Aritalab:Lecture/Biochem/Saccharide/Pentose
From Metabolomics.JP
< Aritalab:Lecture | Biochem | Saccharide(Difference between revisions)
Line 13: | Line 13: | ||
:'''D-xylose''' キシリトールガムの原材料 | :'''D-xylose''' キシリトールガムの原材料 | ||
{| | {| | ||
− | | [[File:alpha-D-xylose.gif]] | + | | [[File:alpha-D-xylose.gif|80px]] |
| | | | ||
α-D-xylose 和名を木糖といい、植物に多いヘミセルロース(多糖類)の一種、キシランの構成成分です。Xylとはギリシャ語で木を意味し、木琴は英語でxylophoneといいます。工業的にはキシランを加水分解して得られます。この糖を酵素で異性化させたケトース版がキシルロース(xylulose)です。 | α-D-xylose 和名を木糖といい、植物に多いヘミセルロース(多糖類)の一種、キシランの構成成分です。Xylとはギリシャ語で木を意味し、木琴は英語でxylophoneといいます。工業的にはキシランを加水分解して得られます。この糖を酵素で異性化させたケトース版がキシルロース(xylulose)です。 | ||
Line 20: | Line 20: | ||
:'''L-arabinose''' | :'''L-arabinose''' | ||
{| | {| | ||
− | | [[File:alpha-L-arabinose.gif]] | + | | [[File:alpha-L-arabinose.gif|80px]] |
| | | | ||
α-L-arabinose これも植物ヘミセルロース(多糖類)の一種、アラビノキシランを分解して得られます。ブドウやとうもろこしにも含まれます。 | α-L-arabinose これも植物ヘミセルロース(多糖類)の一種、アラビノキシランを分解して得られます。ブドウやとうもろこしにも含まれます。 | ||
Line 31: | Line 31: | ||
:'''D-xylulose''' パルプの廃液から作るキシリトール | :'''D-xylulose''' パルプの廃液から作るキシリトール | ||
{| | {| | ||
− | | [[File:alpha-D-xylulose.gif]] | + | | [[File:alpha-D-xylulose.gif|80px]] |
| | | | ||
α-D-xylulose 白樺の樹液などに含まれるキシラン・ヘミセルロース(多糖類)の成分で、パルプを作成する際の廃液に多く入っています。ガムで有名なキシリトールは、このキシロースやキシルロース(英語ではそれぞれザイロース、ザイルロースと発音)を還元して得られるアルコールです。キシリトールの甘さは砂糖とほぼ同じ。主な産地は、キシリトールを虫歯予防に初めて応用した国、フィンランドです。 | α-D-xylulose 白樺の樹液などに含まれるキシラン・ヘミセルロース(多糖類)の成分で、パルプを作成する際の廃液に多く入っています。ガムで有名なキシリトールは、このキシロースやキシルロース(英語ではそれぞれザイロース、ザイルロースと発音)を還元して得られるアルコールです。キシリトールの甘さは砂糖とほぼ同じ。主な産地は、キシリトールを虫歯予防に初めて応用した国、フィンランドです。 | ||
Line 40: | Line 40: | ||
:'''D-ribulose''' 光合成に重要な糖 | :'''D-ribulose''' 光合成に重要な糖 | ||
{| | {| | ||
− | | [[File:alpha-D-ribulose.gif]] | + | | [[File:alpha-D-ribulose.gif|80px]] |
| | | | ||
α-D-ribulose 生化学の教科書では、グルコースの代謝(ペントースリン酸経路)や光合成で使われる糖です。 | α-D-ribulose 生化学の教科書では、グルコースの代謝(ペントースリン酸経路)や光合成で使われる糖です。 | ||
|} | |} |
Revision as of 08:38, 2 June 2011
Contents |
5単糖のアルドース
アルデヒド基を持つアルドースは不斉炭素を 3 つ持つので 8 つの異性体があります。天然に存在するのは主にD-ribose, D-xylose, L-arabinoseです。lyxoseはxyloseの名前をひっくり返してつけられました。
- D-ribose DNAの構成要素
α-D-ribose およそ100年前にDNAの構成要素として A,C,G,T の塩基とともに発見されました。DNAはデオキシリボ核酸の略で、そのリボとはリボースのことです。リボースはDNAの糖リン酸バックボーンを構成するだけでなく、プリンヌクレオチド(アデニン、グアニン)やATPの合成基点でもあります。 |
- D-xylose キシリトールガムの原材料
α-D-xylose 和名を木糖といい、植物に多いヘミセルロース(多糖類)の一種、キシランの構成成分です。Xylとはギリシャ語で木を意味し、木琴は英語でxylophoneといいます。工業的にはキシランを加水分解して得られます。この糖を酵素で異性化させたケトース版がキシルロース(xylulose)です。 |
- L-arabinose
α-L-arabinose これも植物ヘミセルロース(多糖類)の一種、アラビノキシランを分解して得られます。ブドウやとうもろこしにも含まれます。 |
5単糖のケトース
ケトースで有名なのはxyloseと対になるxylulose、そしてriboseと対になるribuloseです。
- D-xylulose パルプの廃液から作るキシリトール
- D-ribulose 光合成に重要な糖
α-D-ribulose 生化学の教科書では、グルコースの代謝(ペントースリン酸経路)や光合成で使われる糖です。 |