CrudeDrug:Zingiberis Processum Rhizoma
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General Index | Names | Prescriptions | Books | Journals | Terminology | Chinese Medicines |
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生姜、乾姜はショウガ科のショウガ Zingiber officinale Roscoe の根茎を基原とする。日本市場では生姜は外皮を去り乾燥するか、外皮を付けたまま切片状にスライスして乾燥したもので、乾姜は外皮を付けたまま湯通し、もしくは蒸した後乾燥したものである。生姜は辛温解表・鎮嘔薬として、乾姜は温中散寒・止痛薬として、多くの漢方方剤に配合されている。中国と韓国では、乾燥させていない新鮮なものを生姜、そのまま乾燥させたものを乾姜としており日本市場品とは名称が異なる。中国には、更に別に「均姜」「炮姜」と称するものもある。 神農本草経には「生姜」という名称では収載はなく、「乾姜」として中品に収載されており、「生の者尤も良し」という記載がある。一方、名医別録には「生姜」が収載され、「九月に採る」との記載しかないため、こちらは新鮮なショウガのようである。 (出典:栃本天海堂創立60周年記念誌)
日本と中国における生姜(ショウキョウ)、乾姜(カンキョウ)の違い Name difference of "Fresh" and "Dried" ginger between Japan and China | |||
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新鮮な根茎 Fresh ginger |
乾燥根茎 Dried ginger |
湯通しまたは蒸した後に乾燥した根茎 Steamed and dried ginger | |
日本での言い方 Japan |
ひね生姜 Hineshokyo |
生姜 乾生姜 Shokyo |
乾姜 Kankyo |
中国での言い方 China |
生姜 Shokyo |
乾姜 Kankyo |
なし never used |
乾姜
カンキョウ Processed Ginger | |
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Species * ... non-plant |
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Part(s) Used | 湯通し又は蒸した根茎 |
Property | 本品は偏圧した不規則な塊状でしばしば分枝する分枝した各部はやや湾曲した卵形又は長卵形を呈し、長さ2~4cm、径1~2cmである。外面は灰黄色~灰黄褐色で、しわ及び輪節がある。折面は褐色~暗褐色で透明感があり角質である。横切面をルーペ視するとき皮層と中心柱は区分され全面に維管束が散在する。
本品は特異なにおいがあり、味は極めて辛い。本品の横切片を鏡検するとき、外側よりコルク層皮層、内皮、中心柱が認められる。皮層と中心柱は1層の内皮によって区分される。皮層及び中心柱は柔組織からなり、繊維束で囲まれた維管束が散在する。柔組織中には黄色の油様物質を含む油細胞が散在し、柔細胞中にはシュウ酸カルシウムの単晶が含まれ、でんぷんは糊化している。 |
Test | TLC法:本品の粉末2gにジエチルエーテル5mLを加え、10分間振り混ぜた後、ろ過し、ろ液を試料溶液(1)とする。残留物にメタノール5mLを加え、同様に操作し、試料溶液(2)とする。別に薄層クロマトグラフィー用[6]-ショーガオール1mgをメタノール2mLに溶かし、標準溶液(1)とする。また、白糖1mgをメタノール2mLに溶かし、標準溶液(2)とする。これらの液につき、薄層クロマトグラフィーにより試験を行う。試料溶液(1)及び標準溶液(1)10μLずつを薄層クロマトグラフィー用シリカゲルを用いて調製した薄層板にスポットする。次に酢酸エチル/ヘキサン混液(1:1)を展開溶媒として約10cm展開した後、薄層板を風乾する。これに噴霧用4-ジメチルアミノベンズアルデヒド試液を均等に噴霧し、105℃で5分間加熱した後、放冷するとき、試料溶液(1)から得た数個のスポットのうち1個のスポットは、標準溶液(1)から得た緑色のスポットと色調及びRf値が等しい。また、試料溶液(2)及び標準溶液(2)10μLずつを薄層クロマトグラフィー用シリカゲルを用いて調製した薄層板にスポットする。次に1-ブタノール/水/酢酸混液(8:5:3)を展開溶媒として約10cm展開した後、薄層板を風乾する。これに1,3-ナフタレンジオール試液を均等に噴霧し、105℃で5分間加熱するとき、試料溶液(2)から得た数個のスポットのうち1個のスポットは、標準溶液(2)から得た赤紫色のスポットと色調及びRf値が等しい。 |
Drying loss | 15.0 %以下(6時間) |
Ash content | 6.5 %以下 |
Acid-insoluble ash | 1.5 %以下 |
Pharmacopeia | 日局 16-p1474 |
Effect | 解熱、鎮痛、鎮咳、抗炎症、発散作用、健胃、鎮吐 |
Constituent | [6]-ジンゲロール、[8]-ジンゲロール、[10]-ジンゲロール、ショウガオール、α-ジンギベレン、ガラノラクトン [6]-gingerol, [8]-gingerol, [10]-gingerol, shogaol, alpha-Zingiberene, galanolactone |
Links |
References
- 【基原動植物から灰分等まで】第十六改正日本薬局方
- 【効能】矢作忠弘, 渥美聡孝, (以下8名)..., 牧野利明「歴代成書に見られる生薬の効能に関する記載のデータベース化」生薬学雑誌, 71(1), 2017
- 【成分】生薬単 (伊藤美千穂 北山隆 監修; 原島広至 著) NTS
Prescriptions 処方一覧
歴代成書に見られる生薬の効能に関する記載
利用する場合は以下を引用してください。
- 矢作 忠弘,石内勘一郎,渥美 聡孝,三宅 克典,森永 紀,伏見 裕利,大山 雅義,森川 敏生,田中 謙,有田 正規,牧野 利明「歴代成書に見られる生薬の効能に関する記載のデータベース化」生薬学雑誌, 71(1), 1-36, 2017
番号 | 書名 | 出版年 | 記載 |
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3 | 局方医薬品承認申請の手引き | 1980 | 記載なし |
4 | 生薬のエキス製剤の製造販売承認申請に係るガイダンスついて(2015年12月25日薬生審査発) | 2015 | 記載なし |
5 | JP7 第1部 大改訂版 第2部 解説書(1966) | 1961 | 記載なし |
6 | JP8 解説書 | 1971 | 記載なし |
7 | JP9 解説書 | 1976 | 記載なし |
8 | JP10 解説書 | 1981 | 記載なし |
9 | JP11 解説書 | 1986 | 記載なし |
10 | JP12 解説書 | 1991 | 記載なし |
11 | JP13 解説書 | 1996 | 記載なし |
12 | JP14 解説書 | 2001 | 記載なし |
13 | JP15 解説書 | 2006 | 応用、適用の記載なし D-140 |
14 | JP16 解説書 | 2011 | 応用、適用の記載なし D-156 |
15 | 登録販売者試験実施ガイドライン作成検討会_試験問題の作成に関する手引き(厚生労働省医薬食品局総務課2007年7月) | 2007 | 記載なし |
19 | 『改訂生藥學』アルベルト・ウィカンド 大井玄洞 | 1887 | 記載なし |
20 | 『生藥學』第5版 下山順一郎 | 1901 | 記載なし |
21 | 『簡明生藥學』島崎健造 | 1909 | 記載なし |
22 | 『最新薬学全書 第6編 生薬学』 伊藤治輔 編、日本薬学講習会 | 1913 | 記載なし |
23 | 『生藥學』第13版 下山純一郎 朝比奈泰彦 | 1916 | 記載なし |
24 | 『和漢薬物学』日野五七郎 一色直太郎 同済号書房 たにぐち書店復刻版 | 1931 | 記載なし |
25 | 『薬理的生薬学』村上師壽 三省堂 | 1933 | 記載なし |
26 | 『生藥學』第20版 下山順一郎 朝比奈泰彦 藤田直市 | 1934 | 効能の記載なし。上P97 |
27 | 『生藥學』第27版 下山純一郎 朝比奈泰彦 藤田直市 | 1943 | 記載なし |
28 | 『生藥學教科書』木村康一 | 1949 | 記載なし |
29 | 『最新生薬学』刈米達夫 | 1949 | 記載なし |
30 | 『生薬学』三橋博、醫學書院 | 1958 | 記載なし |
31 | 『生薬学』第4版、藤田路一 | 1963 | 記載なし |
32 | 『新編生薬学』東丈夫 名越規朗 廣川書店 | 1965 | P50(ショウキョウの項に記載): 芳香性健胃剤。ショウキョウチンキ、シロップ、芳香散。漢方: 矯味剤をかねる健胃剤として胃内の水毒を除くのに用いられる。どの処方においても”生姜”とあるものは野菜のひね生姜を用いる。蒸して乾燥したものは乾姜として区別する。 |
33 | 『生薬学総論』柴田承二 東丈夫 木島正夫 下村孟 廣川書店 | 1966 | 記載なし |
34 | 『生薬学』稲垣勲 嶋野武 嶋田玄彌 長沢元夫 南江堂 | 1967 | 記載なし |
35 | 『和漢生薬』刈米達夫 廣川書店 植物分類学での順 | 1971 | P267: 芳香性健胃薬。漢方で処方の主薬となることはないが処方の大部分に配合され温薬として新陣代謝機能を促進し水毒を去る。(乾姜と生姜を区別していない) |
36 | 『最新生薬学 第三改槁版』刈米達夫 廣川書店 | 1973 | 効能の記載なし。P79 |
37 | 『スタインエッガー・ヘンゼル生薬学〔上〕‐化学・薬理学へのアプローチ‐第3版』糸川秀治 太田明廣 西川嘉廣 廣川書店 | 1975 | 記載なし |
38 | 『スタインエッガー・ヘンゼル生薬学〔下〕‐化学・薬理学へのアプローチ‐第3版』糸川秀治 太田明廣 西川嘉廣 廣川書店 | 1976 | 記載なし |
39 | 『生薬学』 木島正夫 澤田徳之助 秦清之 朝倉書店 | 1978 | 記載なし |
40 | 『新常用和漢薬集』訂正第2版 東京生薬協会 編集 南江堂 | 1978 | 記載なし |
41 | 『最新生薬学総覧』伊沢一男 学文社 | 1978 | P25: 腹冷痛、腰痛などに用いる。 |
42 | 彩色写生図 日本の薬用植物〔生薬〕 生薬-成分-漢方-〔処方例〕高取治輔 廣川書店 | 1980 | 記載なし |
43 | 『生薬学第2版』北川勲 三川潮 庄司順三 滝戸道夫 友田正司 西岡五夫 廣川書店 | 1982 | 記載なし |
44 | 『コメンタリー局方生薬』初版 桑野重昭 山内和子 米田該典 廣川書店 | 1984 | 記載なし |
45 | 『新訂生薬学 第2版』長沢元夫 野呂征男 萩原幸夫 木村孟淳 南江堂 | 1987 | P99: 漢方では乾姜を温中回陽薬、胃腸を温める薬とし、生姜とは区別する。 |
46 | 『コメンタリー局方生薬』 第2版 桑野重昭 山内和子 米田該典 廣川書店 | 1987 | 記載なし |
47 | 『INTEGRATED ESSENTIALS 生薬学 改訂第3版』三橋博 指田豊 山﨑和男 南江堂 | 1989 | P262(ショウキョウの項に記載): …またヒネショウガを蒸して乾燥したものを乾姜と称し、漢方では生姜と薬効を異にしている。 |
48 | 『生薬学概論』 難波恒雄 津田喜典編 南江堂 | 1990 | 記載なし |
49 | 『生薬学改訂第4版』 三橋博 井上隆夫編集 南江堂 | 1992 | 記載なし |
50 | 『天然薬物・生薬学』 初版 奥田拓男編 廣川書店 | 1993 | 記載なし |
51 | 『薬用資源学』初版 山崎幹夫 斉藤和季編 丸善 | 1997 | 記載なし |
52 | 『漢方薬理学』高木敬次郎 木村正康 南山堂 | 1997 | P328: 脾胃の陽を温めるので、脾胃虚寒の吐瀉腹痛などの症に用いられる。 |
53 | 『生薬学概論(改訂第3版)』 難波恒雄 津田喜典 南江堂 | 1998 | 記載なし |
54 | 『生薬学第6版』 北川勲 三川潮 庄司順三 滝戸道夫 友田正司 西岡五夫 廣川書店 | 2001 | 記載なし |
55 | 『INTEGRATED ESSENTIALS 生薬学 改訂第6版』 指田豊 山﨑和男 南江堂 | 2002 | P304: 漢方では生姜と異なり、中を温め、代謝を促進する作用があり、大建中湯などに配合される。 |
56 | 『入門漢方医学』初版 日本東洋医学会学術教育委員会 編 日本東洋医学会発行 | 2002 | 記載なし |
57 | 『漢方・生薬学』久保道德 吉川雅之 廣川書店 | 2003 | P104: 乾姜は芳香性健胃薬として用いられており、漢方では嘔吐、咳、胸痛、腹痛、下痢に用いれられる。 |
58 | 『薬学生・薬剤師のための知っておきたい生薬100ー含漢方処方ー』第1版、日本薬学会編、東京化学同人 | 2004 | P58: ショウキョウの項に記載 |
59 | 『薬学生のための漢方薬入門』第2版、指田豊 三巻祥浩、廣川書店 | 2004 | P70: ショウキョウの項に記載 |
60 | 『スタンダード薬学シリーズ3 化学系薬学Ⅲ 自然が生み出す薬物』第1版 社団法人日本薬学会 編 東京化学同人 | 2005 | 記載なし |
61 | 『薬用植物学 改訂第6版』 野呂征男 水野瑞夫 木村孟淳 田中俊弘 南江堂 | 2006 | 記載なし |
62 | 『パートナー生薬学』 指田豊 山﨑和男 竹谷孝一 南江堂 | 2007 | P315: 漢方では、胃腸系を温め寒を除く、気を巡らし冷えを取る薬能がある。ショウキョウ胸間の小毒をとる作用が強く、カンキョウは胃腸を温める作用が強い。心臓部から腹部にかけての冷えと痛み、嘔吐、下痢、四肢の冷え、あるいは水滞と冷えによる喘咳、風寒湿痺、嘔吐、鼻出血、下血を主治する。中を温め、代謝を促進し水分の偏在や停滞による嘔吐、咳嗽、下痢、手足の冷え、疼痛などを治すと考えられる処方に配剤される。生姜、乾姜の両者から、gingesulfonic acidやshogasulfonic acid Aといったスルホン化誘導体が見いだされた。これらは乾燥や漂白の過程の二次産物であるが、それぞれ抗潰瘍作用や胃内容物排出遅延の改善作用などを示す。また市場品の検討よりzingeroneが乾姜に多く含まれることが見いだされた。 |
63 | 『生薬単』 伊藤美千穂 北山隆 NTS | 2007 | 記載なし |
64 | 『ベーシック薬学教科書シリーズ⑦生薬学・天然物化学』吉川雅之編 化学同人 | 2008 | P59: ショウキョウの項に記載 |
65 | 『伝統医薬学・生薬学』 御影雅幸 木村正幸 南江堂 | 2009 | P219(生姜の項に記載): 芳香性健胃、矯味薬。漢方では身体を温め水毒を治すのに用いる。生姜は乾姜より健胃、鎮嘔の効が大である。(中)散寒薬。方剤: 乾生姜の名称で、風邪薬、健胃消化薬、鎮吐薬、鎮痛薬とみなされる処方およびその他処方に高頻度で配合されている。また、粉末を芳香辛味健胃薬として配合剤(胃腸薬)の原料とする。漢方処方では生姜に限る処方は茯苓沢瀉湯、乾姜に限る処方は人参湯、乾姜および生姜の両方を配合する処方は生姜瀉心湯、半夏白朮天麻湯である。これら以外の多くの処方は乾生姜を用いるか、あるいは乾姜で代用される。生姜(鮮姜)のかわりに乾生姜を用いる際には、1/3?1/5の分量が適当である。 |
66 | 『日本伝統医学テキスト漢方編』平成22-23年度厚生労働科学研究費補助金『統合医療を推進するための日本伝統医学の標準化』研究班 | 2012 | P355: 裏寒を去り,冷え痛みや咳喘の改善を目的とした漢方処方に配合されている。 |
67 | 『新訂生薬学 改訂第7版』 木村孟淳 田中俊弘 水上元 南江堂 | 2012 | P105: 芳香辛味健胃薬、矯味薬。 |
68 | 『歴代日本薬局方収載生薬大事典』 木下武司著 | 2015 | 記載なし。 |
73 | 青本「化学」、薬学ゼミナール | 2016 | P578: 芳香性健胃 |
74 | コアカリ重点ポイント集「化学系薬学」改訂第4版 薬学ゼミナール | 2014 | P151: 健胃、矯味薬 |