Doc:Citrus/Okinawa

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「琉球列島在来カンキツ遺伝資源に関する研究」

このページは稲福(寺本)さゆりさんの学位論文 "Studies on Citrus genetic resources in the Ryukyu Islands" (鹿児島大学大学院連合農学研究科)のまとめになります。

琉球の柑橘(かんきつ)

八重山諸島、沖縄諸島、奄美諸島をふくむ琉球列島全域には、本土にはない特徴を持つマンダリンタイプの在来柑橘類が多く残ります。生産量は多い順にタンカン(中国原産の、オレンジとポンカンの交雑種)、温州ミカン、シークヮーサー類ですが、その他に、カーブチー、オートー、ケラジ、クネンボといった品種が数百年以上栽培されています。

琉球の柑橘
品種名 学名 説明
シークヮーサー類 C. depressa Hayata 沖縄では,酸味があり,香りが強く,熟すると橙色になる小型カンキツ類をすべてシークヮーサー類と呼称している。クガニーとイシクニブはその一系統
クガニー C. depressa Hayata var. kuganiiz 大果優良系の栽培種。代表的な4つの品種(大宜味クガニー,伊豆味クガニー,勝山クガニー,カーアチー)が含まれる。
イシクニブ C. depressa Hayata form. Ishikunibuz  果皮が濃橙色で減酸が遅く,晩生でやや矮性である野生種。
在来タチバナ (タニブター) C. tachibana (Makino) Tanaka var. attenuata シークヮーサー類と異る果皮の香気や腰高な果形,粗く大きな油胞の形状と分布,完熟期における鮮黄の果皮色,丸みのある大きく滑らかな種子,単胚性といった特徴をもつ(日本原産のタチバナは多胚性)。完熟期には酸度が0.24%と全く酸味が感じられないが未熟期は酸っぱい。名護市と大宜味村および本部町内でも自生
シキキツ C. madurensis Lour.
ロクガツミカン C. rokugatsu hort. ex Yu. Tanaka
ケラジ C. kearji hort. ex Tanaka ケラジミカン。栽培種がカーブチー(沖縄方言で「皮が厚い」を意味する)と呼ばれている。
カーブチー C. keraji hort. ex Tanaka var. kabuchii キカイ(喜界)ミカンとも。樹勢が強く,かつ樹齢の高い樹が存在。珠心胚実生により増殖。タルガヨ、ウンジュは香気に違いがあるが外観が酷似し、ともにカーブチーから派生した雑種もしくはカーブチーと同時期に発生した雑種と考えられる
タルガヨ、ウンジュ C. tarogayo hort. ex Yu. Tanaka 果実だけでなく葉、樹形、樹勢の強さもカーブチーに似る。生産量は県内で年間数百キロから1トン弱。含種子数が少なく、生食に向くものをウンジュと呼んでいる
オートー C. oto hort. ex Yu. Tanaka
クネンボ C. nobilis Lour. 海外からの移入種。15世紀から16世紀にかけて琉球へ渡来し、奄美諸島を経由して九州、関東へと伝播した。昭和初期に盛んに栽培された。沖縄名を羽地トークニブまたはトークンブという
ダイダイ  C. aurantium 漢字では臭橙、琉球ではデーデーまたはインクニブとも呼ばれる
タンカン C. tankan Hayata 戦後に栽培が開始された外来種。沖縄ではT-132、垂水1号、名護紅早生の品種がある。沖縄における柑橘生産の4割以上を占め、香りはオレンジとマンダリンの中間的な組成で万人に好まれる。
オオベニミカン C. tangerina hort. ex Tanaka 外来種。温州みかんに似て濃い紅色の美しい外観を持つが、味は淡白。奄美ではタンカンが導入される前の主要柑橘

沖縄のカンキツ遺伝資源の特徴として,独特の香りの強さがあげられます(Teramoto and Kawamitsu, 2010)。

C. aurantium

C. depressa

C. keraji

C. maxima

C. nobilis

C. oto

C. rokugatsu

C. tachibana

C. tarogayo

C. spp.

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