Tochimoto:Ginseng Radix

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| ''P. notoginseng''(Burk.) F. H.Chen の根とされている。生干人参に類似しているが、皮層の樹脂道は径が大きい。形成層は不明瞭であり、道管は単独または2個が放射状に配列している。
 
| ''P. quinquefolium'' の根とされている。生干人参(中国産)によく類似している。
 
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Revision as of 17:33, 29 November 2010

Contents

人 参:紅 参

『日本薬局方 第15改正(JP15)』

  • 人参:GINSENG RADIX
オタネニンジン Panax ginseng C. A. MeyerPanax schinseng Nees)(Araliaceae)の細根を除いた根またはこれを軽く湯通ししたものと規定されている。
  • 紅参:GINSENG RADIX RUBRA
細根を除いた根を蒸したものと規定されている。

『中華人民共和国薬典 2005年版』

  • 人参:RADIX ET RHIZOMA GINSENG
人参 Panax ginseng C. A. Meyer の干燥した根および根茎と規定されている。
  • 紅参:RADIX ET RHIZOMA GINSENG RUBRA
栽培品を蒸したあと干燥させた根および根茎と規定されている。

『大韓薬典 第9改正』

  • 인삼 人参:GINSENG RADIX
인삼 Panax ginseng C. A. Meyerの根でそのまま、または少しコルク層を取り除いたものと規定されている。
  • 홍삼 紅参:GINSENG RADIX RUBRA
根を蒸したものと規定されている。


市場流通品と現状

野山人参

野生品である「野山人参」は極めて稀に生産されるが、非常に高価で博物学的価値や、信仰的、霊薬的な要素で売買される。一般的に薬用として使用されるのは栽培品の「園参」である。苗を山に移植して自然に成育させた「移山参」が野山人参の代用品として生産されている。

薬用人参は薬用部位ではない残茎(竜頭・芦頭)を付けたまま加工する。これは1年1節と言われる竜頭の節で成育年数がわかることからで、野山人参には根より長い竜頭を持つものもある。

参考資料 
昭和初期に当時の政府が告示した「薬用人参公定価格」

薬用人参は「人参」と「紅参」に分類し、次に形態・色調など経験的鑑別により「天」「地」「人」「花」などの等級分けと、製品600gあたりの本数(根数)による(15根、20根、30根、40根、50根、60根など)太さで区別される。規格品以外は生干人参と同様に雑参として取扱われ、根数分けはされない。

人参類

加工方法により、「白参」「生干人参(キボシニンジン)」「東洋参(御種人参(オタネニンジン))」および加工で除かれる「髭人参」に分けられる。人参の等級は太さ、外部形態、表皮の色調などで決められる。

白参

水参(掘り上げたままの新鮮な人参)から細根(鬚根)を除去し、竹製のヘラで表皮を剥ぎ日干ししたものである。韓国の錦山地区では尾部の曲げ込み調整をする曲参を、豊基地区では尾部を曲げずに調整する直参の2通りの白参が生産されている。白参は韓国と日本で生産されるが、日本での生産は生産量の減産と加工業者の減少で近年途絶えている。

生干人参

水参から細根(鬚根)を除き、そのまま陰干ししたものである。生干人参の生産は韓国が一番多く品質的にも安定していたが、現在は日本の生産指導によって、中国産が市場の大半を占めている。韓国・日本では生干人参用に栽培した通常4年根の水参を加工するが中国では紅参用に栽培した5~6年根の細いものや、規格外の水参を使用する事が多い。生干人参には太い側根だけを集めた「皮中尾」の規格があり、2年生の間引き苗を乾燥した「春尾」と呼ばれる小さな生干人参が混じることが多い。

東洋参(御種人参)
東洋参 雲州製参:会興社

水参から細根(鬚根)を除去し、熱湯でデンプンを糊化して長期保存に適するように加工したものである。日本では「御種人参」、中国では「大力参」、韓国では「太極参」と呼ばれる湯通し人参である。 湯通し人参は日本で考案された加工方法で、「東洋参」の名で中国、東南アジア、香港などに戦前から大量に輸出されていた。日本で生産される薬用人参は、江戸時代に幕府から栽培用に種子が賜興されて栽培されたため、御種(貴い種の意)人参と呼ばれるようになった。商品名の「御種人参」といえば市場では湯通し人参を指し、植物名のオタネニンジンは薬用人参のP. ginseng 全般を指す。

鳳記壹觔:会津

御種人参で高く評価された「雲州製参」は島根県大根島が発祥の地であるが、島根県での人参生産は激減し、近年は福島県会津で輸出用として生産される御種人参が主流を占めているが、国産の御種人参は価格が高く、国内ではほとんど消費されない。一部の低級品と中国からの輸入品が日本市場では使用されている。

人参の加工調製は、加工場によって加工技術に差があり、加工場の名称をブランド名とする。例えば、大根島の東洋参(御種人参)を加工している「会興社」、長野県の紅参を加工している「長興社」というブランド名がある。

  • 東洋参の加工方法
【雲州製参】 約85℃の熱湯に8~10分間入れ、湯の浸透後、火力乾燥によって根の形を三角型に乾燥する。
【信州製参】 旧製とも称し、雲州製に比べ湯通し時間短く、手もみまたは板もみによって根の形を丸型に加工する。

紅参類

高麗人参:北朝鮮開場 紅参:韓国

紅参は基本的には6年生の水参を蒸気によって蒸し、デンプンを糊化させ長期保存に適するように加工したもので、「高麗参」の名で北朝鮮開城の特産物として中国、東南アジア、香港などに輸出されていた。白色の水参に比べ紅色に変化するため、紅参の名がある。紅参の製法は国際市場で薬用人参として高く評価され、東洋参(御種人参)と呼ばれる雲州製法などよりも紅参が高値で売買されるようになったため、各国で紅参が作られるようになった。

紅参:中国

紅参の商品規格は一般的に次のように等級分けと根数で区別される。

規格品: 
「天(1級)」「地(2級)」「人(3級)」などの等級と根数(10根、15根、20根、25根、30根、など)
等外品:
細紅参 40根以上の細い紅参、生産国によって80根まで規格品とする
太肉折 紅参製品の製造時に除去される髭根を外した太い側根      
細肉折 紅参製品の製造時に除去される髭根を外した細い側根 
紅 髭(紅毛) 紅参の細根だけを集めたもの
束 毛 髭根をつけた細い側根を束ねたもの
玉 参 主根の長さが極端に短く、胴が球形になっている紅参
虎 参 所々に腐った部分など変色した所がある紅参
枯 参 軽質で根の肉質が枯れたような紅参

注:高麗人参の製法は乾燥した紅参の側根を切りそろえ、プレスして松材の木箱に入れた後、缶包装する。これにより、香り高い紅参ができ、虫害も防げるため、すべての缶紅参はこの製法で作られている。

竹節人参

竹節人参

トチバニンジンP. japonicusの根茎を薬用部位にしている。前記の薬用人参は全て肥大した根を使うが、トチバニンジンは根が肥大せず根茎が発達するため、根茎が薬用部位として使われ、日本特有の薬用人参といえる。吉益東洞は小柴胡湯の人参は竹節人参を使うべきだといい、古方派の漢方処方で使われることが多い。

西洋人参

西洋人参

西洋人参(広東人参)は香港、東南アジアなどでは薬用人参として前記人参と同様に扱われているが、西洋人参は基原植物がアメリカニンジン P. quinquefolium でオタネニンジン P. ginseng とは異なり、日局には収載されていない。西洋人参は基本的には生干人参で野山人参のように主根の胴体に横縞があるのが特徴で野参型とされ、香港、東南アジア等で高く評価されている。

以前、生干人参には「筋物」と呼ばれる胴体に横縞が有る「横筋玉」「横筋長」の規格が存在し、高値で取引されていた。これは香港市場で西洋人参として販売されたようである。


生産加工状況

長野県:信州紅参生産

現在、長野県では紅参用の5・6年根が栽培されている。価格の低迷、栽培者の減少、高齢化などで生産量は減少し、2009年の生産量は乾燥状態の人参で1000kg/年を下回る状況である。

人参の栽培は植え付けの1年前から土壌消毒など土作りを行い、苗床で育種し2年苗を定植する。掘り上げは定植後5・6年で、その間に病気などで畑が全滅することもある。

紅参加工
1994年の受入規格

9月初旬から生産者よって水参は加工工場(信州人参センター)に運ばれ、重量と等級検査を受ける。これによって一部仮払い金が支払われ、最終紅参などとして販売が完了した後に精算金が生産者に渡される。最近は集荷される水参の減少で厳密な規格分けができず、受け入れ規格は緩和されている。

2007年以降の受入規格

集荷された水参は表皮が軟らかくなるまで冷蔵倉庫(2~5℃)で保管された後、大きさで仕分けされ、ある程度側根は切り落とされ蒸し工程に入る。

太い人参は水分が多いため、蒸し工程中に水分膨張で表皮が割れて傷が入る「蒸かし割れ」と言われることが起こりやすい。そのため胴体に布を巻きつける「帯巻き」といわれる作業を行う。

蒸し工程は約95℃で約6時間、その後1次乾燥機で60℃の4時間と40℃の6時間の2回の乾燥工程、2次乾燥は40℃のスチーム乾燥室で約1ヶ月かけて乾燥する。

福島県:御種人参・髭人参生産

会津人参は主に御種人参の生産で5年栽培である。信州の生産地と比べて密植で、水参の太さも若干細い。栽培地も水田跡などの平地で、人参小屋は鉄パイプの寒冷紗(カンレイシャ:遮光、保温、防霜、防虫などを目的として、植物の上にかけるために粗く織られた布のこと)で掘り上げなどは機械化が進んでいる。会津は1年生の苗を移植し、4年後に掘り上げる。主に髭根を除去して御種人参に加工され、太いものは紅参に加工される。

御種人参・髭人参の加工

中国 生干人参の生産

中国の産地は東北3省の吉林省・遼寧省・黒竜江省で行われているが、農薬汚染の問題で低農薬の人参生産は黒竜江省が主流になっている。人参小屋の形態が日本・韓国と違うが移植栽培など基本的に栽培方法は変わらない。

韓国 生干人参生産

韓国の人参栽培は「錦山」と「豊基」の2大産地がある。錦山は主に4年生の生干人参と曲参を、豊基は主に5・6年生の直参、太極参、紅参などを生産している。以前は太極参、紅参などは韓国政府の専売品として人参公社の管理下にあったが、民営化後は各地で太極参、紅参が生産されるようになった。

西洋人参栽培:中国河北省豊寧

中国各地で西洋人参の栽培が行われている。多くが香港などの華僑資本が投入されており、非常に管理された栽培地である。

理化学的品質評価

人参 : 産地&規格別理化学試験 DATA
対象:1985年~2009年市場品(一部、蒐集サンプルを含む) Mean±SD(%)
産地&規格 検体数 灰分
4.2%以下
乾燥減量
14.0%以下
希エタノールエキス含量
14.0%以上
韓国ALL 260 3.7 ±0.3 11.6 ±1.3 26.9 ±4.8
韓国・生干 112 3.7 ±0.3 11.8 ±1.4 29.5 ±3.9
韓国・曲参 123 3.6 ±0.3 11.6 ±1.1 23.8 ±3.2
日本ALL 68 4.0 ±0.7 10.3 ±1.7 37.0 ±7.4
中国ALL 153 3.6 ±0.5 11.2 ±1.5 31.8 ±5.9
吉林 75 3.5 ±0.4 11.2 ±1.4 32.2 ±5.6
黒龍江 26 4.0 ±0.8 10.3 ±1.3 31.9 ±4.1
遼寧 14 4.0 ±0.5 12.8 ±2.0 32.9 ±5.1
湯通人参ALL 96 3.4 ±0.4 12.4 ±1.7 37.4 ±4.4
日本 53 3.6 ±0.4 11.8 ±1.3 37.9 ±4.5
中国 35 3.1 ±0.3 13.5 ±1.8 37.7 ±4.1
毛人参(鬚人参) 46 6.4 ±0.8 10.4 ±1.3 39.8 ±4.5


韓国ALL,日本ALL,中国ALLの比較
灰分 
日本ALL > 韓国ALL, 中国ALL ( p < 0.05 )
希エタノールエキス含量 
日本ALL > 中国ALL > 韓国ALL ( p < 0.05 )
韓国・生干と韓国・曲参の比較
灰分 
韓国・生干と韓国・曲参に有意差無し.
希エタノールエキス含量 
韓国・生干 > 韓国・曲参 ( p < 0.05 )
紅参:産地&規格別理化学試験 DATA Mean±SD(%)
産地&規格 検体数 灰分
4.5%以下
乾燥減量
15.5%以下
希エタノールエキス含量
18.0%以上
日本ALL 295 3.7 ±0.4 12.9 ±1.9 47.7 ±4.3
長野 243 3.7 ±0.4 13.1 ±1.9 48.2 ±4.2
福島 42 3.5 ±0.3 11.6 ±1.3 45.2 ±4.2
中国ALL 123 3.3 ±0.4 12.5 ±1.8 40.5 ±3.0
吉林 55 3.1 ±0.3 12.1 ±1.5 41.3 ±2.9
黒龍江 12 3.3 ±0.4 13.4 ±2.0 39.5 ±2.3
紅 毛 58 5.5 ±1.0 11.3 ±1.9 40.3 ±3.0
日本ALLと中国ALLの比較
灰分 
日本ALL > 中国ALL ( p < 0.05 )
希エタノールエキス含量 
日本ALL > 中国ALL ( p < 0.05 )
日本産 : 人参と湯通人参と紅参の比較
灰分 
人参 > 紅参, 湯通人参 ( p < 0.05 )
希エタノールエキス含量 
紅参 > 湯通人参, 人参 ( p < 0.05 )
中国産 : 人参と湯通人参と紅参の比較
灰分 
人参 > 紅参 > 湯通人参 ( p < 0.05 )
希エタノールエキス含量 
紅参 > 湯通人参 > 人参 ( p < 0.05 )
産地&規格別理化学試験 DATA
対象:2005年~2009年市場品(一部、蒐集サンプルを含む) Mean±SD(%)
産地&規格 検体数 ginsenoside Rg1
0.10%以上
ginsenoside Rb1
0.20%以上
人参:韓国ALL 13 0.267 ±0.059 0.483 ±0.136
   韓国・生干 6 0.303 ±0.048 0.520 ±0.151
   韓国・曲参 7 0.236 ±0.051 0.452 ±0.124
人参:中国ALL 61 0.368 ±0.092 0.618 ±0.201
   吉林 42 0.359 ±0.094 0.568 ±0.159
  黒龍江 13 0.407 ±0.090 0.732 ±0.237
人参:湯通人参ALL 20 0.376 ±0.057 0.575 ±0.149
   日本 10 0.386 ±0.063 0.629 ±0.131
   中国 10 0.366 ±0.051 0.522 ±0.152
紅参:日本ALL 34 0.337 ±0.059 0.640 ±0.275
   長野 20 0.346 ±0.058 0.624 ±0.309
  福島 8 0.335 ±0.064 0.744 ±0.202
紅参:中国ALL 15 0.327 ±0.068 0.583 ±0.307
  吉林 8 0.345 ±0.077 0.524 ±0.112
  黒龍江 4 0.271 ±0.031 0.440 ±0.034
人参 : 韓国ALL,中国ALLの比較

ginsenoside Rg1 : 中国ALL > 韓国ALL.

ginsenoside Rb1 : 中国ALL > 韓国ALL ( p < 0.05 )

紅参 : 日本ALL,中国ALLの比較

ginsenoside Rg1,ginsenoside Rb1 ともに日本ALLと中国ALLで有意差無し.

韓国・生干と韓国・曲参の比較

ginsenoside Rg1 : 韓国・生干 > 韓国・曲参 ( p < 0.05 ). ginsenoside Rb1は有意差無し.

中国産 : 人参と湯通人参と紅参の比較

ginsenoside Rg1,ginsenoside Rb1 ともにいずれも有意差無し.

産地&規格別 成分含量mean グラフ1

(ginsenoside Rg1:赤, ginsenoside Rb1:青 )

対象:2005年~2009年市場品(一部、蒐集サンプルを含む)

グラフ1

内部形態:鏡検

JP15:内部形態についての記載はない。

生薬の性状

本品は細長い円柱形~紡錘形を呈し、しばしばなかほどから2~5本の側根を分枝し、長さ5~20cm、主根は径0.5~3cm、外面は淡黄褐色~淡灰褐色を呈し、縦じわ及び細根の跡がある。根頭部はややくびれて短い根茎を付けることがある。折面はほぼ平らで、淡黄褐色を呈し、形成層の付近は褐色である。 本品は特異なにおいがあり、味は初めわずかに甘く、後にやや苦い。

皮層に樹脂道が、同心円状に断続した環状を示している。形成層は明瞭で、木部の道管はほぼ単列に放射状に配列している。髄は認められない。

ほとんどのウコギ科の植物には、シュウ酸カルシウムの集晶があり、トチバニンジン属(Panax属)においてもすべて認められる。

シュウ酸カルシウムの集晶
Tochimoto-Ginseng-cmt383.jpg

生干人参&曲参

生干人参について

内部形態は基本的に類似し、中国産,韓国産の産地による違いはほとんど認められない。 日本産(信州産)のみ、道管が幾分集合していて単列の乱れが見られる。

曲参について

内部形態は生干人参とほぼ同じ。

生干人参<日本・信州> 生干人参<中国黒竜江省> 生干人参<韓国> 曲参<韓国>
Tochimoto-Ginseng-生干(信州)PICT-J.jpg Tochimoto-Ginseng-生干(中国)-PICT-J.jpg Tochimoto-Ginseng-生干(韓国)PICT-J.jpg Tochimoto-Ginseng-曲参(韓国)-J.jpg

紅参

紅参(信州)について

放射状の木部において、生干人参(信州)と比べて道管の集合が誇大されている。 でんぷん粒は完全に糊化している。 根の中央部の内部形態は、単茎根、多茎根で差異は認められない。

紅参(黒竜江省)について

生干人参(黒竜江省)と比べて道管列が放射状に長く伸びている。 紅参(信州)と同様に、でんぷん粒は完全に糊化している。

紅参(単茎根)<信州> 紅参(多茎根)<信州> 紅参<中国黒竜江省>
Tochimoto-Ginseng-単茎根(信州)-PICT-J.jpg Tochimoto-Ginseng-多茎根(信州)PICT-J.jpg Tochimoto-Ginseng-紅参・黒竜江-PICT-J.jpg

竹節人参

竹節人参の内部形態について

根茎であり、髄が存在する。 日本産、中国産のいずれも、繊維群が見られるものと繊維群が存在しないものがある。

竹節人参
<九州>
竹節人参
<九州>
竹節人参
<九州>
竹節人参
<山形県>
竹節人参
<湖北省>
Tochimoto-Ginseng-竹人(九州)-PICT-J.jpg Tochimoto-Ginseng-竹人(サポニン)①-PICT-J.jpg Tochimoto-Ginseng-竹人(サポニン)②-PICT-J.jpg Tochimoto-Ginseng-竹人(山形)-PICT-J.jpg Tochimoto-Ginseng-竹人(湖北)-PICT-J.jpg
竹節人参の直根

中国(湖北省)では、生干人参に類似する。道管は、形成層付近以外でほとんど単独に存在し、放射状に配列している。 日本産では、中国産に比べて直根が大きくないため、道管が数個集合しているのが認められる。

竹節人参(直根)
<中国黒竜江省>
竹節人参(直根)
<九州>
珠子参
<中国黒竜江省>
Tochimoto-Ginseng-竹人(湖北・直根)PICT-J.jpg Tochimoto-Ginseng-竹人(サポニン・直根)PICT-J.jpg Tochimoto-Ginseng-竹人(雲南)-PICT-J.jpg

珠子参

珠子参について

中国人民共和国薬典(1995)で、 「珠子参 P. japonicus C. A. Mey. var. major (Burk.)C. A. Wu et K. M. Fengまたは羽葉三七 P. japonicus C. A. Mey. var. bipinnatifidus (Seem.) C. A. Wu et K. M. Fengの干燥した根茎」と規定している。 このvar. majorは、中国植物志第53巻(1979)および中国高等植物図鑑 補編第2冊(1983)で、P. japonicusに同一種として包含している。  また、P. japonicus、その変種var. bipinnatifidusP. pseudo-ginseng Wall.などの地下部は、竹鞭状根茎、連珠状根茎または同一個体で竹鞭状,連珠状根茎をもつものが認められている。 中国で、竹節参,珠子参というのは商品であって、これらのトチバニンジン属(Panax属)の根茎が竹鞭状のものまたは連珠状のものかによって、分けられているようである。

その他の人参類生薬

毛人参
<会津>
芦頭
<信州>
田三七
<中国雲南省>
広東人参
Tochimoto-Ginseng-毛人参 -PICT-J.jpg Tochimoto-Ginseng-芦頭(信州)-PICT-J.jpg Tochimoto-Ginseng-田三七- PICT-J.jpg Tochimoto-Ginseng-広東人参 -PICT-J.jpg
根茎であって、木部に繊維群が存在し、中央に髄がある。 P. notoginseng(Burk.) F. H.Chen の根とされている。生干人参に類似しているが、皮層の樹脂道は径が大きい。形成層は不明瞭であり、道管は単独または2個が放射状に配列している。 P. quinquefolium の根とされている。生干人参(中国産)によく類似している。

紅参(竜頭)の断面の比較

単茎根 二茎根
Tochimoto-Ginseng-紅参・単茎根 PICT-J.jpg Tochimoto-Ginseng-紅参・二茎根 PICT-J.jpg
三茎根 四茎根
Tochimoto-Ginseng-紅参・三茎根 PICT-J.jpg Tochimoto-Ginseng-紅参・四茎根 PICT-J.jpg
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