Tochimoto:Pinelliae Tuber
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==市場流通品と現状== | ==市場流通品と現状== | ||
戦前は日本国内でも採集されていたが、現在は北海道などで少量栽培されているに過ぎない。韓国から輸入されて流通したことはあるが、現在は中国産が市場を占めている。半夏の等級は粒の大きさで特級(150-180粒/500g)、甲級(350-400粒/500g)、乙級(700-800粒/500g)、丙級(1350-1500粒/500g)、珍珠(1500粒以上/500g)の5段階がある。それ以外に粒度選別をしない統庄品も市場には流通する。 | 戦前は日本国内でも採集されていたが、現在は北海道などで少量栽培されているに過ぎない。韓国から輸入されて流通したことはあるが、現在は中国産が市場を占めている。半夏の等級は粒の大きさで特級(150-180粒/500g)、甲級(350-400粒/500g)、乙級(700-800粒/500g)、丙級(1350-1500粒/500g)、珍珠(1500粒以上/500g)の5段階がある。それ以外に粒度選別をしない統庄品も市場には流通する。 | ||
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調剤用の半夏は伝統的に○切り加工される。これは原形の規格がわかることと、表面積を大きくし抽出効率を増やすためである。 | 調剤用の半夏は伝統的に○切り加工される。これは原形の規格がわかることと、表面積を大きくし抽出効率を増やすためである。 | ||
+ | <center> | ||
+ | <gallery caption="" perrow="4"> | ||
+ | Image:Tochimoto-Pinellia-ハンゲ-甘粛-甲級・無S-(天恵)-06.jpg|無硫半夏 甲級 | ||
+ | Image:Tochimoto-Pinellia-ハンゲ-甘粛-乙級・無S-15.jpg|無硫半夏 乙級 | ||
+ | Image:Tochimoto-Pinellia-ハンゲ-甘粛-丙級・無S-15.jpg|無硫半夏 丙級 | ||
+ | Image:Tochimoto-Pinellia-ハンゲ-四川-珍珠-15.jpg|無硫半夏 珍珠 | ||
+ | Image:Tochimoto-Pinellia-ハンゲ-甘粛-乙級・有硫-(天恵)-06.jpg|有硫半夏 乙級 | ||
+ | Image:Tochimoto-Pinellia-ハンゲ-甘粛-丙級・有硫-(天恵)-06.jpg|有硫半夏 丙級 | ||
+ | Image:Tochimoto-Pinellia-ハンゲ-甘粛-甲○切-06.jpg|調剤用 無硫半夏 甲級(○切) | ||
+ | Image:Tochimoto-Pinellia-ハンゲ-甘粛-乙○切-06.jpg|調剤用 無硫半夏 乙級(○切) | ||
+ | Image:Tochimoto-Pinellia-ハンゲ-甘粛-丙○切-06.jpg|調剤用 無硫半夏 丙級(○切) | ||
+ | Image:Tochimoto-Pinellia-ハンゲとテンナンショウ-03.jpg|半夏(左)と天南星(右) | ||
+ | </gallery> | ||
+ | </center> | ||
==生産加工状況== | ==生産加工状況== | ||
半夏は乾燥すると周皮がはがれにくいため、一般的には採集した農家が新鮮な時に皮を去り、乾燥して加工場、購買所で取引を行う。 | 半夏は乾燥すると周皮がはがれにくいため、一般的には採集した農家が新鮮な時に皮を去り、乾燥して加工場、購買所で取引を行う。 | ||
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+ | <gallery caption="" perrow="4"> | ||
+ | Image:Tochimoto-Pinellia-CIMG0718.jpg|農家から集荷された半夏 | ||
+ | Image:Tochimoto-Pinellia-CIMG0716.jpg|農家からの半夏は皮去り状態、大きさは不揃い | ||
+ | Image:Tochimoto-Pinellia-CIMG0736.jpg|水洗兼研磨機に投入する | ||
+ | Image:Tochimoto-Pinellia-CIMG0722.jpg|水を満タンに注ぎ込む | ||
+ | Image:Tochimoto-Pinellia-CIMG0735.jpg|水洗兼研磨機:回転軸の上下左右にブラシ固定 | ||
+ | Image:Tochimoto-Pinellia-CIMG0733.jpg|ブラシは竹に鉄線が埋め込まれたもの | ||
+ | Image:Tochimoto-Pinellia-CIMG0750.jpg|水が注入された状態 | ||
+ | Image:Tochimoto-Pinellia-CIMG0744.jpg|上部を麻袋で覆い回転させる | ||
+ | Image:Tochimoto-Pinellia-CIMG0746.jpg|終了後は下部から水を抜く | ||
+ | Image:Tochimoto-Pinellia-CIMG0756.jpg|研磨した半夏の搬出 | ||
+ | Image:Tochimoto-Pinellia-CIMG0753.jpg|搬出後に再度簡単に水洗 | ||
+ | Image:Tochimoto-Pinellia-CIMG0711.jpg|薄く広げて日干し乾燥 | ||
+ | Image:Tochimoto-Pinellia-CIMG0710.jpg|乾燥中の研磨された半夏 | ||
+ | Image:Tochimoto-Pinellia-CIMG0772.jpg|乾燥後に網目の違うふるいで等級分け | ||
+ | Image:Tochimoto-Pinellia-CIMG0774.jpg|奥から甲・乙・丙・珍珠と分けられ包装 | ||
+ | </gallery> | ||
+ | </center> | ||
===輸出用選別=== | ===輸出用選別=== | ||
輸出規格は周皮が完全に除かれ、変色していないものとされている。農家での皮去りは不十分であり、水洗兼研磨機では完全に周皮を去ることができないため、目視選別が必要となる。当然、粒度の大きい甲・乙級などと珍珠では時間あたりの選別重量が異なるため、珍珠規格の選別加工賃は割高に設定されている。選別作業員の賃金は出来高支払い制により、選別の精度に問題はなく、選別速度は速い。 | 輸出規格は周皮が完全に除かれ、変色していないものとされている。農家での皮去りは不十分であり、水洗兼研磨機では完全に周皮を去ることができないため、目視選別が必要となる。当然、粒度の大きい甲・乙級などと珍珠では時間あたりの選別重量が異なるため、珍珠規格の選別加工賃は割高に設定されている。選別作業員の賃金は出来高支払い制により、選別の精度に問題はなく、選別速度は速い。 | ||
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− | + | <gallery caption="" perrow="4"> | |
− | 選別後の規格外の半夏 | + | Image:Tochimoto-Pinellia-CIMG0781.jpg|選別中の作業員 |
+ | Image:Tochimoto-Pinellia-CIMG0784.jpg|電気はなく、扉側の太陽光での選別 | ||
+ | Image:Tochimoto-Pinellia-CIMG0788.jpg|一粒ずつ手で選別 | ||
+ | Image:Tochimoto-Pinellia-CIMG0787.jpg|選別後の良品の半夏 | ||
+ | Image:Tochimoto-Pinellia-CIMG0785.jpg|選別後の規格外の半夏 | ||
+ | </gallery> | ||
+ | </center> | ||
===中国の半夏栽培=== | ===中国の半夏栽培=== | ||
半夏は四川省、甘粛省、雲南省、貴州省、湖北省、湖南省など各地で小麦の収穫後に生産されていたが、農薬使用の拡大にともなって生産量は減少している。現在、半夏の価格上昇によって甘粛省、四川省などで栽培が進んできているが生産量はまだ少ない。 | 半夏は四川省、甘粛省、雲南省、貴州省、湖北省、湖南省など各地で小麦の収穫後に生産されていたが、農薬使用の拡大にともなって生産量は減少している。現在、半夏の価格上昇によって甘粛省、四川省などで栽培が進んできているが生産量はまだ少ない。 | ||
+ | <center> | ||
+ | <gallery caption="" perrow="4"> | ||
+ | Image:Tochimoto-Pinellia-DSCN2937.jpg|栽培用の半夏の種芋 | ||
+ | Image:Tochimoto-Pinellia-DSCN2939.jpg|半夏の種芋の植付け作業 | ||
+ | Image:Tochimoto-Pinellia-DSCN2943.jpg|畝の横に溝を切る | ||
+ | Image:Tochimoto-Pinellia-DSCN2947.jpg|溝に水を注ぎ込む | ||
+ | Image:Tochimoto-Pinellia-DSCN2948.jpg|散水後の溝に種芋を植える | ||
+ | Image:Tochimoto-Pinellia-DSCN2968.jpg|覆土して完了 | ||
+ | Image:Tochimoto-Pinellia-DSCN2932.jpg|栽培半夏の地上部 | ||
+ | Image:Tochimoto-Pinellia-DSCN2925.jpg|栽培半夏の試し掘り上げ | ||
+ | Image:Tochimoto-Pinellia-DSCN2926.jpg|掘り上げた栽培半夏 | ||
+ | Image:Tochimoto-Pinellia-DSCN2929.jpg|大小様々な栽培半夏 | ||
+ | </gallery> | ||
+ | </center> | ||
==理化学的品質評価== | ==理化学的品質評価== | ||
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==内部形態:鏡検== | ==内部形態:鏡検== | ||
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;生薬の性状 JP15 | ;生薬の性状 JP15 | ||
本品はやや偏圧された球形~不整形を呈し、径0.7~2.5cm、高さ0.7~1.5cmである。外面は白色~灰白黄色で、上部には茎の跡がくぼみとなり、その周辺には根の跡がくぼんだ細点となっている。質は充実する。切面は白色、粉性である。 | 本品はやや偏圧された球形~不整形を呈し、径0.7~2.5cm、高さ0.7~1.5cmである。外面は白色~灰白黄色で、上部には茎の跡がくぼみとなり、その周辺には根の跡がくぼんだ細点となっている。質は充実する。切面は白色、粉性である。 | ||
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本品の横切片を鏡検するとき、主としてでんぷん粒を充満した柔組織からなり、わずかにシュウ酸カルシウムの束晶を含む粘液細胞が認められる。でんぷん粒は主として2~3個の複粒で、通例、径10~15μm、単粒は、通例、径3~7µmである。束晶は長さ25~150μmである。 | 本品の横切片を鏡検するとき、主としてでんぷん粒を充満した柔組織からなり、わずかにシュウ酸カルシウムの束晶を含む粘液細胞が認められる。でんぷん粒は主として2~3個の複粒で、通例、径10~15μm、単粒は、通例、径3~7µmである。束晶は長さ25~150μmである。 | ||
+ | | | ||
+ | |[[/Image:Tochimoto-Pinellia-cmt398.jpg|300px]] | ||
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===各種比較=== | ===各種比較=== | ||
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− | + | {| | |
− | + | | ○半夏 甲級 <中国甘粛省> | |
− | + | |- | |
+ | |[[Image:Tochimoto-Pinellia-半夏(甘粛・甲級)J.jpg|thumb|]] | ||
+ | |} | ||
+ | {| | ||
+ | | ○天南星<br/>・横切面(大きな油道が認められる) | ||
+ | | ○天南星<br/>・横切面(油道は認められるが小さい) | ||
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+ | |[[Image:Tochimoto-Pinellia-天南星・横切-1J.jpg|thumb|]] | ||
+ | |[[Image:Tochimoto-Pinellia-天南星・横切-2J.jpg|thumb|]] | ||
+ | |- | ||
+ | | ・束針晶 | ||
+ | | ・集晶 | ||
+ | |- | ||
+ | |[[Image:Tochimoto-Pinellia-天南星・束針晶J.jpg|thumb|]] | ||
+ | |[[Image:Tochimoto-Pinellia-天南星・集晶J.jpg|thumb|]] | ||
+ | |} | ||
+ | </center> | ||
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+ | <半夏と天南星の比較> | ||
・シュウ酸カルシウムの束針晶は、半夏、天南星ともに認められるが、集晶は、天南星には認められ、半夏には認められない。なお、中国で天南星として用いられる Arisaema 属植物の塊茎で、集晶が認められないものもある。 | ・シュウ酸カルシウムの束針晶は、半夏、天南星ともに認められるが、集晶は、天南星には認められ、半夏には認められない。なお、中国で天南星として用いられる Arisaema 属植物の塊茎で、集晶が認められないものもある。 | ||
・横切面において、天南星には油道が認められることが多いが、半夏には認められない。 | ・横切面において、天南星には油道が認められることが多いが、半夏には認められない。 |
Revision as of 09:23, 3 December 2010
Crude-drug Top Gallery |
General Index | Names | Prescriptions | Books | Journals | Terminology | Chinese Medicines |
出典: 栃本天海堂創立60周年記念誌 |
半夏 (Pinellia Tuber)
半夏はサトイモ科のカラスビシャクPinellia ternata Breitenbachのコルク層を除いた塊茎を基原とする。生産期は5月中旬で、半分夏であることから「半夏」と言われるようになった。節季の七十二候に「半夏生(ハンゲショウズ)」の雑節があるが、これは半夏(烏柄杓:カラスビシャク)という薬草が生えるころを意味していることも興味深い。半夏は畑や田んぼの畔に多く自生しており、本草書に「守田」「水玉」の名があるのも理解できる。残念なことだが水田で農薬が使用されるようになり、野生品が減少している。 流通する半夏の多くは野生品の採集で生産されている。そのためか同じサトイモ科の「天南星」が混入することが多く、生薬の外部形態からは識別が難しいのが現状である。また古来、半夏は白くて大きなものが良品とされ、中国の生産では漂白を目的に硫黄燻蒸が一般的に行われており、SO2残留の安全性や、硫黄酸化物による大気汚染の問題があるため、当社では硫黄燻蒸を施さない「無硫半夏」を特別に生産し、「有硫半夏」と区別している。 (より詳しく見る→栃本天海堂創立60周年記念誌)
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半 夏
『日本薬局方 15改正(JP15)』
- 半夏:PINELLIAE TUBER
- カラスビシャク Pinellia ternata Breitenbach (Araceae) のコルク層を除いた塊茎と規定されている。
『中華人民共和国薬典2005年版』 半夏:RHIZOMA PINELLIAE
- 半夏 Pinellia ternata (Thunb.) Breit. の乾燥した塊茎と規定されている。
- {{{3}}}
『大韓薬典 第9改正』
- 반하 半夏:PINELLIAE TUBER
- 반하 Pinellia ternata Breitenbachの塊茎で周皮を完全に除いたものと規定されている。
市場流通品と現状
戦前は日本国内でも採集されていたが、現在は北海道などで少量栽培されているに過ぎない。韓国から輸入されて流通したことはあるが、現在は中国産が市場を占めている。半夏の等級は粒の大きさで特級(150-180粒/500g)、甲級(350-400粒/500g)、乙級(700-800粒/500g)、丙級(1350-1500粒/500g)、珍珠(1500粒以上/500g)の5段階がある。それ以外に粒度選別をしない統庄品も市場には流通する。 調剤用の半夏は伝統的に○切り加工される。これは原形の規格がわかることと、表面積を大きくし抽出効率を増やすためである。
生産加工状況
半夏は乾燥すると周皮がはがれにくいため、一般的には採集した農家が新鮮な時に皮を去り、乾燥して加工場、購買所で取引を行う。
輸出用選別
輸出規格は周皮が完全に除かれ、変色していないものとされている。農家での皮去りは不十分であり、水洗兼研磨機では完全に周皮を去ることができないため、目視選別が必要となる。当然、粒度の大きい甲・乙級などと珍珠では時間あたりの選別重量が異なるため、珍珠規格の選別加工賃は割高に設定されている。選別作業員の賃金は出来高支払い制により、選別の精度に問題はなく、選別速度は速い。
中国の半夏栽培
半夏は四川省、甘粛省、雲南省、貴州省、湖北省、湖南省など各地で小麦の収穫後に生産されていたが、農薬使用の拡大にともなって生産量は減少している。現在、半夏の価格上昇によって甘粛省、四川省などで栽培が進んできているが生産量はまだ少ない。
理化学的品質評価
産地 | 検体数 | 灰分 3.5%以下 |
酸不溶性灰分 | 乾燥減量 14.0%以下 |
希エタノール エキス含量 |
---|---|---|---|---|---|
中国ALL | 296 2.2±0.4 | 0.12±0.06 | 11.6±2.4 | 4.0±1.4 | |
四川 | 80 | 2.2±0.5 | 0.11±0.03 | 11.4±2.8 | 3.6±1.6 |
甘粛 | 60 | 2.1±0.4 | 0.11±0.02 | 10.8±2.6 | 3.6±1.4 |
貴州 | 44 | 2.4±0.3 | 0.14±0.10 | 12.8±1.7 | 4.8±0.9 |
雲南 | 24 | 2.3±0.3 | 0.16±0.13 | 11.8±1.2 | 4.3±0.9 |
- 灰分
- 貴州 > 四川,甘粛 ( p < 0.05 ). 雲南 > 甘粛 ( p < 0.05 ).
- 希エタノールエキス含量
- 貴州, 雲南 > 四川,甘粛 ( p < 0.05 ). 貴州 > 雲南 ( p < 0.1 ).
等級 | 検体数 | 灰分 3.5%以下 |
酸不溶性灰分 | 乾燥減量 14.0%以下 |
希エタノール エキス含量 |
---|---|---|---|---|---|
甲級 | 34 | 2.0 ±0.3 | 0.11 ±0.04 | 11.9 ±2.3 | 3.9 ±1.7 |
乙級 | 71 | 2.1 ±0.3 | 0.11 ±0.05 | 11.7 ±2.4 | 4.2 ±1.5 |
丙級 | 91 | 2.1 ±0.4 | 0.11 ±0.02 | 11.3 ±2.6 | 3.9 ±1.6 |
珍珠 | 70 | 2.4 ±0.4 | 0.13 ±0.10 | 12.5 ±1.6 | 4.5 ±1.0 |
- 灰分
- 珍珠 > 丙級, 乙級, 甲級 ( p < 0.05 ).
- 希エタノールエキス含量
- 珍珠 > 丙級, 甲級 ( p < 0.05 ). その他は有意差無し.
内部形態:鏡検
本品はやや偏圧された球形~不整形を呈し、径0.7~2.5cm、高さ0.7~1.5cmである。外面は白色~灰白黄色で、上部には茎の跡がくぼみとなり、その周辺には根の跡がくぼんだ細点となっている。質は充実する。切面は白色、粉性である。 本品はほとんどにおいがなく、味は初めなく、やや粘液性で、後に強いえぐ味を残す。 本品の横切片を鏡検するとき、主としてでんぷん粒を充満した柔組織からなり、わずかにシュウ酸カルシウムの束晶を含む粘液細胞が認められる。でんぷん粒は主として2~3個の複粒で、通例、径10~15μm、単粒は、通例、径3~7µmである。束晶は長さ25~150μmである。 |
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各種比較
○半夏 甲級 <中国甘粛省> |
○天南星 ・横切面(大きな油道が認められる) |
○天南星 ・横切面(油道は認められるが小さい) |
・束針晶 | ・集晶 |
<半夏と天南星の比較> ・シュウ酸カルシウムの束針晶は、半夏、天南星ともに認められるが、集晶は、天南星には認められ、半夏には認められない。なお、中国で天南星として用いられる Arisaema 属植物の塊茎で、集晶が認められないものもある。 ・横切面において、天南星には油道が認められることが多いが、半夏には認められない。