Aritalab:Lecture/Biochem/Saccharide/Pentose
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− | α-D-ribose | + | α-D-ribose およそ100年前にDNAの構成要素として A,C,G,T の塩基とともに発見されました。DNAはデオキシリボ核酸の略で、そのリボとはリボースのことです。リボースはDNAの糖リン酸バックボーンを構成するだけでなく、プリンヌクレオチド(アデニン、グアニン)やATPの合成基点でもあります。遊離の形ではpyranose、リボ核酸の構成糖のときにはbeta-franoseの形で存在します。 |
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+ | * Ward PF, Nature, 1952;170:936 PMID 13013273 | ||
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− | α-D-xylose | + | α-D-xylose 和名を木糖といい、植物に多いヘミセルロース(多糖類)の一種、キシランの構成成分です。植物ゴム、粘質多糖類の成分としても、植物界に広く分布します。Xylとはギリシャ語で木を意味し、木琴は英語でxylophoneといいます。工業的にはキシランを加水分解して得られます。この糖を酵素で異性化させたケトース版がキシルロース(xylulose)です。 |
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+ | * Whistler RO, J Am Chem Soc, 1949;71:1476 PMID 18128370 | ||
+ | * Mitsuhashi S, J Biol Chem, 1953;204:1011 PMID 13117877 | ||
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− | α-L-arabinose | + | α-L-arabinose 植物ヘミセルロース(多糖類)の一種、アラビノキシランを分解して得られます。アラビアゴム等の植物ゴム、粘質多糖類、配糖体の成分です。ブドウやとうもろこしにも含まれます。 |
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+ | D体は希少糖でLiliaceae科(ユリ科)植物の配糖体、結核菌由来の多糖の成分です。 | ||
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+ | * White EV, J Am Chem Soc, 1947;69:715 PMID 20289468 | ||
+ | * Koser SA, J Bacteriol, 1937;33:587 PMID 16560026 | ||
+ | * Cosmetic Ingredient Review Expert Panel, Int J Toxicol, 2007;26:1 PMID 17613130 | ||
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+ | * Anderson RL, J Biol Chem, 1962;237:296 PMID 13861292 | ||
+ | * Marshall LM, J Chromatogr, 1964;15:97 PMID 14197019 | ||
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ケトースで有名なのはxyloseと対になるxylulose、そしてriboseと対になるribuloseです。 | ケトースで有名なのはxyloseと対になるxylulose、そしてriboseと対になるribuloseです。 | ||
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α-D-xylulose 白樺の樹液などに含まれるキシラン・ヘミセルロース(多糖類)の成分で、パルプを作成する際の廃液に多く入っています。ガムで有名なキシリトールは、このキシロースやキシルロース(英語ではそれぞれザイロース、ザイルロースと発音)を還元して得られるアルコールです。キシリトールの甘さは砂糖とほぼ同じ。主な産地は、キシリトールを虫歯予防に初めて応用した国、フィンランドです。 | α-D-xylulose 白樺の樹液などに含まれるキシラン・ヘミセルロース(多糖類)の成分で、パルプを作成する際の廃液に多く入っています。ガムで有名なキシリトールは、このキシロースやキシルロース(英語ではそれぞれザイロース、ザイルロースと発音)を還元して得られるアルコールです。キシリトールの甘さは砂糖とほぼ同じ。主な産地は、キシリトールを虫歯予防に初めて応用した国、フィンランドです。 | ||
キシリトールがなぜ虫歯予防になるかというと、砂糖と同じ甘さを持つにもかかわらず、口腔内の酸性環境で増殖する菌 ''Streptococcus mutans'' がキシリトールの代謝経路を持たないからです。虫歯菌を積極的に減らすことはしませんが、増殖させない予防と考えればよいでしょう。 | キシリトールがなぜ虫歯予防になるかというと、砂糖と同じ甘さを持つにもかかわらず、口腔内の酸性環境で増殖する菌 ''Streptococcus mutans'' がキシリトールの代謝経路を持たないからです。虫歯菌を積極的に減らすことはしませんが、増殖させない予防と考えればよいでしょう。 | ||
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+ | D,L体ともにペントース尿症の患者の尿中に存在することでも知られます。 | ||
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+ | * A Hiller, J Biol Chem, 1917;30:129] [http://www.jbc.org/content/30/1/129.full.pdf PDF] | ||
+ | * [Lane AB, Biochem Genet, 1985;23:61] PMID: 3994659 | ||
+ | * Mitsuhashi S, J Biol Chem, 1953;204:1011 PMID 13117877 | ||
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− | α-D-ribulose | + | α-D-ribulose 生化学の教科書では、グルコースの代謝(ペントースリン酸経路における ribulose 5-phosphate)や光合成 (ribulose-1,5-diphosphate; RuBP)で使われる糖です。 |
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+ | L体は天然に存在しないとされていますが、Escherichia coli(大腸菌)にL-Ribose-positive mutantが存在するとの報告もあります。 | ||
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+ | * Cohen S, J Biol Chem, 1953;201:71 PMID 13044776 | ||
+ | * Trimbur DE, J Bacteriol, 1991;173:2459 PMID 1849507 |
Latest revision as of 21:00, 3 October 2011
Contents |
[edit] 5炭糖のアルドース
アルデヒド基を持つアルドースは不斉炭素を 3 つ持つので 8 つの異性体があります。天然に存在するのは主にD-ribose, D-xylose, L-arabinoseです。
- 参考文献
- Zemek J, Folia Microbiol (Praha), 1975;20:467 PMID 285
[edit] D-ribose
- 参考文献
- Ward PF, Nature, 1952;170:936 PMID 13013273
- Berger L, J Org Chem, 1946;11:91 PMID 21013440
[edit] D-xylose
α-D-xylose 和名を木糖といい、植物に多いヘミセルロース(多糖類)の一種、キシランの構成成分です。植物ゴム、粘質多糖類の成分としても、植物界に広く分布します。Xylとはギリシャ語で木を意味し、木琴は英語でxylophoneといいます。工業的にはキシランを加水分解して得られます。この糖を酵素で異性化させたケトース版がキシルロース(xylulose)です。 L体は天然に存在しません。 |
- 参考文献
- Whistler RO, J Am Chem Soc, 1949;71:1476 PMID 18128370
- Mitsuhashi S, J Biol Chem, 1953;204:1011 PMID 13117877
- Anderson RL, J Biol Chem, 1962;237:296 PMID 13861292
[edit] L-arabinose
α-L-arabinose 植物ヘミセルロース(多糖類)の一種、アラビノキシランを分解して得られます。アラビアゴム等の植物ゴム、粘質多糖類、配糖体の成分です。ブドウやとうもろこしにも含まれます。 D体は希少糖でLiliaceae科(ユリ科)植物の配糖体、結核菌由来の多糖の成分です。 |
- 参考文献
- White EV, J Am Chem Soc, 1947;69:715 PMID 20289468
- Koser SA, J Bacteriol, 1937;33:587 PMID 16560026
- Cosmetic Ingredient Review Expert Panel, Int J Toxicol, 2007;26:1 PMID 17613130
[edit] D-lyxose
lyxoseはxyloseの名前をひっくり返してつけられました。L体は希少糖で、抗生物質Clamycinの成分です。D体は天然に存在しません。 |
- 参考文献
- Anderson RL, J Biol Chem, 1962;237:296 PMID 13861292
- Marshall LM, J Chromatogr, 1964;15:97 PMID 14197019
[edit] 5炭糖のケトース
ケトースで有名なのはxyloseと対になるxylulose、そしてriboseと対になるribuloseです。
[edit] D-xylulose
- 参考文献
- A Hiller, J Biol Chem, 1917;30:129] PDF
- [Lane AB, Biochem Genet, 1985;23:61] PMID: 3994659
- Mitsuhashi S, J Biol Chem, 1953;204:1011 PMID 13117877
[edit] D-ribulose
α-D-ribulose 生化学の教科書では、グルコースの代謝(ペントースリン酸経路における ribulose 5-phosphate)や光合成 (ribulose-1,5-diphosphate; RuBP)で使われる糖です。 L体は天然に存在しないとされていますが、Escherichia coli(大腸菌)にL-Ribose-positive mutantが存在するとの報告もあります。 |
- 参考文献
- Cohen S, J Biol Chem, 1953;201:71 PMID 13044776
- Trimbur DE, J Bacteriol, 1991;173:2459 PMID 1849507