Species:Bupleurum

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以上は、同じく薬用としたオキナグサ [[Species:Pulsatilla|Pulsatilla]] cernua (キンポウゲ科オキナグサ属)を赤熊柴胡(しゃぐまさいこ)と呼んだ事例とも一致する。上記「要薬須知」の項目「白頭翁」には 「近来之ヲ以テ柴胡ニ充テルハ誤也リ柴胡ト殊ヘテ別ナリ」とある。松尾芭蕉の歌「かげろふや柴胡の糸の薄曇」はオキナグサの綿毛を詠んだと考えるほうが納得できる。
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ヨーロッパ原産の B. falcatum は染色体数が 2n=16 で一致するが、伊豆半島および九州南側のミシマサイコは 2n=26, 韓国および九州北側のものは 2n=20 と報告されている。多くの異数性 (aneuploidy) もみられる。中国産には 2n=12, 20, 26 等があるとされ、変化の理由は不明。<ref>天野ほか「ミシマサイコ染色体数の地理的変異」生薬学雑誌43(2),192, 1989</ref>
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Contents

[edit] ミシマサイコ属

セリ科 (Apiaceae) における最大属であり、200種弱が含まれる。草丈は数センチから数メートルと幅広く、多くは地中海沿岸に自生する。地域に基づくサブグループも多い。18–26Sリボソーム配列からは、ミシマサイコは南アフリカの Bupleurum mundii と近縁になる(理由は不明)。広く分布した祖先種がまだらに絶えたのではなく、地域毎に分化したと考えられている。[1]

  1. Neves SS, Watson MF "Phylogenetic Relationships in Bupleurum (Apiaceae) Based on Nuclear Ribosomal DNA ITS Sequence Data" Annals of Botany 93(4), 379-398, 2004 DOI

[edit] 薬としてのミシマサイコ

属名のミシマサイコは、一般に、静岡県の三島が良品の産地とされたためと言われる。しかし、過去の書物における記載は以下の通り。

要薬須知(松岡玄達 1726年/亨保11)正編5巻 「和漢共ニ可用(フルコト)...鎌倉ト称スルモノ真ナリ」[1]
本草綱目啓蒙(小野蘭山 1805年/文化2)巻5 「鎌倉柴胡真ナリ...今ハ鎌倉ヨリ柴胡ヲ出ザレモソノ初鎌倉ヨリ出セシ...」「ミシマ柴胡ト呼フモノ隹(佳?)ナリ」[2]
古今要覧稿 第5巻 草木部 下(屋代弘賢 1905-07年/明治38-40) P.225「のぐさ(鎌倉柴胡 韮葉柴胡)」項 「相模鎌倉の産をもって最上とす」
P.226左上「...鎌倉柴胡ト称スルモノ偽雑多シ用ユルニ堪ヘズミシマ柴胡ト呼ブモノ佳ナリ...今薬舗ニ三島柴胡ト称スルモノハ東国ヨリ出ス此ニハ単蘆ナルモノ多シ薬用ニ入ルベシ」[3]
和漢薬物学(日野五七郎ほか 1918年/大正7 P.249 北柴胡のルビにミシマサイコと記載[4]

以上より、明治後半にミシマ柴胡と称する商品が流通し、大正には鎌倉ではなくミシマ柴胡と呼ばれたことがわかる。 (Bupleurum falcatum L. の和名がカマクラサイコではなく、ミシマサイコになった理由は不明である。)

  1. 国立国会図書館デジタルコレクション「用薬須知 」コマ23
  2. 国立国会図書館デジタルコレクション「本草項目啓蒙」巻5コマ10
  3. 国立国会図書館デジタルコレクション「古今要覧稿」第393 コマ120
  4. 国立国会図書館デジタルコレクション「和漢薬物学」コマ137

過去の文献には、柴胡の項目に、国内外のミシマサイコ Bupleurum falcatum(=北柴胡)、ホタルサイコ Bupleurum longiradiatum(=南柴胡, 大柴胡)、カワラサイコ Potentilla chinensis(バラ科キジムシロ属) を併記し、品質を評する記述が多い。薬用の根茎を全て柴胡と称したのだろう。

以上は、同じく薬用としたオキナグサ Pulsatilla cernua (キンポウゲ科オキナグサ属)を赤熊柴胡(しゃぐまさいこ)と呼んだ事例とも一致する。上記「要薬須知」の項目「白頭翁」には 「近来之ヲ以テ柴胡ニ充テルハ誤也リ柴胡ト殊ヘテ別ナリ」とある。松尾芭蕉の歌「かげろふや柴胡の糸の薄曇」はオキナグサの綿毛を詠んだと考えるほうが納得できる。

[edit] ミシマサイコの学名

GBIF等で Bupleurum scorzonerifolium Willd. は B. falcatum の異名とされるが、韓国の生薬学文献ではscorzonerifolium の記載が多い。Bupleurum chinense DC. は明らかに別種であり、中国の生薬学文献はこちらが中心。以下に記すように染色体数が大きく変化するため、明確な区別は難しい。

[edit] ミシマサイコの染色体数

ヨーロッパ原産の B. falcatum は染色体数が 2n=16 で一致するが、伊豆半島および九州南側のミシマサイコは 2n=26, 韓国および九州北側のものは 2n=20 と報告されている。多くの異数性 (aneuploidy) もみられる。中国産には 2n=12, 20, 26 等があるとされ、変化の理由は不明。[1]

  1. 天野ほか「ミシマサイコ染色体数の地理的変異」生薬学雑誌43(2),192, 1989


Japanese Common Names: ブプレウルム, ミシマサイコ, シュラビーヘアズイヤー, レブンサイコ, ソロウワックス


Scientific Classification
(based on APG-II and Taxonomicon)
division
Jpn.
Tracheophyta
維管束植物門
class
Jpn.
Magnoliopsida
モクレン綱
subclass
Jpn. 亜綱
Asteridae
キク亜綱
order
Jpn.
Apiales
セリ目
suborder
Jpn. 亜目
[[:Category:|]]
infraorder
Jpn. 下目
[[:Category:|]]
parvorder
Jpn. 小目
[[:Category:|]]
superfamily
Jpn. 上科
[[:Category:|]]
family
Jpn.
Apiaceae
セリ科
subfamily
Jpn. 亜科
Apioideae
tribe
Jpn.
Bupleureae
subtribe
Jpn. 亜族
[[:Category:|]]
genus
Jpn.
Bupleurum
ミシマサイコ属



[edit] Information

Flavonoid

Crude Drugs

  • 生薬の柴胡はミシマサイコ(Bupleurum falcatum Linné)の根である。

Endangered Species

Rank Japanese Name (和名) Latin Name (学名)
絶滅危惧ⅠA類(CR) レブンサイコ Bupleurum ajanense
絶滅危惧Ⅱ類(VU) ミシマサイコ Bupleurum scorzonerifolium var. stenophyllum



English Codex Vegetabilis (1957)

Bupleurum rotundifolium  


[edit] Family/Genus Description

For comprehensive information, visit Bupleurum page. (BY Shigeharu Okamoto)

  • Bupleurum L.
セリ科 【属名】ブプレウルム;ミシマサイコ属 hare's ear; thoroughwax; bupleurum 約150種があり、おもに旧世界に広く分布する。一年草または多年草。
  • Bupleurum falcatum;Bupleurum chinense; Bupleurum sinense; Bupleurum falcatum var.scorzonerifolium
セリ科 ミシマサイコ sickle-leaved hare's-ear 多年草。葉は革質で鋸歯がなく卵形~長楕円形。複散形花序に黄色の小さな花がつく。薬用として漢方で重用されている。
  • Bupleurum fruticosum
セリ科 シュラビーヘアズイヤー shrubby hare's ear 常緑中低木。黄色い小花が球状の塊で咲く。
  • Bupleurum longeradiatum ssp.sachalinense var.elatius
セリ科 ホタルサイコ
  • Bupleurum ranunculoides ssp.alpinum
セリ科 レブンサイコ
  • Bupleurum rotundifolium
セリ科 ソロウワックス thorow-wax 一年草。葉は互生し、卵形~円形で鋸歯はなく、上部では茎が突き抜ける。枝先の散形花序に、苞葉のついた黄緑色の小さな花をつける。

[edit] Links

[edit] Images



[edit] Trivia

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