギー、免疫賦活、胃腸運動亢進、抗潰瘍、血液凝固抑制、筋弛緩 | ||
− | |usageJ= | + | |usageJ=筋肉がかたくなってひきつれたもの、腹痛、頭痛に応用される。 |
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Revision as of 12:05, 16 August 2011
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Contents |
芍薬 (Paeoniae Radix)
芍薬はボタン科のシャクヤク Paeonia lactiflora Pallasの根を基原とする。吐錦・冠芳・殿春客・艶友などの別名があり、芍薬(sháo yào)は綽約(chuò yuē)の発音に似ているが、綽約はしとやかで美しいという意味であり、花がしとやかで美しい故に芍薬の名が付いた。芍薬は「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」と美しさの形容にも用いられている。
芍薬は「白芍」「赤芍」に区別されるが基原植物の区別ではなく、加工方法あるいは野生種と栽培種の違いと考えられる。基本的には皮去り後に湯通し、または生干ししたものが「白芍」で、野生種の芍薬を皮付きのまま生干ししたものが「赤芍」である。中国の「白芍」は「真芍」とも呼ばれ、皮去り後に湯通ししたもので、昔は奈良県でも生産され、輸出されたことがある。日本の「白芍」は皮去り後に生干ししたもので、中国とは加工方法が異なる。(より詳しく見る→栃本天海堂創立60周年記念誌)
芍薬
シャクヤク Peony Root | |
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Species * ... non-plant |
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Part(s) Used | 根 |
Property | 本品は円柱形を呈し、長さ7~20cm、径1~2.5cm、外面は褐色~淡灰褐色で、明らかな縦じわ及びいぼ状の側根の跡と横長の皮目がある。横切面はち密で淡灰褐色を呈し、木部は淡褐色の放射状の線がある。
本品は特異なにおいがあり、味は初めわずかに甘く、後に渋くてわずかに苦い。 |
Test | (1)塩化鉄(III)試液:本品の粉末0.5gにエタノール30mLを加えて15分間振り混ぜた後、ろ過する。ろ液3mLに塩化鉄(III)試液1滴を加えて振り混ぜるとき、液は青紫色~青緑色を呈し、後に暗青紫色~暗緑色に変わる。 (2)TLC法:本品の粉末2gにメタノール10mLを加え、水浴上で5分間加温し、冷後、ろ過し、ろ液を試料溶液とする。別にペオニフロリン標準品1mgをメタノール1mLに溶かし、標準溶液とする。これらの液につき、薄層クロマトグラフィーにより試験を行う。試料溶液及び標準溶液10μLずつを薄層クロマトグラフィー用シリカゲルを用いて調製した薄層板にスポットする。次にアセトン/酢酸エチル/酢酸混液(10:10:1)を展開溶媒として約10cm展開した後、薄層板を風乾する。これに4-メトキシベンズアルデヒド・硫酸試液を均等に噴霧し、105℃で5分間加熱するとき、試料溶液から得た数個のスポットのうち1個のスポットは、標準溶液から得た紫色のスポットと色調及びRf値が等しい。 |
Drying loss | 14.0 %以下(6時間) |
Ash content | 6.5 %以下 |
Acid-insoluble ash | 0.5 %以下 |
Pharmacopeia | 日局 16-p1514 |
Effect | 収斂、鎮痙、鎮痛、鎮静、末梢血管拡張、抗炎症、抗アレルギー、免疫賦活、胃腸運動亢進、抗潰瘍、血液凝固抑制、筋弛緩 |
Constituent | ペオニフロリン、アルビフロリン、ペオニフロリゲノン paeoniflorin, albiflorin, paeoniflorigenone |
Links |
References
- 【基原動植物から灰分等まで】第十六改正日本薬局方
- 【効能】矢作忠弘, 渥美聡孝, (以下8名)..., 牧野利明「歴代成書に見られる生薬の効能に関する記載のデータベース化」生薬学雑誌, 71(1), 2017
- 【成分】生薬単 (伊藤美千穂 北山隆 監修; 原島広至 著) NTS