Aritalab:Lecture/Basic/Generating Function
From Metabolomics.JP
				
								
				
				
																
				
				
								
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母関数
扱う対象とする無限列を、補助変数 z を用いてべき級数 (power series) として表現する方法を母関数 (generating function) といいます。
 
母関数の例
ここでは以下の3つの公式を、母関数を用いて導きます。
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自然数
an = n + 1 の母関数は
 
です。この右辺を閉じた式にするには
 
を使います。 で収束すると仮定し、両辺を z について微分します。
 で収束すると仮定し、両辺を z について微分します。
 
少し拡張してみましょう。
 
べき乗
an = 2n の母関数は
 
です。ただし  と仮定します。一般化すれば an = kn の母関数が 1/(1 − kz) になります。
 と仮定します。一般化すれば an = kn の母関数が 1/(1 − kz) になります。
二項定理
二項定理は、 が数列
 が数列 の母関数表現と解釈できます。すなわち
の母関数表現と解釈できます。すなわち
 
が成立します。この式を二つ掛け合わせると
 
両者の Σ 式において zn の係数が等しいとおけば
 
が得られます。これをヴァンデルモンドの畳み込み式 (convolution) といいます。 一般化すると以下のように書けます。
 
- 二項定理の応用
数列  の母関数が
 の母関数が  になることを示しましょう。この式はランダムウォークの解析で出てきます。
 になることを示しましょう。この式はランダムウォークの解析で出てきます。
まず数列の定義から
 
です。次に
 
と、二項定理  を用いて
 を用いて
 
を示せました。この母関数で z = 1 とおくと  になります。
 になります。
 
