CrudeDrug:Angelicae Radix
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当帰はセリ科のトウキ Angelica acutiloba Kitagawa またはホッカイトウキ Angelica acutiloba Kitagawa var. sugiyamae Hikino の根を基原とする。生理機能を調整し、血虚症を治療し、気血を本来の状態に戻すなど婦人の要薬である。一説によると、病気の婦人がこれにより回復し、帰らぬ夫の帰宅を願ったことから当帰の名が付いた。 | 当帰はセリ科のトウキ Angelica acutiloba Kitagawa またはホッカイトウキ Angelica acutiloba Kitagawa var. sugiyamae Hikino の根を基原とする。生理機能を調整し、血虚症を治療し、気血を本来の状態に戻すなど婦人の要薬である。一説によると、病気の婦人がこれにより回復し、帰らぬ夫の帰宅を願ったことから当帰の名が付いた。 | ||
当帰は同名生薬でありながら、各国で使用する基原植物が異なり、日本ではトウキ A. acutiloba、中国ではカラトウキ A. sinensis Diels、韓国ではオニノタケ A. gigas Nakaiを使用している。日局に記載されているトウキとはオオブカトウキ(大深当帰)を指す。オオブカトウキはミヤマトウキ A. acutiloba var. iwatensis Hikinoの栽培化されたものといわれ、奈良県の大深地方で大々的に栽培されていたので、この名が付いた。しかし、現在は大深地方では栽培されておらず、そのため当社ではオオブカトウキの名を植物名、「大和当帰」の名を生薬名として扱っている。 | 当帰は同名生薬でありながら、各国で使用する基原植物が異なり、日本ではトウキ A. acutiloba、中国ではカラトウキ A. sinensis Diels、韓国ではオニノタケ A. gigas Nakaiを使用している。日局に記載されているトウキとはオオブカトウキ(大深当帰)を指す。オオブカトウキはミヤマトウキ A. acutiloba var. iwatensis Hikinoの栽培化されたものといわれ、奈良県の大深地方で大々的に栽培されていたので、この名が付いた。しかし、現在は大深地方では栽培されておらず、そのため当社ではオオブカトウキの名を植物名、「大和当帰」の名を生薬名として扱っている。 |
Revision as of 17:38, 29 November 2010
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General Index | Names | Prescriptions | Books | Journals | Terminology | Chinese Medicines |
Contents |
当帰 (Angelicae Radix)
当帰はセリ科のトウキ Angelica acutiloba Kitagawa またはホッカイトウキ Angelica acutiloba Kitagawa var. sugiyamae Hikino の根を基原とする。生理機能を調整し、血虚症を治療し、気血を本来の状態に戻すなど婦人の要薬である。一説によると、病気の婦人がこれにより回復し、帰らぬ夫の帰宅を願ったことから当帰の名が付いた。 当帰は同名生薬でありながら、各国で使用する基原植物が異なり、日本ではトウキ A. acutiloba、中国ではカラトウキ A. sinensis Diels、韓国ではオニノタケ A. gigas Nakaiを使用している。日局に記載されているトウキとはオオブカトウキ(大深当帰)を指す。オオブカトウキはミヤマトウキ A. acutiloba var. iwatensis Hikinoの栽培化されたものといわれ、奈良県の大深地方で大々的に栽培されていたので、この名が付いた。しかし、現在は大深地方では栽培されておらず、そのため当社ではオオブカトウキの名を植物名、「大和当帰」の名を生薬名として扱っている。 以前はオオブカトウキ(トウキ)A. acutiloba Kitagawaだけが日局当帰とされていたが、日局第9改正(1976年)において『トウキ Angelica acutiloba Kitagawaまたはその他近縁植物』と記載され、当時、局方外であったホッカイトウキ(北海当帰を日局当帰とした経緯がある。 (より詳しく見る→栃本天海堂創立60周年記念誌)
Picture
Photographs of Japanese Angelicae Root (トウキ) (by Alps Pharm. アルプス薬品) | |||||||||
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当帰
トウキ Japanese Angelica Root | |
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Species * ... non-plant |
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Part(s) Used | 根 |
Property | 特異臭。やや甘く、後にやや辛い。 |
Test | - |
Drying loss | |
Ash content | 7.0 %以下 |
Acid-insoluble ash | 1.0 %以下 |
Pharmacopeia | 日局 16-p1247 |
Effect | 駆お血、強壮、鎮静、鎮痛 |
Constituent | リグスチリド、n-ブチルフタリド、サフロール、ベルガプテン、スコポレチン、パルミチン酸、リノール酸 ligustilide |
Links |
References
- 【基原動植物から灰分等まで】第十六改正日本薬局方
- 【効能】矢作忠弘, 渥美聡孝, (以下8名)..., 牧野利明「歴代成書に見られる生薬の効能に関する記載のデータベース化」生薬学雑誌, 71(1), 2017
- 【成分】生薬単 (伊藤美千穂 北山隆 監修; 原島広至 著) NTS