CrudeDrug:Paeoniae Radix/Abstract
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芍薬 (Paeoniae Radix)
芍薬はボタン科のシャクヤク Paeonia lactiflora Pallasの根を基原とする。吐錦・冠芳・殿春客・艶友などの別名があり、芍薬(sháo yào)は綽約(chuò yuē)の発音に似ているが、綽約はしとやかで美しいという意味であり、花がしとやかで美しい故に芍薬の名が付いた。芍薬は「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」と美しさの形容にも用いられている。
芍薬は「白芍」「赤芍」に区別されるが基原植物の区別ではなく、加工方法あるいは野生種と栽培種の違いと考えられる。基本的には皮去り後に湯通し、または生干ししたものが「白芍」で、野生種の芍薬を皮付きのまま生干ししたものが「赤芍」である。中国の「白芍」は「真芍」とも呼ばれ、皮去り後に湯通ししたもので、昔は奈良県でも生産され、輸出されたことがある。日本の「白芍」は皮去り後に生干ししたもので、中国とは加工方法が異なる。(出典:栃本天海堂創立60周年記念誌)