CrudeDrug:Benincasae Semen
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− | |propertyJ= | + | |propertyJ=(1)本品は偏平な卵形~卵円形を呈し、長さ10~13mm、幅6~7mm、厚さ約2mm、一端はややとがり、へそ及び発芽口の部分が2個の小突起となっている。表面は淡灰黄色~淡黄褐色を呈し、周辺に沿って隆起帯がある。表面をルーペ視するとき、細かいしわ及びへこみを認める。<br>本品はにおいがなく、味は緩和でわずかに油様である。本品の中央部横切片を鏡検するとき、種皮の最外層は1細胞層のさく状の表皮からなり、隆起帯に相当する部位で明瞭である。本品の表皮に内接する下皮はやや厚壁化した柔組織からなり、その内側は数細胞層の石細胞からなる。種皮の最内層は数細胞層の柔組織である。周乳はクチクラで覆われ、数細胞層の柔組織からなる。内乳は横に長い細胞が一列に配列する。子葉は油滴、アリューロン粒を含み、でんぷん粒を認めることがある。<br>(2)本品は偏平な卵形~楕円形を呈し、長さ9~12mm、幅5~6mm、厚さ約2mm、へその付近は(1)と同様であるが、表面は淡灰黄色を呈し、平滑で、周辺には隆起帯がない。<br>本品はにおいがなく、味は緩和でわずかに油様である。本品の中央部横切片を鏡検するとき、種皮の最外層は薄いクチクラで覆われた1細胞層の表皮で、しばしば脱落している。本品の表皮に内接する下皮はやや厚壁化した柔組織からなり、その内側は数細胞層の石細胞からなる。種皮の最内層は数細胞層の柔組織である。周乳はクチクラで覆われ、数細胞層の柔組織からなる。内乳は横に長い細胞が一列に配列する。子葉は油滴、アリューロン粒を含み、でんぷん粒を認めることがある。 |
− | |constituentJ= | + | |constituentJ=トリゴネリン、アデニン、オレイン酸、リノレン酸 |
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− | |testJ= | + | |testJ=TLC法:本品の粉末0.5gにメタノール/水混液(4:1)10mLを加え、10分間振り混ぜた後、ろ過し、ろ液を試料溶液とする。この液につき、薄層クロマトグラフィーにより試験を行う。試料溶液20μLを薄層クロマトグラフィー用シリカゲルを用いて調製した薄層板にスポットする。次に1-ブタノール/水/酢酸混液(8:6:3)を展開溶媒として約10cm展開した後、薄層板を風乾する。これに紫外線(主波長365nm)を照射するとき、Rf値0.4付近に青白色の蛍光を発する2個のスポットを認め、そのうちRf値の小さいスポットの蛍光がより強い。 |
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|effectJ=鎮咳、去痰、排膿、消炎性利尿 | |effectJ=鎮咳、去痰、排膿、消炎性利尿 | ||
− | |usageJ= | + | |usageJ=痰がからまった時、咳嗽、肺癰、腸癰、水腫、内臓の化膿症などに応用する。 |
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Revision as of 16:06, 16 August 2011
Crude-drug Top Gallery |
General Index | Names | Prescriptions | Books | Journals | Terminology | Chinese Medicines |
冬瓜子
トウガシ Benincasa Seed | |
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Species * ... non-plant |
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Part(s) Used | 種子 |
Property | (1)本品は偏平な卵形~卵円形を呈し、長さ10~13mm、幅6~7mm、厚さ約2mm、一端はややとがり、へそ及び発芽口の部分が2個の小突起となっている。表面は淡灰黄色~淡黄褐色を呈し、周辺に沿って隆起帯がある。表面をルーペ視するとき、細かいしわ及びへこみを認める。 本品はにおいがなく、味は緩和でわずかに油様である。本品の中央部横切片を鏡検するとき、種皮の最外層は1細胞層のさく状の表皮からなり、隆起帯に相当する部位で明瞭である。本品の表皮に内接する下皮はやや厚壁化した柔組織からなり、その内側は数細胞層の石細胞からなる。種皮の最内層は数細胞層の柔組織である。周乳はクチクラで覆われ、数細胞層の柔組織からなる。内乳は横に長い細胞が一列に配列する。子葉は油滴、アリューロン粒を含み、でんぷん粒を認めることがある。 (2)本品は偏平な卵形~楕円形を呈し、長さ9~12mm、幅5~6mm、厚さ約2mm、へその付近は(1)と同様であるが、表面は淡灰黄色を呈し、平滑で、周辺には隆起帯がない。 本品はにおいがなく、味は緩和でわずかに油様である。本品の中央部横切片を鏡検するとき、種皮の最外層は薄いクチクラで覆われた1細胞層の表皮で、しばしば脱落している。本品の表皮に内接する下皮はやや厚壁化した柔組織からなり、その内側は数細胞層の石細胞からなる。種皮の最内層は数細胞層の柔組織である。周乳はクチクラで覆われ、数細胞層の柔組織からなる。内乳は横に長い細胞が一列に配列する。子葉は油滴、アリューロン粒を含み、でんぷん粒を認めることがある。 |
Test | TLC法:本品の粉末0.5gにメタノール/水混液(4:1)10mLを加え、10分間振り混ぜた後、ろ過し、ろ液を試料溶液とする。この液につき、薄層クロマトグラフィーにより試験を行う。試料溶液20μLを薄層クロマトグラフィー用シリカゲルを用いて調製した薄層板にスポットする。次に1-ブタノール/水/酢酸混液(8:6:3)を展開溶媒として約10cm展開した後、薄層板を風乾する。これに紫外線(主波長365nm)を照射するとき、Rf値0.4付近に青白色の蛍光を発する2個のスポットを認め、そのうちRf値の小さいスポットの蛍光がより強い。 |
Drying loss | |
Ash content | 5.0 %以下 |
Acid-insoluble ash | 1.5 %以下 |
Pharmacopeia | 日局 16-p1551 |
Effect | 鎮咳、去痰、排膿、消炎性利尿 |
Constituent | トリゴネリン、アデニン、オレイン酸、リノレン酸 trigonelline, adenine, oleic acid, linolenic acid |
Links |
References
- 【基原動植物から灰分等まで】第十六改正日本薬局方
- 【効能】矢作忠弘, 渥美聡孝, (以下8名)..., 牧野利明「歴代成書に見られる生薬の効能に関する記載のデータベース化」生薬学雑誌, 71(1), 2017
- 【成分】生薬単 (伊藤美千穂 北山隆 監修; 原島広至 著) NTS