Aritalab:Lecture/NetworkBiology/Network

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ネットワークとはなにか

数学ではグラフ理論という分野があり、ネットワークのことをグラフと呼びます。正確なグラフの定義は以下のようになります。

頂点の集合 V と辺の集合 E の間に f : E → V × V という関係を導入した構造 G := ( f , V, E)

辺は頂点を 1 対 1 で結ぶ関係であることに注意してください。多対多を結ぶ辺をもつグラフはハイパーグラフと呼ばれ、Berge などが研究対象にした時期もありましたが、理論的な解析は難しいようです。一般に、グラフ理論では辺や点に数値を割り振ることはおこないません。

グラフの例
  • Petersen graph の彩色数が 3 であることを確認する
  • 完全二部グラフ K3,3 が平面に描けないことを確認する

計算機科学では、辺に流量などの重みをつけたとき、グラフではなくネットワークと呼ぶことが多くあります。これはオペレーションズリサーチにおいて流量計画問題などが盛んにおこなわれたことと関係するようです。一般には、流量やコストなど整数や実数を辺に割り振ります。

計算機科学の特徴
  • アルゴリズムに重点を置く
  • 浮動小数点を用いる実数値ではなく整数値の扱いが多い

生物学では、残念なことに正確な定義はありません。個々の研究者が自分の思い込むネットワークを勝手に提唱し、論文を書いている状態です。そのため、実際の物理化学現象とは全く関係のないネットワークまで研究されています。

生物学における、現実とは乖離したネットワークの例
  • 遺伝子ネットワーク
  • 相同性ネットワーク
  • タンパク質内の近接原子ネットワーク
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