CrudeDrug:Atractylodis Rhizoma
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白朮 (Atractylodis Rhizoma)
白朮はキク科のオケラ Atractylodes japonica Koidzumi ex Kitamuraまたはオオバナオケラ Atractylodes ovata De Candolleの根茎を基原とする。日本市場ではオケラを基原とするものは「和白朮(ワビャクジュツ)」(「白朮」と記載されることもある)、オオバナオケラを基原とするものは「唐白朮(カラビャクジュツ)」と区別している。日局第6改正(1951年)にオケラ(蒼朮)としてオケラ A. japonicaを収載していたが、日局第7改正(1961年)および日局第7改正第2追補で「蒼朮」と「白朮」に区別され、上記の基原植物は白朮と規定された。オケラ(蒼朮)の収載はオケラの結節状の円柱形根茎を「蒼朮」とし、不定形の塊状根茎の皮去りを「白朮」として市場で扱われていた経緯からと考えられる。 中国漢方では梁代の陶弘景(452~536年)が朮に白朮・赤朮(蒼朮)の区別があると唱え、千金方・千金翼方・外台秘要方などでは朮はすべて白朮の生薬名が記載されている。当時どのような朮を白朮としたかは不明確であるが、明代に蒼朮は発汗、白朮は止汗と薬効を区別し、同一処方に白朮と蒼朮を使用していることから、明代にオオバナオケラ A. ovataが白朮として定着したと推測される。中国東北部に産するオケラA. japonica を基原とする生薬は「関蒼朮」と呼ばれ、中国市場では蒼朮に分類される。(より詳しく見る→栃本天海堂創立60周年記念誌)
Picture
Photographs of Atractylodes Rhizome (ビャクジュツ) (by Alps Pharm. アルプス薬品) | ||||||
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白朮
ビャクジュツ Atractylodes Rhizome | |
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Species * ... non-plant |
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Part(s) Used | 根茎 |
Property | (1)ワビャクジュツ:本品の周皮を除いたものは不整塊状又は不規則に屈曲した円柱状を呈し。長さ3~8cm、径2~3cmである。外面は淡灰黄色~淡黄白色で、ところどころ灰褐色である。周皮を付けているものは外面は灰褐色で、しばしば結節状に隆起し、粗いしわがある。折りにくく、折面は繊維性である。本品の横切面には淡黄褐色~褐色の分泌物による細点がある。 本品は特異なにおいがあり、味はわずかに苦い。本品の横切片を鏡検するとき、周皮には石細胞層を伴い、皮部の柔組織中にはしばしば師部の外側に接して繊維束があり、放射組織の末端部には淡褐色~褐色の内容物を含む油室がある。木部には大きい髄を囲んで放射状に配列した道管とそれを囲む著しい繊維束がある。髄及び放射組織中には皮部と同様な油室があり、柔組織中にはイヌリンの結晶及びシュウ酸カルシウムの小針晶を含む。 (2)カラビャクジュツ:本品は不整に肥大した塊状を呈し長さ4~8cm、径2~5cmで外面は灰黄色~暗褐色を呈し、ところどころにこぶ状の小突起がある。折りにくく、破砕面は淡褐色~暗褐色で、木部の繊維性が著しい。 本品は特異なにおいがあり、味はわずかに甘く、後にわずかに苦い。本品の横切片を鏡検するとき、周皮は石細胞層を伴い、通例、皮部には繊維を欠き、師部放射組織及びその末端部には黄褐色の内容物を含む油室がある。木部には大きい髄を囲んで放射状に配列した道管とそれを囲む著しい繊維束がある。髄及び放射組織中には皮部と同様な油室があり、柔組織中にはイヌリンの結晶及びシュウ酸カルシウムの小針晶を含む。 |
Test | バニリン・塩酸試液:本品の粉末0.5gにエタノール5mLを加え、水浴中で2分間温浸してろ過し、ろ液2mLにバニリン・塩酸試液0.5mLを加えて直ちに振り混ぜるとき、液は赤色~赤紫色を呈し、その色は持続性である。 |
Drying loss | |
Ash content | 7.0 %以下 |
Acid-insoluble ash | 1.0 %以下 |
Pharmacopeia | 日局 16-p1573 |
Effect | 健胃、利尿、止瀉、整腸、止汗 |
Constituent | アトラクチロン、アトラクチレノリド、ジアセチルアトラクチロジオール、アトラクタン atractylon, atractylenolide, diacetylatractylodiol, atractan |
Links |
References
- 【基原動植物から灰分等まで】第十六改正日本薬局方
- 【効能】矢作忠弘, 渥美聡孝, (以下8名)..., 牧野利明「歴代成書に見られる生薬の効能に関する記載のデータベース化」生薬学雑誌, 71(1), 2017
- 【成分】生薬単 (伊藤美千穂 北山隆 監修; 原島広至 著) NTS