Doc:Alcohol/Sake

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Contents

分類

醸造酒

原料に含まれるでんぷんを糖化させ、その糖を酵母によってアルコール醗酵させて作ります。

種類 糖化 醗酵温度 醗酵期間 アルコール度数
清酒 こうじ菌 10-20 3-4 週間 18-20
ビール 麦芽 5-10 7-10 日 更に 0-3度で1-3ヶ月(後醗酵) 5-6
赤ワイン なし 25-30 7-10 日 更に 果皮と種を除き 7 日 10-13
白ワイン なし 15-20 果皮と種を除き 2-3 週間 10-13

日本酒の種類

清酒用語や造り方についてはWikipediaを御覧ください。 詳細は国税庁「清酒の製法品質表示基準」を参照してください。

精米歩合 制限なし 70%以下 60%以下 50%以下
醸造アルコール
添加
本醸造  特別本醸造*, 吟醸 大吟醸
醸造アルコール
なし
純米 特別純米*, 純米吟醸 純米大吟醸
  • ... 特別酒の場合は製法を明記。


蒸留酒

単式蒸留と連続式蒸留という二通りの蒸留法があります。 単式蒸留ではアルコール分を14-20%含む醗酵液から1回蒸留するだけでアルコール分が45%程の焼酎を製造します。平成14年まではこれを焼酎乙類と呼んでいました。 連続式蒸留では再蒸留を繰り返してアルコール分97%程度の蒸留限界まで精製してから、水で割って焼酎を精製します。平成14年まではこれを焼酎甲類と呼んでいました。 つまり、アルコール以外の成分が多い単式蒸留(乙類)のほうが原料の風味が豊かな焼酎ということになります。

焼酎

米、麦、いもなどの原料を、白麹、黄麹、または黒麹菌と酵母で醗酵させた後に蒸留して製造します。

琉球泡盛

細長いインディカ米を黒こうじ菌で醗酵させた後に単式蒸留して製造します。原材料はタイより輸入し、A1スーパーおよび丸米が主流。 麹菌は A. awamoriA. saitoi をそれぞれ単独または混合したものを使います。 混合した複菌麹はそれぞれ単独で用いた場合に比べ、 4-vinylguaiacol (vanillin とともにフェルラ酸から合成される[1] および酢酸エチルの含量が高まります [2]

製造して3年以上寝かせたものを古酒(クース)と呼びます。

  1. Peleg H, Naim, M, Zehavi U, Rouseff RL, Nagy S (1992) "Pathways of 4-vinylguaiacol formation from ferulic acid in model solutions of orange juice" J Agric Food Chem, 40(5):764–767
  2. 塚原、冨木、他 「黒麹菌株比率を変えた種麹による泡盛風味への影響」 33回南方資源利用技術研究会要旨 4-5, 2009

黒糖焼酎

間違いやすい用語

甘口と辛口
日本酒度は比重計の値であり、軽いとプラス(辛口)重いとマイナス(甘口)となる。糖分が多くても酸が多ければ辛口に感じるため、糖分量と甘口、辛口は必ずしも関連しない。日本酒の味は時代に応じて大きく変化しており、戦時には甘口になる傾向がある。
生酒、生貯蔵酒、生詰め酒
火入れを一度もしないのが生酒、瓶詰め時に一度だけ火入れするのが生貯蔵酒、貯蔵前に火入れするが瓶詰め時には火入れしないのが生詰め酒
吟醸香(ぎんじょうか)
アルコールとカルボン酸が作るエーテル臭で、いわゆる果実臭に近い。精白度が高いと出やすい。
淡麗
米のアミノ酸を削り落として作る吟醸酒に特徴的な味。味が薄いわけではなく、滑らかや後味の良さを指す。
灘香(なだか)
「枯らしモト」という灘独特の酒造法ででてくる香り。明治のころは硫化水素臭をこの名で呼んだこともあり、好ましい香りではないらしい。
灘の宮水
江戸時代後期、神戸市(魚崎)と西宮市の両方に蔵を持つ山邑太左衛門が西宮の水で作った酒が良質であることを見出し、「西宮の水」から宮水と言われるようになった。西宮の水は鉄分が少なくカルシウム、リン、カリウム等を多めに含んだ比較的硬い水。
酒造好適米
酒造りに適した「山田錦」「五百万石」「美山錦」などの品種。食用米に比べ粒が大きく、でんぷん粒のつまり具合が疎で中心に心白(しんぱく)という白色不透明な部分をもつ。吸水が早くもろみが溶けやすい特徴を持つ。
三段仕込
醗酵タンクに仕込む蒸米と米こうじの割合は蒸米77, 米こうじ23, 水130が標準。酵母の量が薄まらないように3回に分け、4日間かけて仕込む。(1日目1/6, 3日目1/3, 4日目1/2)
諸白(もろはく)
精米した米で造ること。外側を1/3ほど削って固めに蒸した米を使う。

酒の古典

日本酒の歴史についてはWikipediaも御覧ください。

平安時代
「令集解(りょうのしゅうげ)」平安朝初期。惟宗朝臣直本(これむねのあそんながもと)という明宝博士が勅令によって編纂した律令や古い格式の解説書。造酒司(さけのつかさ)など、酒造に関与した官僚制度の記述があるが、造酒法そのものの記載はない。
「延喜式(えんぎしき)」平安朝初期。醍醐天皇の勅命によって編纂された宮中行事や慣行の事務規定。造酒法が10種ほど記載されている。
室町時代
「御酒之日記(ごしゅのにっき)」南北朝から室町初期の原本を写本したもの。二段仕込み、乳酸醗酵の応用、加温による菌活動の記述。
「多聞院日記(たもんいんにっき)」室町後期。火入れの方法を記述。酒造法は江戸時代と変わらない。
江戸時代
寒造りについて記述したもの
「童蒙酒造記(どうもうしゅぞうき)」1677年頃。片白、諸白などの区別もある
「寒造酒屋永代記伝」1697年
「和漢三才図絵」1711年。浪速の医師寺島良安による「本場の酒」の記述
「万金産業袋」1732年
「本家大阪鴻池酒類秘録」1826年
「酒直(さけなおし)千代伝法」1838年
田舎の酒について記述したもの
「本朝食鑑」1695年。江戸幕府の番医師人見必大による
「日本山海名産図会」1798年。浪速の木村XXXによる
「醸酒秘録」1789年
「高田町村田弥兵衛酒伝授之覚」1822年
「新酒半からし造心得書」1865年
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