CrudeDrug:Bupleuri Radix
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柴胡 (Bupleuri Radix)
柴胡はセリ科のミシマサイコ Bupleurum falcatum Linné の根を基原とする。神農本草経の上品に「胡」の原名で収載されており、は柴の古字で薪にもなることから柴胡と呼ばれた。中国市場では「硬柴胡」と「軟柴胡」があるが、日本市場では「軟柴胡」は使用しない。 本品は和解表裏・疎肝解欝薬として、解熱、鎮静、解毒、強壮を目的に小柴胡湯、柴胡桂枝湯、抑肝散加陳皮半夏などの漢方方剤に配合されている。 (より詳しく見る→栃本天海堂創立60周年記念誌)
Picture
Photographs of Bupleurum Root (サイコ) (by Alps Pharm. アルプス薬品) | |||||||||
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解説
ミシマサイコの名は伊豆半島の三島(みしま)に由来。レッドデータブックで「絶滅危惧II類」に指定。
柴胡
サイコ Bupleurum Root | |
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Species * ... non-plant |
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Part(s) Used | 根 |
Property | 本品は細長い円錐形~円柱形を呈し、単一又は分枝し、長さ10~20cm、径0.5~1.5cm、根頭には茎の基部を付けていることがある。外面は淡褐色~褐色で、深いしわがあるものもある。折りやすく、折面はやや繊維性である。
本品は特異なにおいがあり、味はわずかに苦い。本品の横切片を鏡検するとき、皮部の厚さは半径の1/3~1/2で、皮部にはしばしば接線方向に長い裂け目があり、径15~35μmの胞間性離生油道がやや多数散在する。木部には道管が放射状若しくはほぼ階段状に配列し、ところどころに繊維群がある。根頭部の髄には皮部と同様の油道がある。柔細胞中にはでんぷん粒及び油滴を認める。でんぷん粒は単粒又は複粒で、単粒の径は2~10μmである。 |
Test | (1)起泡試験:本品の粉末0.5gに水10mLを加え、激しく振り混ぜるとき、持続性の微細な泡を生じる。 (2)TLC法:本品の粉末1.0gにメタノール10mLを加え、還流冷却器を付け、水浴上で15分間穏やかに煮沸し、冷後、ろ過し、ろ液を試料溶液とする。別に薄層クロマトグラフィー用サイコサポニンa1mgをメタノール1mLに溶かし、標準溶液とする。これらの液につき、薄層クロマトグラフィーにより試験を行う。試料溶液及び標準溶液10μLずつを薄層クロマトグラフィー用シリカゲルを用いて調製した薄層板にスポットする。次に酢酸エチル/エタノール/水混液(8:2:1)を展開溶媒として約10cm展開した後、薄層板を風乾する。これに噴霧用4-ジメチルアミノベンズアルデヒド試液を均等に噴霧し、105℃で5分間加熱するとき、試料溶液から得た数個のスポットのうち1個のスポットは、標準溶液から得た灰褐色のスポットと色調及びRf値が等しく、その上側に近接した黄赤色のスポットを認める。 |
Drying loss | 12.5 %以下(6時間) |
Ash content | 6.5 %以下 |
Acid-insoluble ash | 2.0 %以下 |
Pharmacopeia | 日局 16-p1498 |
Effect | 解熱、解毒、鎮痛、消炎 |
Constituent | サイコサポニン、α-スピナステロール saikosaponin, alpha-spinasterol |
Links |
References
- 【基原動植物から灰分等まで】第十六改正日本薬局方
- 【効能】矢作忠弘, 渥美聡孝, (以下8名)..., 牧野利明「歴代成書に見られる生薬の効能に関する記載のデータベース化」生薬学雑誌, 71(1), 2017
- 【成分】生薬単 (伊藤美千穂 北山隆 監修; 原島広至 著) NTS