Aritalab:Lecture/Basic/Inequality
From Metabolomics.JP
Contents |
分散とモーメント
[定義] E[] を確率変数 X の k次モーメントと呼ぶ。
[定義] 確率変数 X の分散は
[定義] 確率変数 X の標準偏差 は
Markovの不等式
確率変数 X と a > 0 に対し
をマルコフの不等式と呼ぶ。証明は随所に見られるので省略する。
Chebyshevの不等式
確率変数 X と a > 0 に対し
をチェビシェフの不等式と呼ぶ。証明には、 に対してマルコフの不等式を適用する。
MarkovとChebyshevの違い
変形した一様分布
正の整数 k に対し、確率 1/k で k E[X] をとり、確率 (1- 1/k) で 0 をとる確率変数 X を考えよう。 このときマルコフの不等式は となるが、定義より
なので等号が成立する。つまりマルコフの不等式が十分「きつい」例になっている。
この分布の分散は
チェビシェフの不等式は
二項分布
裏表が等確率ででるコインを n 回投げて、 回表が出る確率を見積もってみよう。
確率変数 X を n 回の試行で表が出る回数とする。 コインは公平なので
である。分散を考えるにはコイン1枚の試行の分散から考える。
確率変数 X の分散は
マルコフの不等式では
チェビシェフの不等式では