CrudeDrug:Corydalis Tuber/Abstract
From Metabolomics.JP
< CrudeDrug:Corydalis Tuber(Difference between revisions)
m |
|||
Line 6: | Line 6: | ||
|} | |} | ||
</center> | </center> | ||
− | 延胡索は、ケシ科の[[Species:Corydalis|''Corydalis turtschaninovii'' Besser forma yanhusuo Y. H. Chou et C. C. Hsu]]の塊茎を基原とする。原名は「玄胡索」だが、宋の皇帝・真宗の諱(イミナ:本名のこと。中国では古くから主君など目上の者の本名を呼ぶことは極めて無礼なこと。)を避け、「延胡索」と改められた(清の皇帝・康熙帝の諱を避けたという説もある)。 | + | 延胡索は、ケシ科の[[Species:Corydalis|''Corydalis turtschaninovii'' Besser forma yanhusuo Y. H. Chou et C. C. Hsu]] の塊茎を基原とする。原名は「玄胡索」だが、宋の皇帝・真宗の諱(イミナ:本名のこと。中国では古くから主君など目上の者の本名を呼ぶことは極めて無礼なこと。)を避け、「延胡索」と改められた(清の皇帝・康熙帝の諱を避けたという説もある)。 |
− | 第二改正国民医薬品集(1955年)に初めて延胡索が収載され、その基原植物として | + | 第二改正国民医薬品集(1955年)に初めて延胡索が収載され、その基原植物として''Corydalis ternata'' Nakai が挙げられていた。これは韓国産の「朝鮮延胡索」を想定しており、1970年代まで市場は低価格の朝鮮延胡索が主流で高価な中国産の「唐延胡索」はほとんど見られなかった。 |
− | その後、唐延胡索の価格が低下し、市場は唐延胡索に置き換わり、日本市場から朝鮮延胡索は姿を消すことになった。日局第13改正(1996年)で朝鮮延胡索 | + | その後、唐延胡索の価格が低下し、市場は唐延胡索に置き換わり、日本市場から朝鮮延胡索は姿を消すことになった。日局第13改正(1996年)で朝鮮延胡索''C. ternata'' は削除され、現在は韓国市場に流通するのみである。 |
{{CrudeDrug/Tochimoto}} | {{CrudeDrug/Tochimoto}} |
Latest revision as of 21:57, 20 December 2010
[edit] 延胡索 (Corydalis Tuber)
延胡索は、ケシ科のCorydalis turtschaninovii Besser forma yanhusuo Y. H. Chou et C. C. Hsu の塊茎を基原とする。原名は「玄胡索」だが、宋の皇帝・真宗の諱(イミナ:本名のこと。中国では古くから主君など目上の者の本名を呼ぶことは極めて無礼なこと。)を避け、「延胡索」と改められた(清の皇帝・康熙帝の諱を避けたという説もある)。 第二改正国民医薬品集(1955年)に初めて延胡索が収載され、その基原植物としてCorydalis ternata Nakai が挙げられていた。これは韓国産の「朝鮮延胡索」を想定しており、1970年代まで市場は低価格の朝鮮延胡索が主流で高価な中国産の「唐延胡索」はほとんど見られなかった。 その後、唐延胡索の価格が低下し、市場は唐延胡索に置き換わり、日本市場から朝鮮延胡索は姿を消すことになった。日局第13改正(1996年)で朝鮮延胡索C. ternata は削除され、現在は韓国市場に流通するのみである。 (出典:栃本天海堂創立60周年記念誌)