Aritalab:Lecture/Biochem/Saccharide/Hexose
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− | | allose || Protea rubropilosaという植物に含まれることが知られていますが、天然にはほとんど存在しません。そのため希少糖と呼ばれます。 | + | | allose<br/>[[File:Alpha-D-Allose.png|80px]] || Protea rubropilosaという植物に含まれることが知られていますが、天然にはほとんど存在しません。そのため希少糖と呼ばれます。 |
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− | | idose || アルデヒド部分がカルボキシル基に変化したイヅロン酸(iduronic acid)が細胞内の糖鎖グリコサミノグリカン(アミノ糖を持つ多糖でGAGと略される)に含まれます。 | + | | idose<br/>[[File:Alpha-D-Idose.png|80px]] || アルデヒド部分がカルボキシル基に変化したイヅロン酸(iduronic acid)が細胞内の糖鎖グリコサミノグリカン(アミノ糖を持つ多糖でGAGと略される)に含まれます。 |
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− | | gulose || 天然には存在しません。glucoseの不斉炭素をひっくり返して得られるため、glucoseの文字をひっくり返してguloseとつけられました。構造一覧表で確認してみましょう。(それなら本当はgulcose?) | + | | gulose<br/>[[File:Alpha-D-Gulose.png|80px]] || 天然には存在しません。glucoseの不斉炭素をひっくり返して得られるため、glucoseの文字をひっくり返してguloseとつけられました。構造一覧表で確認してみましょう。(それなら本当はgulcose?) |
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− | | talose || 天然には存在しません。 | + | | talose<br/>[[File:Alpha-D-Talose.png|80px]] || 天然には存在しません。 |
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− | | altrose || 天然には存在しません。 | + | | altrose<br/>[[File:Alpha-D-Altrose.png|80px]] || 天然には存在しません。 |
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酸素が足りない糖をデオキシ糖と呼びます。細胞壁の成分として有名なL-ラムノースとL-フコースはそれぞれFishcer投影法で描いたときに一番下にくる炭素( 6 位)から酸素がなくなったL-マンノースとL-ガラクトースのことです。 | 酸素が足りない糖をデオキシ糖と呼びます。細胞壁の成分として有名なL-ラムノースとL-フコースはそれぞれFishcer投影法で描いたときに一番下にくる炭素( 6 位)から酸素がなくなったL-マンノースとL-ガラクトースのことです。 | ||
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− | + | | L-rhamnose = 6-deoxy-L-mannose | |
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+ | | L-fucose = 6-deoxy-L-galactose | ||
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===6 単糖のケトース=== | ===6 単糖のケトース=== |
Revision as of 15:40, 10 June 2011
Contents |
6 単糖のアルドース
多くの糖は-oseという語尾をもちます。この中でアルデヒド(aldehyde)基をもつ糖の総称をアルドース(aldose)といいます。炭素 6 個のアルドースは 4 個の不斉炭素を持ち、 24=16 通りの異性体があります。このうちの 8 つ(L体)は自然界に存在せず、残りの 8 種についても、D-グルコース、D-ガラクトース、D-マンノース以外はほとんどみられません。
- D-Glucose ブドウ糖は英語でも grape sugar
- D-Galactose Gala湯沢ってどういう意味?
- D-Mannose マンナ同様、生命に必須
α-D-mannoseマンノースも天然には単糖で存在しません。語源は旧約聖書(のExodus)において神が彷徨える民に与えた食料、マンナ(manna)です。そういえば森永マンナビスケット、という商品がありますが、あれと同じです。(マンナにマンノースは入っていません。)甘さは、ショ糖を 1 とすると 0.3 程度です。 |
- デオキシ誘導体:
酸素が足りない糖をデオキシ糖と呼びます。細胞壁の成分として有名なL-ラムノースとL-フコースはそれぞれFishcer投影法で描いたときに一番下にくる炭素( 6 位)から酸素がなくなったL-マンノースとL-ガラクトースのことです。
L-rhamnose = 6-deoxy-L-mannose | ||
L-fucose = 6-deoxy-L-galactose |
6 単糖のケトース
アルドースに対して、ケト(keto)基、つまり 2 重結合でつながった酸素をもつ糖をケトース(ketose)といいます。 6 炭糖のケトースは 3 個の不斉炭素を含むので 23=8 通りの異性体があります。L体は自然界に存在せず、D体でも存在するのはD-フルクトースだけでしょう。
- D-Fructose
solbose | ソルボースのアルデヒドを還元してアルコールにしたものがソルビトール(sorbitol)です。グルコースを高圧で触媒により還元させて作ります。ドイツ語ではソルビット(solbit)、日本での年間消費量が10万トンを超える有名な糖アルコールです。甘さはショ糖を1として0.6程度。ナナカマド(Sorbus属)の実から発見されたため、この名前がつきました。甘味料のほか保湿剤としても使われます。主に、コンビニのおにぎり、歯磨き粉の原材料として利用されています。 |
tagatose | ショ糖と同じ甘さですが小腸で吸収されにくく、結果としてカロリーが4割程度と低くなるため、人口甘味料として使えます。次のプシコースとともに希少糖ですが、最近になって大量生産の方法が開発され、アメリカでは既に利用されています。日本では2006年に安全性評価がおこなわれ、おそらく食品添加物として市場に出るでしょう。工業的にはガラクトースをアルカリで処理してタガトースに変換します。体内では果糖と同じ経路で代謝されます。 |
psicose | 希少糖ですが、大量生産の方法が開発されています。ノンカロリーですが、投与するとグルコース同様インスリンを分泌すさせるなどの生理活性を持ちます。 |