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基礎代謝物分類方法
基礎代謝物データベースで用いられる12桁のIDは以下のような意味を持つ。 先頭8桁はそれぞれ2桁ごとに区切られ(順に 1st, 2nd, 3rd, 4thクラス)、それぞれ化合物の属するクラスを示す。
- 1st: BM 固定となり基礎代謝物であることを示す。
- 2nd: 化合物の大まかな構造、組成による分類
- 3rd, 4th: 2nd クラスをさらに分類する。基幹構造、分子構造の特徴、共通点による。
9桁目は上位8桁では表現されていない修飾基、付加構造などを示す。 (注)あくまでおまけ。 10-12桁目はそのクラス内での通し番号(特に意味は持たせていない。現状(初期状態)は体系名順)
以下、各クラスについての解説
BMIO inorganics 無機化合物
BMIOOX-- oxidized elements 炭素を含まない酸化物
- 酸素、水などの代謝活動の基盤となる分子(嫌気性細菌は除く)
BMIOMT-- metals and halogens 金属元素、ハロゲン化合物
- 金属元素は単体として存在するほか、核酸やタンパク質などに配位結合し存在する。
- ナトリウム、カリウム、カルシウムなどは細胞内の膜電位、pH、浸透圧などの調整に関わる。
- 銅、鉄、亜鉛などは、電子伝達体として働き、生体内の化学反応の多くに関わる。
- 存在量は制御されており、欠乏、過剰摂取は疾病につながる。
- 一般にミネラルと呼ばれる栄養素のひとつである。
BMIONT-- nitrogen compounds 窒素化合物
- アンモニアなどの無機窒素化合物。
- 窒素分子が窒素固定や窒素同化により無機窒素化合物に変換される。
- 植物では無機化合物からアミノ酸が合成される。
BMIOPP-- phosphates 無機リン酸化合物
- リン酸はDNA、RNA、ATPなどの重要な生体分子を構成する要素である。
BMIOSF-- sulfates 硫黄化合物
- 硫酸などの無機硫黄化合物
- 硫酸は種々の化合物と硫酸塩を作り可溶化させる。
- 硫化物を構成する。
BMAA amino acids アミノ酸
タンパク質構成アミノ酸、炭素鎖以外による修飾物、異性体(D体、L体、βアミノ酸)などがBMAAに分類される。BMAAには含まれないアミノ酸、アミノ酸誘導体、ペプチドはBMAXに含まれる。
3rdクラスは側鎖の種類により鎖状アミノ酸(BMAASn)、分岐アミノ酸(BMAABn)、環状アミノ酸(BMAACC)に分けられる。また鎖状、分岐はその炭素鎖の長さによりさらに分類される。4thクラスは側鎖の官能基により分類される。
BMAX amino acid derivatives アミノ酸誘導体
BMAAには含まれないアミノ酸、アミノ酸誘導体、ペプチドがBMAXに含まれる。3rd, 4thクラスの分類方法はBMAAの場合と同じである。ペプチドはジペプチド(BMAXDP--)、トリペプチド(BMAXTP--)に分けられる。
BMFY fatty acyls 有機酸、関連物質
このクラスは有機酸、脂肪酸関連物質を集めたものであるが、それ以外の物質も含まれる(アルコール、、アルデヒド、アミンなど)。 主として特定の基幹構造を持たない化合物群である。 3rdクラスでは分子の形状(直鎖型か分岐型)および炭素鎖(主鎖)の長さという項目で分類される(BMFYSn,BMFYBn)。 4thクラスはその分子の主要な官能基(C1に結合している官能基)を示す。
4thクラスの一覧
- CA: carboxylic acid カルボン酸
- DA: dicarboxylic acid ジカルボン酸
- SA: semialdehyde セミアルデヒド
- AL: aldehyde アルデヒド
- HO: alchol hydroxy アルコール
- AM: amide アミド
- AN: amine and other nitrous functional group(cyano, nitrile, nitro) アミンとその他の含窒素官能基
- PH: phosphate リン酸
- SF: sulfur containing functional group チオール、スルホン酸などの含硫黄官能基
- KT: ketone ケトン
- HL: halogens ハロゲン
- MT: metals 金属
- ES: ester エステル
- ET: ether エーテル