Tochimoto:Zingiberis Rhizoma

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生姜、乾姜はショウガ科のショウガ Zingiber officinale Roscoeの根茎を基原とする。日本市場では生姜は外皮を去り乾燥するか、外皮を付けたまま切片状にスライスして乾燥したもので、乾姜は外皮を付けたまま湯通し、もしくは蒸した後乾燥したものである。生姜は辛温解表・鎮嘔薬として、乾姜は温中散寒・止痛薬として、多くの漢方方剤に配合されている。中国と韓国では、乾燥させていない新鮮なものを生姜、そのまま乾燥させたものを乾姜としており日本市場品とは名称が異なる。中国には、更に別に「均姜」「炮姜」と称するものもある。
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==生姜、乾姜==
神農本草経には「生姜」という名称では収載はなく、「乾姜」として中品に収載されており、「生の者尤も良し」という記載がある。一方、名医別録には「生姜」が収載され、「九月に採る」との記載しかないため、こちらは新鮮なショウガのようである。
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『日本薬局方 第15改正(JP15)』
 
『日本薬局方 第15改正(JP15)』
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* 日本薬局方では、ショウガの新鮮な根茎は収載されていない。
 
* 日本薬局方では、ショウガの新鮮な根茎は収載されていない。
【市場流通品と現状】
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==市場流通品と現状==
 
 乾燥したショウガは主に食品用として、中国、タイ、台湾、インドなどから、年間約30,000トン輸入されている。日本市場で薬用に用いられるのは中国産生姜で、皮を去って乾燥した「生姜塊」と、湯通しもしくは蒸した後に乾燥した「赤肉乾姜」がある。中国南部の各省で生産され、以前は硫黄燻蒸で漂白した生姜が主に流通していたが、残留二酸化硫黄やオゾン層破壊などが問題となり、現在では無硫黄(硫黄燻蒸を施していない)生姜が輸入され、外観色が少し褐色を帯びている。
 
 乾燥したショウガは主に食品用として、中国、タイ、台湾、インドなどから、年間約30,000トン輸入されている。日本市場で薬用に用いられるのは中国産生姜で、皮を去って乾燥した「生姜塊」と、湯通しもしくは蒸した後に乾燥した「赤肉乾姜」がある。中国南部の各省で生産され、以前は硫黄燻蒸で漂白した生姜が主に流通していたが、残留二酸化硫黄やオゾン層破壊などが問題となり、現在では無硫黄(硫黄燻蒸を施していない)生姜が輸入され、外観色が少し褐色を帯びている。
*生 姜
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===生 姜===
 
生姜は中国雲南省、貴州省、広西壮族自治区などの産地があり、特に雲南生姜は肉厚で良品とされているが、生薬を鑑別して産地を特定するのは困難で、産地による優劣よりも生産単位による品質差が大きい。
 
生姜は中国雲南省、貴州省、広西壮族自治区などの産地があり、特に雲南生姜は肉厚で良品とされているが、生薬を鑑別して産地を特定するのは困難で、産地による優劣よりも生産単位による品質差が大きい。
  
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
特殊な生姜として辛味が強いといわれる日本産の金時ショウガを、皮付きで乾燥した「金時生姜」も、少量流通している。皮付きで乾燥したインド産なども、漢方エキス製剤の原料に用いられることがある。
 
特殊な生姜として辛味が強いといわれる日本産の金時ショウガを、皮付きで乾燥した「金時生姜」も、少量流通している。皮付きで乾燥したインド産なども、漢方エキス製剤の原料に用いられることがある。
  
 
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===乾 姜===
 
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*乾 姜
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 「赤肉乾姜」は中国の一部の地区で生産されていた加工方法で、日本で乾姜として流通させたものである。インド、ビルマ産などの乾姜は、中国の加工業者が安価な新鮮ショウガを現地で加工させたもので、中国産として日本に輸入される。
 
 「赤肉乾姜」は中国の一部の地区で生産されていた加工方法で、日本で乾姜として流通させたものである。インド、ビルマ産などの乾姜は、中国の加工業者が安価な新鮮ショウガを現地で加工させたもので、中国産として日本に輸入される。
  
 現在の中国産「赤肉乾姜」は、繊維質が多く内部の色調も光沢のない赤褐色が多いため、良品とはいえない。
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現在の中国産「赤肉乾姜」は、繊維質が多く内部の色調も光沢のない赤褐色が多いため、良品とはいえない。
 
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 インドなど中国周辺地域の加工品は、中国産と比べて小ぶりで肉厚、繊維質も少なく内部の色調は赤褐色の光沢のある濃い飴色で、経験的鑑別において好まれる。日本市場では中国産として流通している。
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インドなど中国周辺地域の加工品は、中国産と比べて小ぶりで肉厚、繊維質も少なく内部の色調は赤褐色の光沢のある濃い飴色で、経験的鑑別において好まれる。日本市場では中国産として流通している。
  
 
乾姜内面色調
 
乾姜内面色調
  
 
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==生産加工状況==
 
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【生産加工状況】
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 薬用のショウガは、3月に種芋を植え付け、11月中旬から12月中旬に掘り上げて乾燥する。
 
 薬用のショウガは、3月に種芋を植え付け、11月中旬から12月中旬に掘り上げて乾燥する。
  
*栽培地:中国広西省金秀瑶族自治県
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===栽培地:中国広西省金秀瑶族自治県===
  
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===皮去り・乾燥工程:中国雲南省羅平県===
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小規模農家の正確な軒数は不明であるが、おそらく生姜を栽培している農民だけでも4万人以上と推測される。平均農地は100~150坪/軒。生産量は新鮮なショウガで約80,000トン/年。
  
*皮去り・乾燥工程:中国雲南省羅平県
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===1997年当時の加工風景===
 小規模農家の正確な軒数は不明であるが、おそらく生姜を栽培している農民だけでも4万人以上と推測される。平均農地は100~150坪/軒。生産量は新鮮なショウガで約80,000トン/年。
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1997年当時の加工風景だが、大きな違いは皮去り作業を全て手作業で行っていたことにより、完全に皮去りができていたことである。
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現在流通している生姜は機械で皮去りを行うため、一部に皮が残っているが、当時の生姜には残皮は見あたらなかった。
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加工に機械が導入されたのは、農業地域の労働者の減少や、賃金の高騰の影響と考えられる。
  
 
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==理化学的品質評価==
*1997年当時の加工風景
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 1997年当時の加工風景だが、大きな違いは皮去り作業を全て手作業で行っていたことにより、完全に皮去りができていたことである。
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 現在流通している生姜は機械で皮去りを行うため、一部に皮が残っているが、当時の生姜には残皮は見あたらなかった。
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 加工に機械が導入されたのは、農業地域の労働者の減少や、賃金の高騰の影響と考えられる。
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【理化学的品質評価】
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TableⅠ 生姜 : 産地別理化学試験 DATA (灰分,酸不溶性灰分,乾燥減量,希エタノールエキス含量)
 
TableⅠ 生姜 : 産地別理化学試験 DATA (灰分,酸不溶性灰分,乾燥減量,希エタノールエキス含量)
 
 
 
 
 
 
 
  
 
対象:1985年~2009年市場品(一部、蒐集サンプルを含む)      Mean±SD(%)
 
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○ 灰分 : 日本ALL > 中国ALL ( p < 0.05 )
 
○ 灰分 : 日本ALL > 中国ALL ( p < 0.05 )
 
○ 希エタノールエキス含量 : 日本ALLと中国ALL に有意差無し
 
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○ 日本ALL > 中国ALL ( p < 0.05 ) 
 
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TableⅡ 乾姜 : 産地別理化学試験 (灰分,酸不溶性灰分,乾燥減量,希エタノールエキス含量)
 
TableⅡ 乾姜 : 産地別理化学試験 (灰分,酸不溶性灰分,乾燥減量,希エタノールエキス含量)
 
 
 
 
  
 
対象:1985年~2009年市場品(一部、蒐集サンプルを含む)      Mean±SD(%)
 
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○ 灰分 : 日本 愛知 > 中国ALL ( p < 0.05 )
 
○ 灰分 : 日本 愛知 > 中国ALL ( p < 0.05 )
 
○ 希エタノールエキス含量 : 日本 愛知 > 中国ALL ( p < 0.05 )
 
○ 希エタノールエキス含量 : 日本 愛知 > 中国ALL ( p < 0.05 )
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  
 
○ [6]-gingerol : 日本 愛知 > 中国ALL ( p < 0.05 ), 中国 広東と広西に有意差無し
 
○ [6]-gingerol : 日本 愛知 > 中国ALL ( p < 0.05 ), 中国 広東と広西に有意差無し
 
○ [6]-shogaol : 中国ALL > 日本 愛知 ( p < 0.1 ), 中国 広東 > 中国 広西 ( p < 0.1 )
 
○ [6]-shogaol : 中国ALL > 日本 愛知 ( p < 0.1 ), 中国 広東 > 中国 広西 ( p < 0.1 )
 
  
 
 生姜と乾姜の比較 
 
 生姜と乾姜の比較 
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○ [6]-gingerol : 生姜 > 乾姜 ( p < 0.05 )
 
○ [6]-gingerol : 生姜 > 乾姜 ( p < 0.05 )
  
 
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==内部形態:鏡検==
【内部形態:鏡検】
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===ショウキョウ===
ショウキョウ
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JP15:内部形態についての記載はない。
 
JP15:内部形態についての記載はない。
<生薬の性状>
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====生薬の性状====
 
本品は偏圧した不規則な塊状でしばしば分枝する。分枝した各部はやや湾曲した卵形又は長卵形を呈し、長さ2~4cm、径1~2cmである。外面は灰白色~淡灰褐色で、しばしば白粉を付けている。折面はやや繊維性、粉性で、淡黄褐色を呈する。横切面をルーぺ視するとき、皮層と中心柱は明瞭に区別され、その全面に維管束及び分泌物が暗褐色の細点として散在する。
 
本品は偏圧した不規則な塊状でしばしば分枝する。分枝した各部はやや湾曲した卵形又は長卵形を呈し、長さ2~4cm、径1~2cmである。外面は灰白色~淡灰褐色で、しばしば白粉を付けている。折面はやや繊維性、粉性で、淡黄褐色を呈する。横切面をルーぺ視するとき、皮層と中心柱は明瞭に区別され、その全面に維管束及び分泌物が暗褐色の細点として散在する。
 本品は特異なにおいがあり、味は極めて辛い。
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本品は特異なにおいがあり、味は極めて辛い。
  
 
●産地による比較
 
●産地による比較
 ●生姜(乾生姜)
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●生姜(乾生姜)
 
○生姜 <中国雲南省>   ○生姜 <中国貴州省>   ○生姜 <日本>       ○生姜 <インド>
 
○生姜 <中国雲南省>   ○生姜 <中国貴州省>   ○生姜 <日本>       ○生姜 <インド>
 
 
  
 
●乾姜
 
●乾姜
カンキョウ
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===カンキョウ===
<生薬の性状>
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====生薬の性状====
 本品は偏圧した不規則な塊状でしばしば分枝する。分枝した各部はやや湾曲した卵形又は長卵形を呈し、長さ2~4cm、径1~2cmである。外面は灰黄色~灰黄褐色で、しわ及び輪節がある。折面は褐色~暗褐色で透明感があり角質である。横切面をルーペ視するとき皮層と中心柱は区分され、全面に維管束が散在する。
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本品は偏圧した不規則な塊状でしばしば分枝する。分枝した各部はやや湾曲した卵形又は長卵形を呈し、長さ2~4cm、径1~2cmである。外面は灰黄色~灰黄褐色で、しわ及び輪節がある。折面は褐色~暗褐色で透明感があり角質である。横切面をルーペ視するとき皮層と中心柱は区分され、全面に維管束が散在する。
 本品は特異なにおいがあり、味は極めて辛い。
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本品は特異なにおいがあり、味は極めて辛い。
  
 本品の横切片を鏡検するとき、外側よりコルク層、皮層、内皮、中心柱が認められる。皮層と中心柱は一層の内皮によって区分される。皮層及び中心柱は柔組織からなり、繊維束で囲まれた維管束が散在する。柔組織中には黄色の油よう物質を含む油細胞が散在し、柔細胞中にはシュウ酸カルシウムの単晶が含まれ、でんぷんはのり化している。
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本品の横切片を鏡検するとき、外側よりコルク層、皮層、内皮、中心柱が認められる。皮層と中心柱は一層の内皮によって区分される。皮層及び中心柱は柔組織からなり、繊維束で囲まれた維管束が散在する。柔組織中には黄色の油よう物質を含む油細胞が散在し、柔細胞中にはシュウ酸カルシウムの単晶が含まれ、でんぷんはのり化している。

Revision as of 02:30, 3 November 2010

Contents

生姜、乾姜

『日本薬局方 第15改正(JP15)』 ・生姜 乾生姜:ZINGIBERIS RHIZOMA  ショウガZingiber officinale Roscoe(Zingiberaceae) の根茎 ・乾姜:ZINGIBERIS PROCESSUM RHIZOMA  ショウガZingiber officinale Roscoe(Zingiberaceae) の根茎を湯通しまたは蒸したもの 以上2種が規定されている。

『中華人民共和国薬典2005年版』 ・生姜:RHIZOMA ZINGIBERIS RECENS  姜Zingiber officinale Rosc.の新鮮な根茎 ・干姜:RHIZOMA ZINGIBERIS  姜Zingiber officinale Rosc.の干燥した根茎 ・炮姜:RHIZOMA ZINGIBERIS PRAEPARATUM  干姜の炮制加工品 以上3種が規定されている。

『大韓薬典 第9改正』 건강 乾薑:ZINGIBERIS RHIZOMA  생강Zingiber officinale Roscoeの根茎を乾燥したものと規定されている。

『大韓薬典外生薬規格集2007年』 ・생강 生薑:ZINGIBERIS RHIZOMA CRUDUS  생강Zingiber officinale Roscoeの新鮮な根茎と規定されている。

* 日本薬局方では、ショウガの新鮮な根茎は収載されていない。

市場流通品と現状

 乾燥したショウガは主に食品用として、中国、タイ、台湾、インドなどから、年間約30,000トン輸入されている。日本市場で薬用に用いられるのは中国産生姜で、皮を去って乾燥した「生姜塊」と、湯通しもしくは蒸した後に乾燥した「赤肉乾姜」がある。中国南部の各省で生産され、以前は硫黄燻蒸で漂白した生姜が主に流通していたが、残留二酸化硫黄やオゾン層破壊などが問題となり、現在では無硫黄(硫黄燻蒸を施していない)生姜が輸入され、外観色が少し褐色を帯びている。

生 姜

生姜は中国雲南省、貴州省、広西壮族自治区などの産地があり、特に雲南生姜は肉厚で良品とされているが、生薬を鑑別して産地を特定するのは困難で、産地による優劣よりも生産単位による品質差が大きい。

特殊な生姜として辛味が強いといわれる日本産の金時ショウガを、皮付きで乾燥した「金時生姜」も、少量流通している。皮付きで乾燥したインド産なども、漢方エキス製剤の原料に用いられることがある。

乾 姜

 「赤肉乾姜」は中国の一部の地区で生産されていた加工方法で、日本で乾姜として流通させたものである。インド、ビルマ産などの乾姜は、中国の加工業者が安価な新鮮ショウガを現地で加工させたもので、中国産として日本に輸入される。

現在の中国産「赤肉乾姜」は、繊維質が多く内部の色調も光沢のない赤褐色が多いため、良品とはいえない。

インドなど中国周辺地域の加工品は、中国産と比べて小ぶりで肉厚、繊維質も少なく内部の色調は赤褐色の光沢のある濃い飴色で、経験的鑑別において好まれる。日本市場では中国産として流通している。

乾姜内面色調

生産加工状況

 薬用のショウガは、3月に種芋を植え付け、11月中旬から12月中旬に掘り上げて乾燥する。

栽培地:中国広西省金秀瑶族自治県

皮去り・乾燥工程:中国雲南省羅平県

小規模農家の正確な軒数は不明であるが、おそらく生姜を栽培している農民だけでも4万人以上と推測される。平均農地は100~150坪/軒。生産量は新鮮なショウガで約80,000トン/年。

1997年当時の加工風景

1997年当時の加工風景だが、大きな違いは皮去り作業を全て手作業で行っていたことにより、完全に皮去りができていたことである。 現在流通している生姜は機械で皮去りを行うため、一部に皮が残っているが、当時の生姜には残皮は見あたらなかった。 加工に機械が導入されたのは、農業地域の労働者の減少や、賃金の高騰の影響と考えられる。

理化学的品質評価

TableⅠ 生姜 : 産地別理化学試験 DATA (灰分,酸不溶性灰分,乾燥減量,希エタノールエキス含量)

対象:1985年~2009年市場品(一部、蒐集サンプルを含む)      Mean±SD(%)

○ 灰分 : 日本ALL > 中国ALL ( p < 0.05 ) ○ 希エタノールエキス含量 : 日本ALLと中国ALL に有意差無し

○ 日本ALL > 中国ALL ( p < 0.05 )  ○ 日本 : 愛知と静岡に有意差無し ○ 中国 : 広西 > 貴州,雲南 ( p < 0.05 ) 

TableⅡ 乾姜 : 産地別理化学試験 (灰分,酸不溶性灰分,乾燥減量,希エタノールエキス含量)

対象:1985年~2009年市場品(一部、蒐集サンプルを含む)      Mean±SD(%)

○ 灰分 : 日本 愛知 > 中国ALL ( p < 0.05 ) ○ 希エタノールエキス含量 : 日本 愛知 > 中国ALL ( p < 0.05 )

○ [6]-gingerol : 日本 愛知 > 中国ALL ( p < 0.05 ), 中国 広東と広西に有意差無し ○ [6]-shogaol : 中国ALL > 日本 愛知 ( p < 0.1 ), 中国 広東 > 中国 広西 ( p < 0.1 )

 生姜と乾姜の比較  ○ 灰分 : 乾姜 > 生姜 ( p < 0.05 ) ○ 希エタノールエキス含量 : 有意差無し ○ [6]-gingerol : 生姜 > 乾姜 ( p < 0.05 )

内部形態:鏡検

ショウキョウ

JP15:内部形態についての記載はない。

生薬の性状

本品は偏圧した不規則な塊状でしばしば分枝する。分枝した各部はやや湾曲した卵形又は長卵形を呈し、長さ2~4cm、径1~2cmである。外面は灰白色~淡灰褐色で、しばしば白粉を付けている。折面はやや繊維性、粉性で、淡黄褐色を呈する。横切面をルーぺ視するとき、皮層と中心柱は明瞭に区別され、その全面に維管束及び分泌物が暗褐色の細点として散在する。 本品は特異なにおいがあり、味は極めて辛い。

●産地による比較 ●生姜(乾生姜) ○生姜 <中国雲南省>   ○生姜 <中国貴州省>   ○生姜 <日本>      ○生姜 <インド>

●乾姜

カンキョウ

生薬の性状

本品は偏圧した不規則な塊状でしばしば分枝する。分枝した各部はやや湾曲した卵形又は長卵形を呈し、長さ2~4cm、径1~2cmである。外面は灰黄色~灰黄褐色で、しわ及び輪節がある。折面は褐色~暗褐色で透明感があり角質である。横切面をルーペ視するとき皮層と中心柱は区分され、全面に維管束が散在する。 本品は特異なにおいがあり、味は極めて辛い。

本品の横切片を鏡検するとき、外側よりコルク層、皮層、内皮、中心柱が認められる。皮層と中心柱は一層の内皮によって区分される。皮層及び中心柱は柔組織からなり、繊維束で囲まれた維管束が散在する。柔組織中には黄色の油よう物質を含む油細胞が散在し、柔細胞中にはシュウ酸カルシウムの単晶が含まれ、でんぷんはのり化している。

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