CrudeDrug:Sinomeni Caulis et Rhizoma
Crude-drug Top Gallery |
General Index | Names | Prescriptions | Books | Journals | Terminology | Chinese Medicines |
Contents |
防已 (Sinomeni Caulis et Rhizoma)
防已はツヅラフジ科のオオツヅラフジSinomenium acutum Rehder et Wilson のつる性の茎および根茎を基原とする。防已は日本と中国で基原が異なり、文字も「已」「己」の違いがある。中国には広防已(木防已)と粉防已(漢防已)の2種類の防已がある。広防已はウマノスズクサ科で、アリストロキア酸による腎障害を起こす恐れがあるため中華人民共和国薬典2000年版から削除された。粉防已はシマハスノハカズラStephania tetrandra S. Mooreの根茎である。日本の防已と同じオオツヅラフジの茎は、中国では青風藤と称し別名で流通する。中国産防已には広防已・木防已・粉防已・漢防已と呼称が多いため、日本市場では混乱し、1970年頃に漢防已として広防已が中国から輸入されており、当時の市場では漢防已はオオツヅラフジと考えられていた。 (より詳しく見る→栃本天海堂創立60周年記念誌)
Picture
Photographs of Sinomenium Stem (ボウイ) (by Alps Pharm. アルプス薬品) | |||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
|
防已
ボウイ Sinomenium Stem | |
---|---|
Species * ... non-plant |
|
Part(s) Used | 茎 |
Property | 本品は円形又は楕円形の切片で、厚さ0.2~0.4cm、径1~4.5cmである。両切面の皮部は淡褐色~暗褐色を呈し、木部は灰褐色の道管部と暗褐色の放射組織とが交互に放射状に配列する。側面は暗灰色で、縦みぞといぼ状突起がある。
本品はほとんどにおいがなく、味は苦い。本品の横切面を鏡検するとき、一次皮部及び内しょうには著しく膜の厚い石細胞が認められ、道管部では大小の道管がほぼ階段状に配列する。放射組織の細胞はおおむね木化せず、ところどころに著しく膜の厚い大きな石細胞が散在する。一次皮部にはシュウ酸カルシウムの針晶を含み、放射組織中にはでんぷん粒及びシュウ酸カルシウムの小針晶を含む。でんぷん粒は単粒で、径は3~10μmである。 |
Test | ドラーゲンドルフ試薬:本品の粉末0.5gに希酢酸10mLを加え、しばしば振り混ぜながら水浴上で2分間加熱し、冷後、ろ過する。ろ液5mLにドラーゲンドルフ試液2滴を加えるとき、直ちにだいだい黄色の沈殿を生じる。 |
Drying loss | |
Ash content | 7.0 %以下 |
Acid-insoluble ash | 0.5 %以下 |
Pharmacopeia | 日局 16-p1580 |
Effect | 鎮痛、利尿、抗炎症、抗アレルギー、Ca2+拮抗、血圧降下、抗体産生抑制 |
Constituent | シノメニン、ジシノメニン、イソシノメニン、シナクチン、ツヅラニン、マグノフロリン sinomenine, disinomenine, isosinomenine, sinactine, tuduranine, magnoflorine |
Links |
References
- 【基原動植物から灰分等まで】第十六改正日本薬局方
- 【効能】矢作忠弘, 渥美聡孝, (以下8名)..., 牧野利明「歴代成書に見られる生薬の効能に関する記載のデータベース化」生薬学雑誌, 71(1), 2017
- 【成分】生薬単 (伊藤美千穂 北山隆 監修; 原島広至 著) NTS
Prescriptions 処方一覧
防已茯苓湯 (ボウイブクリョウトウ) 防已黄耆湯 (ボウイオウギトウ) 独活湯 (ドッカツトウ) 木防已去石膏加茯苓芒硝湯 (モクボウイキョセッコウカブクリョウボウショウトウ) 木防已湯 (モクボウイトウ) 小続命湯 (ショウゾクメイトウ) 疎経活血湯 (ソケイカッケツトウ) 増損木防已湯 (ゾウソンモクボウイトウ)