Aritalab:Lecture/Biochem/Saccharide/Pentose

From Metabolomics.JP
< Aritalab:Lecture | Biochem | Saccharide
Revision as of 13:52, 1 June 2011 by Adm (Talk | contribs)

(diff) ← Older revision | Latest revision (diff) | Newer revision → (diff)
Jump to: navigation, search

5単糖のアルドース

アルデヒド基を持つアルドースは不斉炭素を 3 つ持つので 8 つの異性体があります。天然に存在するのは主にD-ribose, D-xylose, L-arabinoseです。lyxoseはxyloseの名前をひっくり返してつけられました。

D-ribose
DNAの構成要素

alpha-D-riboseおよそ100年前にDNAの構成要素としてA,C,G,Tの塩基とともに発見されました。DNAはデオキシリボ核酸の略で、そのリボとはリボースのことです。リボースはDNAの糖リン酸バックボーンを構成するだけでなく、プリンヌクレオチド(アデニン、グアニン)やATPの合成基点でもあります。

D-xylose
キシリトールガムの原材料

alpha-D-xylose和名を木糖といい、植物に多いヘミセルロース(多糖類)の一種、キシランの構成成分です。Xylとはギリシャ語で木を意味し、木琴は英語でxylophoneといいます。工業的にはキシランを加水分解して得られます。この糖を酵素で異性化させたケトース版がキシルロース(xylulose)です。

L-arabinose

alpha-L-arabinoseこれも植物ヘミセルロース(多糖類)の一種、アラビノキシランを分解して得られます。ブドウやとうもろこしにも含まれます。

5単糖のケトース

ケトースで有名なのはxyloseと対になるxylulose、そしてriboseと対になるribuloseです。

D-xylulose
パルプの廃液から作るキシリトール

alpha-D-xylulose白樺の樹液などに含まれるキシラン・ヘミセルロース(多糖類)の成分で、パルプを作成する際の廃液に多く入っています。ガムで有名なキシリトールは、このキシロースやキシルロース(英語ではそれぞれザイロース、ザイルロースと発音)を還元して得られるアルコールです。キシリトールの甘さは砂糖とほぼ同じ。主な産地は、キシリトールを虫歯予防に初めて応用した国、フィンランドです。

キシリトールがなぜ虫歯予防になるかというと、砂糖と同じ甘さを持つにもかかわらず、口腔内の酸性環境で増殖する菌Streptococcus mutansがキシリトールの代謝経路を持たないからです。虫歯菌を積極的に減らすことはしませんが、増殖させない予防と考えればよいでしょう。

D-ribulose
光合成に重要な糖

alpha-D-ribulose生化学の教科書では、グルコースの代謝(ペントースリン酸経路)や光合成で使われる糖です。

Personal tools
Namespaces

Variants
Actions
Navigation
metabolites
Toolbox